アポカリプスな時代はマイペースな俺に合っていたらしい

黒城白爵

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第二章

第七十一話 資源は有効に活用すべし

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 ◆◇◆◇◆◇


 半グレ系超人勢力〈暗龍治焼武琉アンタッチャブル〉の拠点であるドーム型競技場の屋内に足を踏み入れると、俺達はエントランスホールで三手に分かれた。
 通過用に一時的にサイズを変えた大型の〈金属獣猟団ワイルドハント〉のみを傍に置いて、他のワイルドハント達はソフィアとシオンにそれぞれ同行させている。
 左右の通路を制圧していくのは彼女達に任せて、俺は正面のグラウンドへ向かって進んでいった。

 先行させた〈神秘金属メルクリウス〉製の金属大蛇へとアンタッチャブルに属する超人達が襲いかかるのを横目に見ながら、のんびりと歩いていく。
 金属大蛇に攻撃に集中している超人の一人の元へと近付くと、腰部から伸びる金属製の尻尾を更に伸ばし、鞭のようにしならせて超人の首を刈り取った。


「な、なんだアイツは!?」

「人型のモンスターか?」

「この金属モンスター共の親玉に違いねぇ! コイツからやるぞッ!」

「「「おうッ!」」」


 ワイルドハント達はまだしも、どうやら俺までモンスターと思われているらしい。
 まぁ、全身を異能〈錬金竜〉で竜型金属鎧へと変化させているのだから無理もないか。
 ガォー、とか言ってやろうかな?


「ガォー」

「ギャッ!?」

「ぐぼぉ!?」


 アンタッチャブルの超人達へと向けた両手を一瞬で伸長させて、彼らの身体の胴体へと突き刺した。
 その状態で、金属鎧化に伴って一時的に一体化しているアーティファクト〈幻死霊衣ノスフェラトゥ〉の〈生気吸収〉と〈魔力吸収〉を発動させる。
 伸ばした両手で貫いた二人の超人から生気と魔力を吸い取り、ここまでで消耗したエネルギーを回復させていく。
 数秒ほどでミイラのように薄く枯れて死んだ二人を投げ棄てると、次の超人へと文字通り手を伸ばす。


「ば、化け物だっ!」

「モンスターだから当たり前じゃねぇか!」

「そうだった!」


 楽しそうなコントをしてる二人に狙いを定めて、両手をタコの触腕のようにウネウネ動かして追いかける。


「隙あり!」

「オマエがな」

「あがっ!? に、人間の言葉、だと?」

「人間だからな、俺は」


 横合いから重機のパーツっぽい鈍器を振り下ろしてきた超人の攻撃を、尻尾で貫いて阻止する。
 彼らの前で喋っていないとはいえ、モンスター扱いとは失礼な奴らである。
 尻尾から吸収攻撃ドレインを行うと、力尽きた超人の手から落ちてきた鈍器が頭部に直撃した。
 だが、ダメージは勿論のこと大した衝撃もなかった。


「こんな重そうなのが当たってもダメージは無しか。見た目はアレだが、素晴らしい性能だな」


 全身金属鎧化の性能を改めて実感していると、敵の超人達が逃げられないように包囲させていた大型ワイルドハント達が逃げようとしていた超人達を咥えてきた。
 尻尾と両手の触腕の先に突き刺さっていた三体のミイラを投げ棄てて、ワイルドハント達が咥える超人達からもドレインを行なった。


「ふぅ。ほぼ全回復したかな」


 ワイルドハント達の生成と金属鎧化で消費した魔力も回復したし、体調も吸収した生気のおかげでいつも以上に好調だ。
 敵の本丸に攻め込むには最高の状態と言える。
 その後の道中では襲撃はなく、程なくしてドーム型競技場の中央にあるグラウンドに到着した。


「……話には聞いていたけど、歪ながらもよく造ったものだ」


 そこにあったのはグラウンド……ではなく、開けた空間を最大限に活用して造られた巨大な建造物だった。
 増築に増築を重ねて建造された歪なマンション、或いは塔とも言える巨大建造物からは多くの気配が感じられる。
 先ほど襲ってきた中にはいなかったが、メインの居住エリアである此処には奴隷階級の者達もいるはずだ。
 アンタッチャブルのリーダーがいるのは、この建造物の最上階らしいので、一先ずはそこを目指すとしよう。
 引き連れてきた大型のワイルドハント達に建造物の外で警備についていた超人達の相手をさせると、俺は単身で建造物内へと乗り込んでいった。


 
 
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