アポカリプスな時代はマイペースな俺に合っていたらしい

黒城白爵

文字の大きさ
73 / 76
第二章

第七十三話 無駄なことには時間を割かない主義です

しおりを挟む


 ◆◇◆◇◆◇


「ーーなるほど。この建物は全部で七階層に分かれていると。そして全ての階層にはリーダーがいるんだな?」

「そ、そうです」

「それでさっき俺が倒したアレが一階のリーダーだと」

「そ、そうなりますです、ハイ……」


 俺の背後で地面のシミになっているモノを指差すと、目の前の犬耳コスプレイヤーな見た目の超人(推定三十代♂)は吐き気を堪えるようにして頷いた。
 一階リーダーは爬虫類タイプの超人だった。
 二足歩行のトカゲに近い超人で、防御力系や回復系の能力でも持っていたのか中々死ななかった。
 どこまでやったら死ぬかを試すべく、ひたすら全力で殴打を繰り返していき、四十四発目で動かなくなり、百八発目で気付いた時には原型が無くなっていた。
 やはり考え事をしながら作業をするのは良くないな。
 自戒を込めて胸中で改めて自分に誓いを立てると、一階リーダーのミンチ男、じゃなくてトカゲ男の雑用をしていたコスプレイヤー♂に更なる質問を行う。


「残りの階のリーダーについて教えてくれ」

「そ、それは……」

「……」

「……」

「……」

「ス、スイマセンッ! 出来ませーー」

「じゃあいいや」


 金属竜尾を鞭のようにしならせてシミをもう一つ増やすと、部屋を出て二階に上がる。
 各階のリーダーの情報を聞けなかったのは残念だが、元よりリーダー達が自分の能力を全て明かしているとは思っていないので気にしていない。
 今気になるのはリーダー達が便利な能力を持っているか否かについてだ。


「今でもある意味完成されてるけど、どう変わるか楽しみーー」

「撃てぇ!!」

「うおっ」


 腹部に炸裂した砲弾らしき物によって、上がってきたばかりの階段の手摺りに背中から衝突した。
 視線を廊下の先に向けると、そこには数人がかりで長い筒を構えている超人達の姿があった。


「ビックリした……戦車の砲塔でも改造したのか?」

「な、何故死んでいねぇッ!?」

「まぁ、枕投げの衝撃程度では死なないよな」

「ぐっ、化け物めッ。野郎ども、放てぇ!!」


 鼻ピアスの狼頭超人が命じると、廊下の至るところから現れた狼頭超人達が口から火を吐いてきた。
 瞬く間に狼頭超人達がいる場所から俺がいる階段の辺りまでが火で埋め尽くされ、此処からは彼らの姿が見えなくなった。
 何かを言っている気がするが、此処まで聞こえるわけがないのが分からないのだろうか?


「んー、この建物って燃えないんだな。かなり頑丈だし、やっぱり能力で作ったみたいだな」


 今度はそのあたりの情報について聞き出すのが良いかもしれないな。
 火の海の中を歩いていくと、先ほどの位置から狼頭超人達は動いていなかった。


「チッ。耐火能力持ちか!」

「お前達もな」

「火を扱うやつが自分の火に焼かれるかよ!」

「そうかもな」


 のんびり歩いて近付く俺よりも先行して廊下の床を這わせて向かわせておいた〈神秘金属メルクリウス〉を使って狼頭超人達を串刺しにする。


「おっ、素早いな。お前がこの階のリーダーか?」

「そうだったらなんだッ! 喰らえ!」


 壁を蹴って加速した鼻ピアスの狼頭超人改め二階リーダーが跳び蹴りを繰り出してきた。
 その足には魔力が集まっており、何らかの効果が宿っていそうだ。
 抵抗せずに蹴りを喰らってみると、蹴られた場所が爆発を起こした。


「ハッハッハッ! やっぱり硬いものを壊すには爆破するのが一番だぜッ!」

「殴るのもオススメだぞ」

「うわっ!?」


 爆煙から出て全力で拳撃を見舞ったがギリギリで避けられてしまった。
 やはり素早いやつは面倒くさいな。
 まぁ、屋内ならやりようはあるけど。


「グッ、なんだ、このスライムみてーな奴は!?」

「俺の身体の一部だ」


 俺の拳撃を避けた先で床を這うメルクリウスに足を拘束された二階リーダー。
 これなら逃げ出せないだろうから尋問を行うとしよう。


「聞きたいことがある。この建物を作ったのは誰ーー」

「喰らえッ!!」


 二階リーダーの口から部下達が吐いた火よりも強力な火炎がビームのように真っ直ぐ放たれてきた。
 至近距離から放たれち火炎が顔に直撃して前が見えない。


「……鬱陶しい」

「ぐびャッ!」


 顔に近寄る虫を払うように手を振って二階リーダーを物理的に黙らせた。
 目の前の首無し死体をその辺にポイ捨てすると、メルクリウスを使ってまだ燃え続けている火を包み込んで消火していく。
 万が一にも建物に引火したら大変だからな。


「これも拾っとくか。使わないだろうけど」


 手持ち用に改造した砲塔と砲弾が入った箱などをアーティファクト〈空間保環レア〉の〈亜空間保管庫〉に収納すると、救出する者がいないか二階にある部屋の中を一つずつチェックしていった。


 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。 だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。 全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。 勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。 そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。 エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。 これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。 …その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。 妹とは血の繋がりであろうか? 妹とは魂の繋がりである。 兄とは何か? 妹を護る存在である。 かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~

仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

異世界帰りの英雄は理不尽な現代でそこそこ無双する〜やりすぎはいかんよ、やりすぎは〜

mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
<これからは「週一投稿(できれば毎週土曜日9:00)」または「不定期投稿」となります> 「異世界から元の世界に戻るとレベルはリセットされる」⋯⋯そう女神に告げられるも「それでも元の世界で自分の人生を取り戻したい」と言って一から出直すつもりで元の世界に戻った結城タケル。  死ぬ前の時間軸——5年前の高校2年生の、あの事故現場に戻ったタケル。そこはダンジョンのある現代。タケルはダンジョン探索者《シーカー》になるべくダンジョン養成講座を受け、初心者養成ダンジョンに入る。  レベル1ではスライム1匹にさえ苦戦するという貧弱さであるにも関わらず、最悪なことに2匹のゴブリンに遭遇するタケル。  絶望の中、タケルは「どうにかしなければ⋯⋯」と必死の中、ステータスをおもむろに開く。それはただの悪あがきのようなものだったが、 「え?、何だ⋯⋯これ?」  これは、異世界に転移し魔王を倒した勇者が、ダンジョンのある現代に戻っていろいろとやらかしていく物語である。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

処理中です...