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第三章
第百十七話 ボス戦後の分配
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── スキル【魔喰ノ精霊王】が発動します。
──筋力値が20ポイント増大します。
──耐久値が25ポイント増大します。
──反応値が20ポイント増大します。
──体力値が30ポイント増大します。
──魔力値が20ポイント増大します。
──スキル【紫炎鎧呪】を獲得しました。
──スキル【生命火護】を獲得しました。
──スキル【不動反撃】を獲得しました。
目の前でボスモンスターの〈紫炎の悪魔騎士長アグレスム〉 が消滅していく。
アグレスム率いる百体余りの悪魔騎士達による悪魔騎士団と戦闘が終わり一息つく。
思った以上に手こずったものの、誰一人として大怪我を負うことなく勝利を収めることができた。
俺はアグレスムのカウンター攻撃を喰らいはしたが、光の狼人形態で身体性能が上がっていたので大したダメージはなかった。
悪魔騎士団の死体が消滅し、入れ替わるようにボス宝箱が出現した。
ボス宝箱の中身を確認すると、中には少し軽装になってはいるが、アグレスムが使っていたのと似たデザインの黒い騎士甲冑が入っていた。
「金属鎧系か。マリヤにちょうど良さそうだ」
「いいんですか?」
「ああ。俺が今着ている防具とランクは変わらないし、俺以外だとマリヤしか使わないタイプの防具だからな。今マリヤが使っている防具より高ランクだから売らずに使った方が良いだろう」
「分かりました。じゃあ、有り難く使わせてもらいますね。さっそく着替えてきます」
そう言ってドロップアイテムの黒鎧を持ってマリヤが近くの物陰に移動していった。
「ボス戦が終わったばかりで他のモンスターは湧かないみたいだし、マリヤを待っている間に今回のボス戦の戦利品の分配をやっておくか」
「色々ドロップしましたね」
先ほど相対した悪魔騎士団を構成するのは、騎士鎧を身に纏った人型の悪魔系モンスターであるデビルズナイトだ。
そのためか、ドロップアイテムには悪魔系の素材や闇属性のマジックアイテムが多かった。
鑑定系アーティファクト〈月神の賢眼〉の鑑定能力で分かった各種ドロップアイテムの能力を簡単に行なってからエリスに向き直る。
「属性的にエリスには向いてないのが多いか」
「エリーよ、クロヤ」
「お、おう。んで、エリー的にはどうだ? 何か欲しいのはあるか?」
「そうね……」
掻き集めたドロップアイテムの山を前にエリスが悩む。
「リリアはやっぱり魔法系のマジックアイテムがいいよな?」
「そうなりますね。クロヤさんのオススメはありますか?」
「んー、相手が騎士タイプだったから魔法使いが使うようなアイテムのドロップは少ないから……ああ、これとか良いんじゃないか。魔法系とはちょっと違うけど、リリアは魔力量が多いからちょうどいいと思う」
ドロップアイテムの山から1つの指環を手に取る。
○悪魔騎士の指環
等級:遺物級。
とあるダンジョンで産出された指環型マジックアイテム。
・【悪魔騎士召喚】……悪魔系モンスター〈悪魔騎士〉を召喚し使役する。1度に召喚できる数は3体まで。
アイテム等級が低くて同時召喚数に制限はあるが、モンスターを召喚できるマジックアイテムはかなり貴重だ。
リリアのクラスである〈魔女〉をはじめとした純魔法使い系クラスは、敵に近付かれると弱い傾向にある。
身のこなしや所持スキル次第では上手く立ち回れるだろうが、身を守る手段が多いに越したことはない。
「召喚系マジックアイテム! い、いいんですか!?」
「いいよ。俺の戦闘スタイルには合わないし、やろうと思えば闇属性魔法で似たのを生み出せるしな」
「エリーもいいの?」
「私は門番のボス宝箱の中身を貰っちゃったから異論はないわ」
魔王城前で戦ったボスモンスター〈闇躯竜骸〉のボス宝箱からは〈竜の魂骸〉という名のネックレスが手に入った。
精神干渉無効化などの能力を持つマジックアイテムであり、敵の精神干渉攻撃で回復役が無力化される可能性を潰すためエリスに渡した。
ドロップアイテム分配のバランスの観点からもエリスの言葉は尤もだった。
自分と同じ後衛であるエリスからも同意を得てからリリアが〈悪魔騎士の指環〉を受け取り装着する。
リリアが指環の能力を発動させると、先ほどまで戦っていたのと全く同じ姿のデビルズナイトが召喚された。
「見た目は変わらないけど、マジックアイテムによる召喚モンスターだからか少し弱いみたいだな。消費魔力量はどうだ?」
「1分もあれば使った分の魔力は回復できるぐらいの量ですね。これぐらいなら気楽に使えると思います」
「へぇ、結構魔力効率が良いんだな」
「私はコレを貰ってもいい?」
リリアから〈悪魔騎士の指環〉の所感を聞いていると、エリスも指環型マジックアイテムを手に取ってみせた。
「〈騎士の護身〉。身体強化アイテムだな」
「ええ。身のこなしに自信がないから身体能力自体を常態的に上げようと思うの」
「良いんじゃないか。自力で立ち回れるなら余力を他に回せるし、最適だと思うぞ」
「私達はこれで良いとして、クロヤは何にするの?」
「俺は、そうだな……」
門番ボスモンスターとの一戦では、ボス宝箱とは別にドロップしたアイテム〈闇竜の魂石〉を貰った。
同じように悪魔騎士団のボスモンスターのアグレスムからも、ボス宝箱とは別に〈悪魔金剛鉱〉というアイテムがドロップしている。
他のドロップアイテムに目を引くモノは無いし、今回もボス宝箱以外のドロップアイテムを貰っておこうかな。
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