万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵

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第二章

第五十五話 報酬内容

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 ◆◇◆◇◆◇


 ガーベラギルドのアイテム倉庫には数十個のマジックアイテムが保管されていた。
 武器に防具、そして装身具と室内に置かれているマジックアイテムの種類は多く、よくぞここまで多種多様なマジックアイテムを集めたものだと感心する。


「そういえば、アビス攻略同行の報酬の話がまだだったわね」

「そうですね。その話をここでするということは、もしかして?」

「ええ。お察しの通り、報酬はここにあるアイテムで支払おうと思うの。先払いでね。お金で支払うよりも、クロヤ君はコッチの方が嬉しいでしょう?」

「流石はレイカ先輩。俺のことをよく知っていますね」

「まぁ、ウチの会社との契約内容を知ってれば、お金の優先順位は低いのは分かるわよ。それに、契約を抜きにしても、探索者ならマジックアイテムの方が嬉しいものね」


 天城コーポレーションには鑑定宝玉の開発を委託している。
 その開発に際して、鑑定宝玉の大元オリジナルにあたる鑑定系アーティファクト〈月神の賢眼〉を不定期に貸し出している。
 開発期間中に〈月神の賢眼〉を貸し出す度に料金が発生したりはしないが、開発期間中は毎月契約金という収入が得られる。
 更に、鑑定宝玉の開発に成功した後も、鑑定宝玉による莫大な収益の一部が得られる予定だ。
 そのため、長期的に見たら一度のアビス攻略に協力した程度で貰える程度の金銭報酬の魅力は薄かった。

 日々の生活にも困るような下級覚醒者ならまだしも、探索者として協会に登録され、名実共に一般人とは言われなくなる中級覚醒者からは、ダンジョンで大金を稼ぐことは簡単だ。
 一言に大金と言ってもピンキリだが、余程派手な生活でもしない限りは余裕のある生活を送れるようになるだろう。
 そうなると、そんな生活を続けるための盾となり矛にもなり得るマジックアイテムの方が金よりも重要性が高くなるのは明らかだ。
 レイカ先輩が言っているのは、そういったことを意味していた。
 

「俺はそれで構いませんが、俺に同行する形のリリアの分も貰えるんですか?」

「リリアさんの魔法の腕も高いんでしょうけど、元々誘った外部協力者はクロヤ君だけだからマジックアイテムは渡せないわね。だから、リリアさんに渡す分の報酬はウチの中級覚醒者のギルドメンバーと同額の金銭報酬になるわ」

「そうですか。リリアはそれでいいか?」

「無理についてきたのは私の方ですから、報酬を頂けるだけで充分です」


 一般的な魔法使い系クラスの中級覚醒者よりも使えると思うが、ガーベラギルドからしたら予定外の人員なのは事実だから、報酬があるだけマシか。


「マジックアイテムはどのくらい頂けるんですか?」

叙事エピック級なら1つ。遺物レリック級なら3つってところね。アビス攻略時の活躍次第では追加報酬も考えるわ」

「なるほど。念のため聞いておきますけど、アビス攻略時に貸し出す防具とは別の扱いですよね」

「勿論よ。そんなことは言ったりしないから安心してちょうだい。報酬に関してはこれで構わないかしら?」

「協力内容は、アーティファクトを使って〈混幻魔獣キマイラ〉などのアビス内にいる対象物へ対して鑑定を行う、ですよね?」

「ええ、そうよ」

「でしたら、アビス内にいるモンスターの死体を貰えたりしませんか?」

「素材で装備でも作るの?」

「はい」


 正確には、アーティファクト〈貪欲の聖杯〉の力でモンスターの死体からマジックアイテムを創造するのだが。
 モンスターの素材を使って装備マジックアイテムを作ること自体は本当なので嘘は言っていない。
 

「どのくらい欲しいの?」

「丸々一体ですね」


 出来るだけそのままの形で使用しないと、創造できるマジックアイテムの選択肢が減ってしまう。
 現時点ではどんなマジックアイテムを創造できるか知らないので、可能な限り選択肢は減らしたくない。
 レイカ先輩はそんな俺の要望に悩んでいた。
 彼女が言っていたように、モンスターの素材は主にマジックアイテムの装備を作るのに使われるのだが、どんなモンスターの素材からもマジックアイテムが作れるわけではない。
 既知のモンスターならば、それぞれの素材価値は大体把握されているので判断がつくだろうが、今回発見されたのは未知のモンスターなので、その素材価値に関しても未知だ。
 場合によっては、途轍もなく価値のある素材を渡すことになるため、レイカ先輩が悩むのも無理もない。


「……リリアさんに支払う金銭報酬の代わりという形なら、1体だけ許可しましょう」

「私は構いませんよ」


 〈貪欲の聖杯〉の存在を知っているリリアは、俺が何を狙っているかが分かったらしく、あっさりとその条件を承諾した。


「いいのか?」

「はい。ただ、叙事エピック級のアイテムを選ばない時は、1つだけ私に選ばせて貰えると嬉しいです」

「分かった。叙事エピック級を選んだ場合も、別のことで埋め合わせするよ。というわけで、承諾を得られましたので、借りる防具と報酬のアイテムをそれぞれ選ばせて貰いますね」

「ええ、どうぞ」


 〈月神の賢眼〉の鑑定能力を発動させ、倉庫内のマジックアイテムを一つ一つ確認していく。
 取り敢えず、ランクの高い順に視ていくとしようかな。
 

 
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