断罪された魅了の悪女は過去に戻ってやり直します!~嫌われてたはずの王太子様に迫られてます!?~

かべうち右近

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8.王太子様の硬い決意 ※

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「貴女が純潔を捧げたのは、俺だ」

 イレーニアの両頬を手で包んでの、とんでもない告白に、イレーニアは驚きながらも当時のことを思い出した。

 結局あのあと、目を覚ましたイレーニアは自分のしでかしたことの大きさにおののいて、隣で眠る男から逃げ出したのだ。結局あの時の男の正体は知らずじまいだったが、あれがジルドだったとは。

「あれが……ジルド様……?」

「そうだ。貴女の気持ちがいい場所は全部、貴女自身が教えてくれたのは思い出したか?」

 組み敷かれたままの姿勢は変わらないが、ジルドはいったん愛撫をやめてくれている。だが、そんなのは今問題ではない。

「……で、でも……あ、あの時の声と違うじゃないですか!」

 だからあんなにそっくりだったのに――というか本人なのだが――、イレーニアはジルドとは別人だと最後まで思っていたのだ。

「ああ……」

 得心したように頷くと、ジルドは口の中で何かを唱えて、自身の喉に触れる。

「このことか?」

 次に喋った声は、ジルドのものとは違っていた。

「う、そ……」

「俺が魔法を使えるのは知らなかったか。だが、貴女もあの日は魔法で顔を変えていただろう? 身体は……その瞳も、変えられなかったみたいだがな」

 つぅっとイレーニアの肌を指先で撫でて、ジルドは笑う。

「身体は見えないじゃないですか! どうして私だってわかったんですか? だって、私はずっとヴェールを被って……」

「なんだ? 思い出したんじゃないのか」

 首を傾げたジルドが、まじまじとイレーニアを見る。そして「ああ」と声をあげた。

「もしかして、一度目以外のは、寝ぼけてたのか?」

「…………えっ?」

 理解の追いつかない発言をされた気がした。仮面舞踏会のあの夜、イレーニアがしたのは、確かに一回の情事だけだったはずだ。

「ええと、わ、私、あれ以外の日にも、ジルド様と……?」

 そんなわけはないと思いながらも尋ねれば、ふはっとジルドが吹き出した。

「やはり寝ぼけていたのか。道理で素直に言うわけだ」

「あ、あの、あの……! なんですか!?」

「いや、すまない。貴女は一度目の情事のあとに一瞬気を失って」

「失って……?」

「すぐ起きて、俺を襲ってきたんだ」

「……」

 ありえない。そう考えているのが伝わったのだろう。ジルドはまたも笑う。ことの経緯はこうだったらしい。

『もう休んだほうがいい』
『やだぁ……ジルド様……寂しい』
『抱きしめてやるから、寝るといい』
『それだけじゃ、やだぁ……』
『だが疲れているだろう』
『もうさめたから大丈夫だもの』

 明らかに大丈夫ではない。だが、足元がふらつくような酔いは脱したらしい。だからもっと肌を合わせたいとごねる。だがそれでも渋っていたら、イレーニアはこう宣言したのだ。

『私、治癒できるんだから! 怪我したら治すから!』

 こともあろうに、自分の魔法属性を明かしたのだ。治癒の魔法の使い手はこの国にはほとんどいないというのに、である。酔いを魔法でさますことはできないから、実際には意味がないのだが。あまりにもイレーニアが諦めないものだから、ジルドは望むままに応えてやり、ねだられるままに彼女を抱いたらしい。

 快楽に溺れて彼女の危機管理能力はガバガバだった。

『魅了の瞳だと言ったが、貴女はそれで普段困らないのか?』

 肌を合わせながらのそんな質問に、イレーニアは快楽に溺れながらもこう答えた。

『いつも、んんっヴェールで隠してるの。だから……大丈夫……あっん』

 あえて名前は尋ねなかったが、ここまでの情報でもう特定されたも同然だ。珍しい治癒魔法の使い手で、普段からヴェールで顔を覆って生活している女性。しかも、この豊満なふるいつきたくなるような身体。目を見たことはないが、髪色が違う。だが色なんて魔法でいくらでも変えられよう。

 あまりに特徴的に過ぎる情報から、ジルドはイレーニアを特定したのだという。ジルドは、よがる彼女の耳元で、一度だけ囁いたのだ。

『気持ちがいいか? イレーニア』
『はい……っあっ、んぁああっジルど、さまぁ……!』

 確かに彼女は名前を呼ばれて返事をした。そんなことすらイレーニアは記憶になかった。

 おそらく寝ぼけていたというよりも、運動のせいでいよいよアルコールが回って理性が飛んでいたせいだろう。記憶もすっぱり飛んだというわけだ。

(……覚えてた以上のやらかしをしてるじゃない……)

 思わず意識が遠くなりそうなイレーニアである。

 変声の魔法を解いたジルドは、上着を脱ぎ捨てながらさらに続ける。

「というわけで、イレーニア。俺は貴女をもうすでに何度も抱いているわけだが……」

「う……っ」

(待って。待って。本当に、あの夜のあの人がジルド様なら……ジルド様にジルド様を好きっていいながら抱かれてたってこと……!?)

 急にその事実に思い至って、イレーニアは愕然とする。

「貴女に一つ尋ねよう。貴女から見て、俺は好きでもない、娶る気もないような女性を悪戯に抱いて、何度も子種を胎に注ぎ込むような男だろうか?」

「え……え?」

 そんな不誠実な人ではないのを、イレーニアは知っている。前世、少なくとも浮いた噂の一つもなかったし、今世だってそうだ。成人頃から想い人がいるという噂はあったものの、それだけで誰かと恋愛関係にあるという噂はさっぱり流れてこなかったのだ。

「どうだ?」

「ジルド様は、そんなこと……するような、方では……」

「そうだ。王族の務めとして閨教育は受けているがな。それ以外で女性を抱いたのは、貴女だけだ」

「あ、の……それは……」

 心臓がばくばく鳴り始める。先ほどつい嘘だと断じてしまった言葉がやけに重たくのしかかる。

「俺は貴女が好きだ」

 思い浮かべたばかりの台詞をもう一度くりかえされて、イレーニアは固まる。

「本当は、寂しいと言った貴女があんまりにも可愛いから、少し慰めるだけのつもりだった。挿入するつもりもなかったんだがな」

 視線をイレーニアにぴたりと当てたまま、ジルドは目を細めた。シャツを脱ぎ捨てて、彼はズボンの腰ひもを緩めにかかる。

「本音をあけすけに話してくれる貴女のような女性なら、もっと親しくなりたいと思った。だから最後までせずに、仮面舞踏会が終わった後に、改めて貴女を探して、正式な手順を踏んで婚約を申し込むつもりだったんだ。なのに順番さえ守れなかった」

「ジルド様」

「……俺を溺れさせたのは、貴女だ」

 ズボンをずりおろせば、怒張が現れる。それはあの夜に見たものと同じで、とても大きい。埋まるべき場所を求めてぴくぴくと揺れているのは、もう彼が我慢をする気がないということなのだろう。

「俺の気持ちがわかったなら、そろそろ俺の決意を受け入れてくれてもいいのではないか?」

 太い男根に目を奪われているうちに、彼女の太ももがつかまれて、腰が引き寄せられる。

「なあ、イレーニア?」

 欲情の熱をたたえた瞳に見つめられて、胸が高鳴る。

「あ……っまって……!」

 はっとしたイレーニアが、ぱっと手を伸ばしたときにはすでに、肉棒は割れ目へと押し当てられている。

「もうずいぶん待った。話があるなら、しながら聞く」

「んぁっああああ……っ!」

 ぐっと腰が沈められた。数年前にたった一度だけ男を受け入れただけのそこは、入り口が硬い。けれども穂先が侵入してしまえばあとは、ずにゅう、と一気に奥まで竿が入り込むのを許す。

「……っ相変わらず……貴女の中は、狭いな。痛くはないか?」

 それは肉槍に歓喜した蜜壺がうねっているせいもあるのだろう。初めてのときと同じ言葉で労わられて、イレーニアの胸が跳ねる。同時に、それは悦びになって肉棒を締めつけた。

「大丈夫そうだな」

「やっあ、ああっうごか、ないで……!」

 やにわに腰を揺らし始められ、喘いだイレーニアはジルドのシャツに手を伸ばして縋る。けれども彼は止まる気がないらしい。

「そう無理を言うな。早く動かさないだけいいと思ってくれ。俺だって、久々で我慢がきかん」

「え? ひぁ、ぁあああ……っ」

 奥をぐりぐりと押しこまれて、イレーニアは疑問を口にする前に嬌声をあげる。胎を揺らされるのを快楽だと思えるほどに、この身体は情事を営んでいないはずだった。何しろ今世で抱かれたのはあの舞踏会の夜だけだ。だというのに、もはや何度も突き上げられて肉槍に責められ慣れているかのようだ。

「んぁっあ、は、ああっだ、めぇ……」

「貴女の身体は淫乱だな。突けば突くほど感じる場所が増えるんじゃないか? ほら」

 ぬるっと引き抜かれたと思ったら今度は内壁を強くこすりあげるように腰を動かされる。

「は、ぁああ……っじるど、さま……ぁっ」

「どうした、もっと早く突いて欲しいのか? それとも浅いところを虐めて欲しいか?」

「あ。やぁあああ……っんぁっは、ぁんんっ」

 どうしたと言いたいのはイレーニアのほうだ。ジルドは次々とイレーニアの悦い突き上げかたをしてくる。この身体はまるで情事で開発されきったかのように敏感である。前世では初めての頃はそんなことなかったはずなのに。とちゅとちゅと浅いところをくりかえしこすられて、イレーニアは簡単にのぼりつめていく。

「イきそうか?」

 蜜壺が緊張して、だんだんと狭くなっていくのをすぐさま察知される。まだイレーニアの中で話は終わってないのに、もう彼女はジルドから与えられる快楽に翻弄されてしまっている。

「ちが……あっああっ」

「一度達するといい。イレーニア」

「ふっ……ぅうう……ん、ん……んん」

 甘やかすように囁かれて、イレーニアはジルドのシャツを握りしめたまま胎を震わせる。けれども痙攣する蜜壺の中を肉棒はなおも攻め続けてきた。

「そ、んなしたら……あっああ……っおかし、くなる……っやだ、ぁあ……」

「なるわけないだろう。まだ始まったばかりだ。貴女はあの夜、何度果てたと思っているんだ」

「んぇ……? はっあぅうう……やらぁ……」

 絶頂しているというのに、快楽を与え続けられてさらなる大きな波が押し寄せるように

(……あの夜に、ジルド様とシたのは、二回だけじゃ……ない……?)

「何度も回復して朝方まで貪っていたくせに上品ぶるな。……俺には、本音を見せればいいだろう」

「んあああああ……っ!」

 ぐちゅんっと激しく奥が叩かれる。浅いところを虐められていたところへのその動きの変化にイレーニアは耐えられなかった。最高潮に達したと思われた快楽の波を超えて、彼女は背を弓なりに反らせて硬直する。途端に蜜壺がより強い痙攣を引き起こしてうねった。激しく子種をねだるそのしごきに、ジルドの腰が止まった。同時に白濁が最奥へと注ぎ込まれる。

「は……あ、なか……?」

「そうだ。今からここに、俺の子種でいっぱいにする」

 すりすりと下腹を撫でて、ジルドは宣言する。すでに一度、出しているというのに、である。触れられた感触にぞわりとして蜜壺をうねらせれば、ジルドの肉棒がむくりと硬くなる。
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