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第2章 冒険者1~2か月目
34話 作戦開始
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バキンッ、と剣が砕ける。
それと同時にサディエルは大きく右に飛び、相手との距離を取った。
必死に肩で息をし、目の前の相手を見て……そのまま2本目の剣の柄を握り、抜き放つ。
(どうしたもんか。何とか体力を温存しつつやってはいるが……先に魔力の方が枯渇しそうだ)
部屋は円形の柱がいくつもある、大部屋。
祭壇のような階段と高所があるその部屋は、まるで死ぬ間際に駆け込み神に救済の祈りを捧げるような場所にも見え、古の国王が鎮座していた玉座がある場所にも見える。
中央にある"魔力の光"で部屋を煌々と照らし、視界を確保しているものの、その影響で他の魔術が事実上の使用不可状態だ。
(……まっ、どちらにしろここで踏ん張らないことには、どうしようもないわけだが)
気合を入れ直し、サディエルは再び対峙する。
視線の先には、ローブを身に纏い顔の見えない人物が立っていた。
========================
「2人とも、お待ちしておりました!」
「リレル! 良かった、無事だった!」
古代遺跡に到着すると、入り口付近でオレたちの到着を今か今かと待っていたリレルが居た。
リレルはオレたちが無事来たことに、オレたちはリレルが無事だったことに、それぞれ安堵を覚える。
「サディエルは?」
「まだ古代遺跡内です」
リレルはアルムが持っていたペンダントと同じものを首元から取り出し、魔力を込める。
アルムの師匠さんの家で見た時よりも輝きが増した宝石を確認し、オレたちは小さく頷く。
まずはこれで最初にして最低条件を突破したことになる。
「良かった……全然違う遠い場所に飛ばされていたら、ってのがなくて」
「転移の魔術は、魔力容量が人間の数百倍ある魔族の事実上専用魔術だが、魔王でもない限り移動範囲はたかがしれているはずだ。滅多なことはないはずだが、まぁ杞憂に終わってよかったよ」
魔力消費の問題が『事実上の不可能』認定の理由だったのか。
空間を飛び越えるってのは、どんな物語でもそれ相応の魔力消費を用いる秘術のようなイメージだし、言われてみればそうだよなって感じだ。
「……そちらの荷物は? 匂いから……生肉?」
「移動しながら説明する! 隠し通路は!?」
「わかりました。こちらへ」
リレルに案内されて、壁画がある部屋へと辿り着く。
そのまま奥まで進み、ある場所でリレルは立ち止まると槍を取り出して、柄頭をコンコン、と地面に打ち付ける。
―――コンコン―――コンコン―――――カンカン―――
「音が違った!」
「えぇ、ここです。恐らくは、まだこの国の方々が古代遺跡を住居としていた際に、魔物の襲撃から身を守る為、他の床石と見分けがつかないぐらいに細工を施していたのでしょう」
「薄暗さもあいまって、余計に見つけ辛いってわけか。なるほどな、賢いやり方だ……開ける方法は……」
アルムは師匠さんの家から持ってきた1冊の資料を確認する。
何枚か挟まれている栞を目印にページを捲り、お目当ての場所に辿り着いたのか、人差し指で文字をなぞって確認した後。
「……よしっ、"水よ、払いのけよ!"」
水の魔術を使って、対象となる床石を濡らす。
すると、再び見覚えのない文字……この国の旧言語が浮かび上がってきた。
「ここで読めない言語が来られても!」
「いや、僕が読める」
「まじで!?」
「この国が旧言語を使っていた時代は、近隣諸国と比較しても軍事力が抜きんでていたんだ。今でこそ、その大半がエルフェル・ブルグに吸収合併されたものの、戦術論を学ぶ上では、この国で書かれた書物を読む必要があり、旧言語の取得が必須だったからな」
戦術論を学ぶためって……
「アルムって……何の師匠の元で、なにを師事してたんだよ?」
「一般的には"軍師"と呼ばれても相違ない人から、戦術論を学んでいた」
その言葉を聞いて、アルムと衝突する直前にサディエルと交わした会話を思い出す。
『あぁ。あいつは俺らのパーティの司令塔だからな。戦い方に関しては、あいつが頭一つ飛びぬけているわけだし』
そうか、頭一つ飛びぬけてるってのは、そういう意味だったのか。
正直、戦い方はアルムよりはサディエルの方がリーダーだし司令塔なんじゃ……思ってたけど、これでようやく納得がいった。
アルムを師事するように言ったのも、勝ち筋と負け筋を学ぶようにさせたのも、適任が彼だったからだ。
オレがその事に納得している間に、アルムは文字の解読を進めていき
「よしっ、"水よ、風よ、巡りて凍れ!"」
床石に向けて魔術を放つと、ばきりっ、と表面が凍った。
そのままアルムは魔術を操り、フックのような持ち手を氷で作り出す。
「氷の魔術?」
「この世界では4大元素魔術を元に、複数の属性をかけ合わせる事で発動する上位の魔術があります。その1つが"氷の魔術"です」
「原理は簡単だ。水を集めて、その周囲で風を急速回転させて冷やしただけ。でもこれで……!」
アルムは氷で出来たフックを持ち、ぐぐぐっ、と床石を持ち上げる。
ピッタリと嵌っていたはずの床石は、ゆっくりと持ち上がり、階段が姿を現した。
「"入口に氷を捧げよ、さすれば道は開かれる"……と、言う内容だ」
「そっか! 温度をめちゃくちゃ下げると体積が減る! それを利用した仕掛けなのか、これ!」
……魔術で封印とか、そういうのじゃないんだよな。うん、知ってた。
それどころじゃないけど、ちょこっとその可能性を期待したオレは間違ってないと思う。
どっちかっつーとこれ、オレの世界的には科学的な仕掛けだし!
「リレル、先頭を頼む。ヒロトは僕とリレルの真ん中。僕はこのままペンダントを確認しながら最後尾だ」
「了解しました。ヒロト、申し訳ありませんが、ランプをお願いします。少し高めに掲げて頂けると助かります」
「それぐらいお安い御用だよ!」
オレは見学用のランプを預かって、視線より少し高い位置をキープする。
今は大丈夫だけど、数分後には腕がきつくなりそうだから、その時は左手で持って、右手を休憩させないとな。
リレルは改めて槍を構え直してから
「では、まいりましょう」
その一言と共に、階段を降り始める。
それに続くようにオレが、その後をアルムが降り始める。
まず地下1階……ペンダントの光は予想通り、地上1階より輝きを強くする。
そのまま地下2階……さらに輝きの度合いが増す。
そして、地下3階……
「なるほど。ヒロトの世界の"お決まり"も、現実的な部分だけならば、案外バカに出来そうにないな」
「オレも、やっと自分の世界の"テンプレ"が通用する展開になって、ちょっとホッとしてる」
軽口を叩きながら、アルムはペンダントを見る。
階段を降り始めてからここまでで最も光を放っており、間違いなくサディエルは地下3階にいる。
「で、サディエルが居る可能性が高いのは、階段から遠い大広間、もしくは囚人を入れておく檻だったか」
「大広間一択でいいと思う」
「だな。周囲の雰囲気が、明らかに魔物の襲撃に際しての最終避難所だ。最後の防衛ラインに囚人を入れる檻なんぞ用意するわけがない」
ランプを掲げながら周囲を照らすと、持ったらすぐに壊れそうな武器が立てかけられ、非情食を備蓄してたと思われる樽、いくつかの共同部屋と思われる部屋が見えた。
その間にリレルは小さく何かを呟いて、魔術を発動している。
一瞬、風が吹いた感じがしたので、風の魔術だったのだろう。
「……周囲の音を確認しましたが、とりあえずは近辺にこれといった足音、および、寝息などはありませんでした。魔物は現時点では"いない"という推測でよろしいかと」
「分かった。だが、念のために……ヒロト」
「オッケー! よいしょっと……おりゃ!」
オレは行く予定がない通路に向けて、肉を投げ込む。
それを見て、リレルは『あぁ』と納得の言った声を上げる。
「ゴブリンの肉が安かったからさ、丁度良いと思ってね!」
「なるほど、良い案ですね」
配置を完了させ、オレたちはそのまま一直線に最深部を目指す。
一般的なダンジョンと違って、あっちこっち曲がりくねったりも、行き止まりもない、そもそもが居住区である。
まずは行き止まりまで、まっすぐ行けば問題ない。
定期的に通る予定がない場所に、肉を投石しながら進むこと数分間。
「……ん? 2人とも、反応有だ! 光がより強くなった!」
ペンダントを確認していたアルムの言葉に、オレはガッツポーズする。
それと同時に、リレルが再び風の魔術を使用して周囲の音を確認する。
「僅かですが聞こえました。戦闘音です! 音が激しくないあたり、1対1……体力温存を最優先で動いているのでしょう」
「よしっ、サディエルの奴もきっちり堪えてたな! ヒロト、少しだけだが走れるか!?」
「3分間までならドンとこい!」
「言質取ったからな。地図を見る限り、もう少し先に行くとこの階の突き当りになる。そこまで行けばさすがに目視で何か分かるはずだ、行くぞ!」
アルムの合図と同時に、オレたちは一斉に走り出す。
本当なら全力で走りたいだろうに、2人はオレのスピードに合わせてくれている。
突き当りに到着してオレたちは周囲を確認すると……
「っ! あそこ! 光が見える!」
「つーことは、サディエルの光の魔術だ! 時間的にそろそろあいつの魔力が枯渇するはずだ、リレル、戦闘準備! 相手次第では僕も加勢する!」
「サディエルの救出はいかがするんです?」
「ヒロトが立候補した。任せる」
「わかりました。ヒロト、お願いしますね。私がしっかり時間を稼ぎますので」
「任された!」
オレらは光が漏れている部屋まで行き、そのまま突入する。
「サディエル!」
部屋に入ると、目の前に黒いローブの人物。
性別はわからないけど、恐らくこいつが魔族!
その黒いローブの人物を挟んで、怪我を負い、折れた剣を杖代わりにして膝をついているサディエルの姿があった。
「………わりぃ、一応生きてるけど、さすがに限……界……」
そう言って、サディエルは前のめりに倒れこむ。
「サディエル!?」
「大丈夫、光の魔術が切れていないから倒れただけだ。作戦通りに行くぞ!」
「えぇ、私たちのリーダーをぼこぼこにして頂いたわけです。お礼参りといたしましょう」
それと同時にサディエルは大きく右に飛び、相手との距離を取った。
必死に肩で息をし、目の前の相手を見て……そのまま2本目の剣の柄を握り、抜き放つ。
(どうしたもんか。何とか体力を温存しつつやってはいるが……先に魔力の方が枯渇しそうだ)
部屋は円形の柱がいくつもある、大部屋。
祭壇のような階段と高所があるその部屋は、まるで死ぬ間際に駆け込み神に救済の祈りを捧げるような場所にも見え、古の国王が鎮座していた玉座がある場所にも見える。
中央にある"魔力の光"で部屋を煌々と照らし、視界を確保しているものの、その影響で他の魔術が事実上の使用不可状態だ。
(……まっ、どちらにしろここで踏ん張らないことには、どうしようもないわけだが)
気合を入れ直し、サディエルは再び対峙する。
視線の先には、ローブを身に纏い顔の見えない人物が立っていた。
========================
「2人とも、お待ちしておりました!」
「リレル! 良かった、無事だった!」
古代遺跡に到着すると、入り口付近でオレたちの到着を今か今かと待っていたリレルが居た。
リレルはオレたちが無事来たことに、オレたちはリレルが無事だったことに、それぞれ安堵を覚える。
「サディエルは?」
「まだ古代遺跡内です」
リレルはアルムが持っていたペンダントと同じものを首元から取り出し、魔力を込める。
アルムの師匠さんの家で見た時よりも輝きが増した宝石を確認し、オレたちは小さく頷く。
まずはこれで最初にして最低条件を突破したことになる。
「良かった……全然違う遠い場所に飛ばされていたら、ってのがなくて」
「転移の魔術は、魔力容量が人間の数百倍ある魔族の事実上専用魔術だが、魔王でもない限り移動範囲はたかがしれているはずだ。滅多なことはないはずだが、まぁ杞憂に終わってよかったよ」
魔力消費の問題が『事実上の不可能』認定の理由だったのか。
空間を飛び越えるってのは、どんな物語でもそれ相応の魔力消費を用いる秘術のようなイメージだし、言われてみればそうだよなって感じだ。
「……そちらの荷物は? 匂いから……生肉?」
「移動しながら説明する! 隠し通路は!?」
「わかりました。こちらへ」
リレルに案内されて、壁画がある部屋へと辿り着く。
そのまま奥まで進み、ある場所でリレルは立ち止まると槍を取り出して、柄頭をコンコン、と地面に打ち付ける。
―――コンコン―――コンコン―――――カンカン―――
「音が違った!」
「えぇ、ここです。恐らくは、まだこの国の方々が古代遺跡を住居としていた際に、魔物の襲撃から身を守る為、他の床石と見分けがつかないぐらいに細工を施していたのでしょう」
「薄暗さもあいまって、余計に見つけ辛いってわけか。なるほどな、賢いやり方だ……開ける方法は……」
アルムは師匠さんの家から持ってきた1冊の資料を確認する。
何枚か挟まれている栞を目印にページを捲り、お目当ての場所に辿り着いたのか、人差し指で文字をなぞって確認した後。
「……よしっ、"水よ、払いのけよ!"」
水の魔術を使って、対象となる床石を濡らす。
すると、再び見覚えのない文字……この国の旧言語が浮かび上がってきた。
「ここで読めない言語が来られても!」
「いや、僕が読める」
「まじで!?」
「この国が旧言語を使っていた時代は、近隣諸国と比較しても軍事力が抜きんでていたんだ。今でこそ、その大半がエルフェル・ブルグに吸収合併されたものの、戦術論を学ぶ上では、この国で書かれた書物を読む必要があり、旧言語の取得が必須だったからな」
戦術論を学ぶためって……
「アルムって……何の師匠の元で、なにを師事してたんだよ?」
「一般的には"軍師"と呼ばれても相違ない人から、戦術論を学んでいた」
その言葉を聞いて、アルムと衝突する直前にサディエルと交わした会話を思い出す。
『あぁ。あいつは俺らのパーティの司令塔だからな。戦い方に関しては、あいつが頭一つ飛びぬけているわけだし』
そうか、頭一つ飛びぬけてるってのは、そういう意味だったのか。
正直、戦い方はアルムよりはサディエルの方がリーダーだし司令塔なんじゃ……思ってたけど、これでようやく納得がいった。
アルムを師事するように言ったのも、勝ち筋と負け筋を学ぶようにさせたのも、適任が彼だったからだ。
オレがその事に納得している間に、アルムは文字の解読を進めていき
「よしっ、"水よ、風よ、巡りて凍れ!"」
床石に向けて魔術を放つと、ばきりっ、と表面が凍った。
そのままアルムは魔術を操り、フックのような持ち手を氷で作り出す。
「氷の魔術?」
「この世界では4大元素魔術を元に、複数の属性をかけ合わせる事で発動する上位の魔術があります。その1つが"氷の魔術"です」
「原理は簡単だ。水を集めて、その周囲で風を急速回転させて冷やしただけ。でもこれで……!」
アルムは氷で出来たフックを持ち、ぐぐぐっ、と床石を持ち上げる。
ピッタリと嵌っていたはずの床石は、ゆっくりと持ち上がり、階段が姿を現した。
「"入口に氷を捧げよ、さすれば道は開かれる"……と、言う内容だ」
「そっか! 温度をめちゃくちゃ下げると体積が減る! それを利用した仕掛けなのか、これ!」
……魔術で封印とか、そういうのじゃないんだよな。うん、知ってた。
それどころじゃないけど、ちょこっとその可能性を期待したオレは間違ってないと思う。
どっちかっつーとこれ、オレの世界的には科学的な仕掛けだし!
「リレル、先頭を頼む。ヒロトは僕とリレルの真ん中。僕はこのままペンダントを確認しながら最後尾だ」
「了解しました。ヒロト、申し訳ありませんが、ランプをお願いします。少し高めに掲げて頂けると助かります」
「それぐらいお安い御用だよ!」
オレは見学用のランプを預かって、視線より少し高い位置をキープする。
今は大丈夫だけど、数分後には腕がきつくなりそうだから、その時は左手で持って、右手を休憩させないとな。
リレルは改めて槍を構え直してから
「では、まいりましょう」
その一言と共に、階段を降り始める。
それに続くようにオレが、その後をアルムが降り始める。
まず地下1階……ペンダントの光は予想通り、地上1階より輝きを強くする。
そのまま地下2階……さらに輝きの度合いが増す。
そして、地下3階……
「なるほど。ヒロトの世界の"お決まり"も、現実的な部分だけならば、案外バカに出来そうにないな」
「オレも、やっと自分の世界の"テンプレ"が通用する展開になって、ちょっとホッとしてる」
軽口を叩きながら、アルムはペンダントを見る。
階段を降り始めてからここまでで最も光を放っており、間違いなくサディエルは地下3階にいる。
「で、サディエルが居る可能性が高いのは、階段から遠い大広間、もしくは囚人を入れておく檻だったか」
「大広間一択でいいと思う」
「だな。周囲の雰囲気が、明らかに魔物の襲撃に際しての最終避難所だ。最後の防衛ラインに囚人を入れる檻なんぞ用意するわけがない」
ランプを掲げながら周囲を照らすと、持ったらすぐに壊れそうな武器が立てかけられ、非情食を備蓄してたと思われる樽、いくつかの共同部屋と思われる部屋が見えた。
その間にリレルは小さく何かを呟いて、魔術を発動している。
一瞬、風が吹いた感じがしたので、風の魔術だったのだろう。
「……周囲の音を確認しましたが、とりあえずは近辺にこれといった足音、および、寝息などはありませんでした。魔物は現時点では"いない"という推測でよろしいかと」
「分かった。だが、念のために……ヒロト」
「オッケー! よいしょっと……おりゃ!」
オレは行く予定がない通路に向けて、肉を投げ込む。
それを見て、リレルは『あぁ』と納得の言った声を上げる。
「ゴブリンの肉が安かったからさ、丁度良いと思ってね!」
「なるほど、良い案ですね」
配置を完了させ、オレたちはそのまま一直線に最深部を目指す。
一般的なダンジョンと違って、あっちこっち曲がりくねったりも、行き止まりもない、そもそもが居住区である。
まずは行き止まりまで、まっすぐ行けば問題ない。
定期的に通る予定がない場所に、肉を投石しながら進むこと数分間。
「……ん? 2人とも、反応有だ! 光がより強くなった!」
ペンダントを確認していたアルムの言葉に、オレはガッツポーズする。
それと同時に、リレルが再び風の魔術を使用して周囲の音を確認する。
「僅かですが聞こえました。戦闘音です! 音が激しくないあたり、1対1……体力温存を最優先で動いているのでしょう」
「よしっ、サディエルの奴もきっちり堪えてたな! ヒロト、少しだけだが走れるか!?」
「3分間までならドンとこい!」
「言質取ったからな。地図を見る限り、もう少し先に行くとこの階の突き当りになる。そこまで行けばさすがに目視で何か分かるはずだ、行くぞ!」
アルムの合図と同時に、オレたちは一斉に走り出す。
本当なら全力で走りたいだろうに、2人はオレのスピードに合わせてくれている。
突き当りに到着してオレたちは周囲を確認すると……
「っ! あそこ! 光が見える!」
「つーことは、サディエルの光の魔術だ! 時間的にそろそろあいつの魔力が枯渇するはずだ、リレル、戦闘準備! 相手次第では僕も加勢する!」
「サディエルの救出はいかがするんです?」
「ヒロトが立候補した。任せる」
「わかりました。ヒロト、お願いしますね。私がしっかり時間を稼ぎますので」
「任された!」
オレらは光が漏れている部屋まで行き、そのまま突入する。
「サディエル!」
部屋に入ると、目の前に黒いローブの人物。
性別はわからないけど、恐らくこいつが魔族!
その黒いローブの人物を挟んで、怪我を負い、折れた剣を杖代わりにして膝をついているサディエルの姿があった。
「………わりぃ、一応生きてるけど、さすがに限……界……」
そう言って、サディエルは前のめりに倒れこむ。
「サディエル!?」
「大丈夫、光の魔術が切れていないから倒れただけだ。作戦通りに行くぞ!」
「えぇ、私たちのリーダーをぼこぼこにして頂いたわけです。お礼参りといたしましょう」
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