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第4章 聖王都エルフェル・ブルグ
64話 夕暮れ時の一幕
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「………ここ、どこだっけ」
目が覚めたら、見知らぬ場所だった。
周囲を確認するけど、全く見覚えが無い。
窓から差し込む日差しは赤く、夕方なのだということは分かるんだけど。
えーっと、あれ、それ以前に、何でオレ寝ていたんだっけか。
確か、エルフェル・ブルグに着く前にガランドが襲撃してきて。
んで、痣を経由してサディエルを操ってオレたちに攻撃してきて、それで……
「そうだ、サディエル!」
オレは慌ててベッドから降りて走り出そうとするが、足がもつれて倒れてしまう。
「いっつつ……」
寝起きだからって、まさかコケるなんて。
いや、それ以前にサディエル……というか、アルムとリレルもどこだろう。
―――コンコンコン
その時、部屋のドアがノックされる。
『ヒロト様、何かありましたか?』
「あれ……?」
外から聞こえてきた声に、オレは首を傾げる。
聞き覚えがある声だ。
『失礼致します』
そう断りを入れてから入室して来たのは……
「レックスさん!?」
「おはようございます。お体は大丈夫ですか?」
クレインさんのバトラーである、レックスさんだった。
オレは思わず周囲を確認して、改めてレックスさんを見る。
「あれ、ここってクレインさんの別邸? 古代遺跡があった国? え、夢オチ?」
「混乱されていらっしゃいますね。ここはエルフェル・ブルグで、クレイン様の本邸でございます」
「クレインさんの!? え、けど、レックスさんは別邸に居て、それで……あれ?」
「あの時別邸に居たのは、クレイン様が立ち寄られると存じていたからです。普段は、本邸で仕事をしております故」
そうだったのか……
オレは改めて周囲を見渡すと、確かにあの国の別邸に雰囲気こそ似ているが、全く別の家だとわかる。
あっちよりも装飾品とか、ベッドとかもグレードアップしているような気もするし。
って、今はそんなことを考えている場合じゃない!
「レックスさん、サディエルは!? アルムとリレルは!?」
「そう言うと思いました。こちらへどうぞ」
レックスさんに案内され、オレはクレインさんの本邸内を歩く。
辿り着いたのは大広間で、そこには飲み物を飲んで、休憩しているアルムとリレルの姿があった。
「アルム! リレル!」
「起きてきたか。おはよう、ヒロト。疲れは取れたか?」
「おはようございます。大丈夫でしたか?」
オレは2人の所まで駆け寄ると、いつも通りに挨拶してくる。
「えっと、それなんだけど……実は何で寝ていたか覚えてなくて。あの後、どうなったんだ?」
「あー、お前、サディエルが運ばれていくのを見送ったら気が抜けたのかぶっ倒れたもんな。そこは覚えてるか?」
「ううん、覚えてない」
アルムの言葉に首を振りながら答える。
そっか、あの後オレ、気絶してたのか。
そこまで動いたつもりなかったんだけどな、むしろ疲労してるって意味なら、戦闘をしていたアルムとリレルの方なのに。
「とりあえず、座ってくださいな。あの後のことをお話しますので」
リレルに促され、オレは適当な椅子に座る。
すると、レックスさんがスッと飲み物を差し出してくれた。
「ハーブティーとなります、どうぞ」
「ありがとうございます」
あ、美味しいなこれ。
ハーブティーなんて初めて飲んだけど、結構飲めるな。もうちょっときっついイメージあったけど。
オレは1口、2口とハーブティーを飲んで、ゆっくりと息を吐く。
「アルム、リレル、教えてくれる?」
「分かった。まずは……1番心配しているサディエルについてだ。あいつは当面入院確定だ。もともと精密検査をする予定もあったからな」
だよな……そこは想定していた。
道中のギルドでの検診でさえ、あの調子だったわけだし。
エルフェル・ブルグでの精密検査となれば、1日2日ぐらいは掛かるとは思っていた。
「怪我の方は治療も済んでいる。ただ、今回は目に見える傷よりも、ガランドに操られた事、それに抵抗していた事、最後に放たれた魔術。色々重なりすぎていてな、まだ目を覚ましてはいない」
「目が覚めたら、私たちにも連絡が来るとのことです」
そっか、サディエルはまだ目を覚ましていないのか。
無理もないか、かなり負担だっただろうし。
「次に僕らだ。サディエルを見送った後、ヒロトが急にぶっ倒れたわけだが……クレインさんが戻ってきてくれてな。荷馬車でエルフェル・ブルグに入国、そのままご厚意でクレインさんの本邸にお邪魔させて貰った、というわけだ」
うん、その辺りは本当に記憶がないや……
オレが覚えてるのって、ガランドが去って行って、アルムたちとお疲れって言ったあたりまでしかない。
ちょっとまて、その後のオレは完全に無意識で動いてたってこと!?
それはそれで、ちょっと怖いんだけど……
「で、お前が寝ている間に、僕とリレルは呼び出しがあってな。今回のことを含めた報告をしに行って、少し前に戻ってきたんだ」
「報告?」
「古代遺跡の事、サディエルの痣の件、他にも色々です」
その辺りのこと、全部2人で済ませてきたってことか。
仕方ないか、サディエルは気を失ったままなわけだし。
「これぐらいかな。今の所は」
「うん、ありがとう。はー……とりあえず、落ち着けるって分かっただけで、ドッと疲れが」
「ここ数日、ずっと気を張っておりましたからね。無理もありません」
「って、2人は大丈夫なの? 休まなくて」
オレはぶっ倒れていたからいいけど、今の話を聞く限りだと2人はずっとあれこれ動きっぱなしだったわけだ。
そう心配して問いかけると、アルムとリレルは互いの顔を見て苦笑いする。
「安心しろ、今日はゆっくり休ませて貰うさ」
「えぇ、美味しものを食べてぐっすりです」
「そっか。ちゃんと休めよな?」
「どっかの誰かさんじゃあるまいし、そこは大丈夫だ」
どっかの誰かさん、か。
時間は……夕方だし、遅いかもしれないけど……
「あのさ、2人とも……サディエルの所に行けないかな。面会時間とかあったりする?」
========================
サディエルが居る病院は思ったよりも近かった。
と言うか、クレインさんの本邸から、歩いて10分もかからない場所だった。
面会時間こそ過ぎていたけど、リレルが受付で何かを伝えたのか、あっさりと面会許可が出る。
「リレル、何したの?」
「何もしておりませんよ」
にっこりと微笑みながら、リレルがそう言い切った。
絶対に、何かやっただろ。と言うツッコミを入れる勇気はなかったです。
伝えられた部屋番号を探して、オレたちは長い通路を歩く。
オレの世界みたいに、エレベーターが存在しない以上、どうしても病院は横に長くするしかないらしい。
2階は手術などを必要としない人たちの入院病棟で、緊急性が高かったり、重症人は1階の病室があてられているそうだ。
そして、長い通路を進んだ先にあった部屋の前で、アルムたちは歩を止める。
ドアの横に名前が書かれているけど、まぁオレは読めないわけで……だけど、恐らくこの部屋なんだろう。
念のためと言わんばかりに、アルムがドアをノックする。
『開いてるぞ』
一瞬、サディエルの返答かと思ったけど、声が別物だった。
だけど、こちらも聞き覚えのある声で、アルムたちも驚いた表情を浮かべる。
「失礼します」
ドアを開けると、ベッドで眠っているサディエルと、その横の椅子に座っているアークさんの姿があった。
「よっ、お疲れ様。大変だったみたいだな」
「アークさん!?」
「耳が早ぇ……」
「ですね、まだ情報は回ってないはずですけど」
オレらの反応を見て、アークさんはククッ、と笑う。
「情報収集のツテぐらいはあるからな。何はともあれ、無事に到着して良かった」
「無事、には程遠い気がするけど」
「それでもだ。魔族との戦闘だったんだ、無言の再会にならなかっただけで御の字さ」
そう言いながら、アークさんはちらりと眠り続けているサディエルを見る。
こうやって会話している間も、彼は起きる気配がない。
「時々夢見が悪いのか、眉をしかめてはいるが……とりあえずは大丈夫そうだ」
「そっか……良かった」
オレはホッと胸を撫でおろす。
起きてる姿を見られないのは残念だったけど、サディエルもちゃんと無事だって分かったし、やっとこれで一安心かな。
「それから、さっき将軍……バークライスさんも顔を出したぞ」
「うげっ……」
「………」
アークさんから、バークライスさんの話題を聞いて、アルムとリレルが露骨に拒絶反応を示す。
2人がここまで嫌そうな表情浮かべるって、珍しいな。
「……あの人、なんて?」
「落ち着いたら3人揃ってツラ見せろ、って」
その言葉を聞いて、今度は顔色が悪くなる。
本当に、こんな反応の2人は珍しいというか、初めてだな。
心なしか、聞こえてないはずのサディエルまで、魘されてるかのように眉をひそめている気がするのは、きっと幻覚か何だと信じたい。
「えーっと、そのバークライスさんって……今更だけど、誰? というか、アルムたちの知り合い?」
「エルフェル・ブルグの上層部の方で、一言で言えば対魔族研究の総責任者です」
顔色を悪くしながらも、リレルはそう返してくれる。
魔族研究の総責任者、そっか、だからガランドをサディエルから引き離す術も使えた、いや、先日開発したばかりとか言っていたな。
とりあえず、対魔族の第一人者と言っていい人が、救援に駆け付けてくれたって訳か。
というか。3人名指しって……
「3人とも、何したの……」
「色々と、な」
「はい、色々と……です」
遠い目しながら、若干現実逃避気味にアルムとリレルは言う。
オレは助け船を求めてアークさんを見るが、無言で首を左右に振られた。
「バークライスさんに関しては、後日覚悟決めてにしよう」
「えぇ、サディエルが起きてからに致しましょう。死なばもろともです」
「ねぇ、なんで死地に行くか何かみたいな悲壮感で言ってるの?」
サディエルなら元来のお人よし精神で、何かやったのかもしれないって想像はつく。
だけど、アルムとリレルはあんまり想像つかないから、ここまで怯えている2人は本当に稀っつーか、珍しいというか。
マジで何やらかしたんだか。
目が覚めたら、見知らぬ場所だった。
周囲を確認するけど、全く見覚えが無い。
窓から差し込む日差しは赤く、夕方なのだということは分かるんだけど。
えーっと、あれ、それ以前に、何でオレ寝ていたんだっけか。
確か、エルフェル・ブルグに着く前にガランドが襲撃してきて。
んで、痣を経由してサディエルを操ってオレたちに攻撃してきて、それで……
「そうだ、サディエル!」
オレは慌ててベッドから降りて走り出そうとするが、足がもつれて倒れてしまう。
「いっつつ……」
寝起きだからって、まさかコケるなんて。
いや、それ以前にサディエル……というか、アルムとリレルもどこだろう。
―――コンコンコン
その時、部屋のドアがノックされる。
『ヒロト様、何かありましたか?』
「あれ……?」
外から聞こえてきた声に、オレは首を傾げる。
聞き覚えがある声だ。
『失礼致します』
そう断りを入れてから入室して来たのは……
「レックスさん!?」
「おはようございます。お体は大丈夫ですか?」
クレインさんのバトラーである、レックスさんだった。
オレは思わず周囲を確認して、改めてレックスさんを見る。
「あれ、ここってクレインさんの別邸? 古代遺跡があった国? え、夢オチ?」
「混乱されていらっしゃいますね。ここはエルフェル・ブルグで、クレイン様の本邸でございます」
「クレインさんの!? え、けど、レックスさんは別邸に居て、それで……あれ?」
「あの時別邸に居たのは、クレイン様が立ち寄られると存じていたからです。普段は、本邸で仕事をしております故」
そうだったのか……
オレは改めて周囲を見渡すと、確かにあの国の別邸に雰囲気こそ似ているが、全く別の家だとわかる。
あっちよりも装飾品とか、ベッドとかもグレードアップしているような気もするし。
って、今はそんなことを考えている場合じゃない!
「レックスさん、サディエルは!? アルムとリレルは!?」
「そう言うと思いました。こちらへどうぞ」
レックスさんに案内され、オレはクレインさんの本邸内を歩く。
辿り着いたのは大広間で、そこには飲み物を飲んで、休憩しているアルムとリレルの姿があった。
「アルム! リレル!」
「起きてきたか。おはよう、ヒロト。疲れは取れたか?」
「おはようございます。大丈夫でしたか?」
オレは2人の所まで駆け寄ると、いつも通りに挨拶してくる。
「えっと、それなんだけど……実は何で寝ていたか覚えてなくて。あの後、どうなったんだ?」
「あー、お前、サディエルが運ばれていくのを見送ったら気が抜けたのかぶっ倒れたもんな。そこは覚えてるか?」
「ううん、覚えてない」
アルムの言葉に首を振りながら答える。
そっか、あの後オレ、気絶してたのか。
そこまで動いたつもりなかったんだけどな、むしろ疲労してるって意味なら、戦闘をしていたアルムとリレルの方なのに。
「とりあえず、座ってくださいな。あの後のことをお話しますので」
リレルに促され、オレは適当な椅子に座る。
すると、レックスさんがスッと飲み物を差し出してくれた。
「ハーブティーとなります、どうぞ」
「ありがとうございます」
あ、美味しいなこれ。
ハーブティーなんて初めて飲んだけど、結構飲めるな。もうちょっときっついイメージあったけど。
オレは1口、2口とハーブティーを飲んで、ゆっくりと息を吐く。
「アルム、リレル、教えてくれる?」
「分かった。まずは……1番心配しているサディエルについてだ。あいつは当面入院確定だ。もともと精密検査をする予定もあったからな」
だよな……そこは想定していた。
道中のギルドでの検診でさえ、あの調子だったわけだし。
エルフェル・ブルグでの精密検査となれば、1日2日ぐらいは掛かるとは思っていた。
「怪我の方は治療も済んでいる。ただ、今回は目に見える傷よりも、ガランドに操られた事、それに抵抗していた事、最後に放たれた魔術。色々重なりすぎていてな、まだ目を覚ましてはいない」
「目が覚めたら、私たちにも連絡が来るとのことです」
そっか、サディエルはまだ目を覚ましていないのか。
無理もないか、かなり負担だっただろうし。
「次に僕らだ。サディエルを見送った後、ヒロトが急にぶっ倒れたわけだが……クレインさんが戻ってきてくれてな。荷馬車でエルフェル・ブルグに入国、そのままご厚意でクレインさんの本邸にお邪魔させて貰った、というわけだ」
うん、その辺りは本当に記憶がないや……
オレが覚えてるのって、ガランドが去って行って、アルムたちとお疲れって言ったあたりまでしかない。
ちょっとまて、その後のオレは完全に無意識で動いてたってこと!?
それはそれで、ちょっと怖いんだけど……
「で、お前が寝ている間に、僕とリレルは呼び出しがあってな。今回のことを含めた報告をしに行って、少し前に戻ってきたんだ」
「報告?」
「古代遺跡の事、サディエルの痣の件、他にも色々です」
その辺りのこと、全部2人で済ませてきたってことか。
仕方ないか、サディエルは気を失ったままなわけだし。
「これぐらいかな。今の所は」
「うん、ありがとう。はー……とりあえず、落ち着けるって分かっただけで、ドッと疲れが」
「ここ数日、ずっと気を張っておりましたからね。無理もありません」
「って、2人は大丈夫なの? 休まなくて」
オレはぶっ倒れていたからいいけど、今の話を聞く限りだと2人はずっとあれこれ動きっぱなしだったわけだ。
そう心配して問いかけると、アルムとリレルは互いの顔を見て苦笑いする。
「安心しろ、今日はゆっくり休ませて貰うさ」
「えぇ、美味しものを食べてぐっすりです」
「そっか。ちゃんと休めよな?」
「どっかの誰かさんじゃあるまいし、そこは大丈夫だ」
どっかの誰かさん、か。
時間は……夕方だし、遅いかもしれないけど……
「あのさ、2人とも……サディエルの所に行けないかな。面会時間とかあったりする?」
========================
サディエルが居る病院は思ったよりも近かった。
と言うか、クレインさんの本邸から、歩いて10分もかからない場所だった。
面会時間こそ過ぎていたけど、リレルが受付で何かを伝えたのか、あっさりと面会許可が出る。
「リレル、何したの?」
「何もしておりませんよ」
にっこりと微笑みながら、リレルがそう言い切った。
絶対に、何かやっただろ。と言うツッコミを入れる勇気はなかったです。
伝えられた部屋番号を探して、オレたちは長い通路を歩く。
オレの世界みたいに、エレベーターが存在しない以上、どうしても病院は横に長くするしかないらしい。
2階は手術などを必要としない人たちの入院病棟で、緊急性が高かったり、重症人は1階の病室があてられているそうだ。
そして、長い通路を進んだ先にあった部屋の前で、アルムたちは歩を止める。
ドアの横に名前が書かれているけど、まぁオレは読めないわけで……だけど、恐らくこの部屋なんだろう。
念のためと言わんばかりに、アルムがドアをノックする。
『開いてるぞ』
一瞬、サディエルの返答かと思ったけど、声が別物だった。
だけど、こちらも聞き覚えのある声で、アルムたちも驚いた表情を浮かべる。
「失礼します」
ドアを開けると、ベッドで眠っているサディエルと、その横の椅子に座っているアークさんの姿があった。
「よっ、お疲れ様。大変だったみたいだな」
「アークさん!?」
「耳が早ぇ……」
「ですね、まだ情報は回ってないはずですけど」
オレらの反応を見て、アークさんはククッ、と笑う。
「情報収集のツテぐらいはあるからな。何はともあれ、無事に到着して良かった」
「無事、には程遠い気がするけど」
「それでもだ。魔族との戦闘だったんだ、無言の再会にならなかっただけで御の字さ」
そう言いながら、アークさんはちらりと眠り続けているサディエルを見る。
こうやって会話している間も、彼は起きる気配がない。
「時々夢見が悪いのか、眉をしかめてはいるが……とりあえずは大丈夫そうだ」
「そっか……良かった」
オレはホッと胸を撫でおろす。
起きてる姿を見られないのは残念だったけど、サディエルもちゃんと無事だって分かったし、やっとこれで一安心かな。
「それから、さっき将軍……バークライスさんも顔を出したぞ」
「うげっ……」
「………」
アークさんから、バークライスさんの話題を聞いて、アルムとリレルが露骨に拒絶反応を示す。
2人がここまで嫌そうな表情浮かべるって、珍しいな。
「……あの人、なんて?」
「落ち着いたら3人揃ってツラ見せろ、って」
その言葉を聞いて、今度は顔色が悪くなる。
本当に、こんな反応の2人は珍しいというか、初めてだな。
心なしか、聞こえてないはずのサディエルまで、魘されてるかのように眉をひそめている気がするのは、きっと幻覚か何だと信じたい。
「えーっと、そのバークライスさんって……今更だけど、誰? というか、アルムたちの知り合い?」
「エルフェル・ブルグの上層部の方で、一言で言えば対魔族研究の総責任者です」
顔色を悪くしながらも、リレルはそう返してくれる。
魔族研究の総責任者、そっか、だからガランドをサディエルから引き離す術も使えた、いや、先日開発したばかりとか言っていたな。
とりあえず、対魔族の第一人者と言っていい人が、救援に駆け付けてくれたって訳か。
というか。3人名指しって……
「3人とも、何したの……」
「色々と、な」
「はい、色々と……です」
遠い目しながら、若干現実逃避気味にアルムとリレルは言う。
オレは助け船を求めてアークさんを見るが、無言で首を左右に振られた。
「バークライスさんに関しては、後日覚悟決めてにしよう」
「えぇ、サディエルが起きてからに致しましょう。死なばもろともです」
「ねぇ、なんで死地に行くか何かみたいな悲壮感で言ってるの?」
サディエルなら元来のお人よし精神で、何かやったのかもしれないって想像はつく。
だけど、アルムとリレルはあんまり想像つかないから、ここまで怯えている2人は本当に稀っつーか、珍しいというか。
マジで何やらかしたんだか。
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※最後になりますが、作者のスキル不足により、不快な思いをなされる方がおられましたら、申し訳なく思っております。何卒、お許しくださいますようお願い申し上げます。
この作品は、空想の産物であり、現実世界とは一切無関係です。
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