オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃

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最終章 冒険者5~6か月目

107話 最終決戦【3】

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「まだ立ち上がれる元気があったんだ」

 剣を構えて、臨戦態勢を崩さないサディエルを見て、ガランドは眉を顰める。
 先ほど、確かに彼の身体能力を限界まで下げ切った。
 その影響で、地面に座り込んで唖然としていたのを確認しており、効果が効いているのは確実。

 にも関わらず、煙が晴れた瞬間……サディエルは普通に立って、剣を構えている。

「やせ我慢なんて無駄な事は……」
「そんなわけないだろ。お前の弱体化が効いていないだけじゃないか?」

 ピクリと眉が跳ね上がると、サディエルを睨みつけた。

「ふーん? そう言う事を言うんだ。何をやったかは知らないけど、こっちの効果に対抗出来る時間は限られているはず。少し延命した所で、結末は変わらない」

 ぐにゃりとガランドの顔が歪み切り、元の "顔が無い" 状態に戻る。
 それと同時に、彼の右手に赤黒い剣が出現した。

「その短い間、お前をいたぶってやる」
「あいにく、被虐体質マゾヒストじゃ無いんで、全力で抵抗させて貰うさ」

 ―――いいか、サディエル。この1本だけは、お前の要望で副作用などを全部度外視にして、効力を極限まで高めてある。

 ふと、サディエルの脳裏にバークライスの忠告が響く。
 エルフェル・ブルグ滞在の終盤……薬の調合を行っていたバークライスとリレルの元を訪れていた時の会話だ。

『しかし、本当にこんなものが必要になるのか?』
『可能性は高いです。ヒロトから聞いた "お決まり" の範囲だと、まず間違いなく手持ちの薬が壊される危険があります。錠剤化は、難しいんですよね?』

『錠剤化はまだ無理だ。仮に出来たとしても、注射による摂取と異なり、効果を発揮する時間に差異が出てしまう。即効性を望むのであれば、やはり今の形が良いだろう』
『それだけではありませんよね、サディエル。貴方が警戒していることは』

『……良く分かったなリレル。通常の薬を投与後に、ガランドの奴に弱体化を発動された場合の対策も兼ねています』

 彼の言葉を聞いて、バークライスは眉を潜める。
 隣に居たリレルは『やはり……』と言わんばかりに表情を歪めた。

『バークライスさん。先日、彼が話した内容を覚えていますか?』
『"襲撃直前のタイミングで一気に弱体化効果を重くする" だったか。しかし、そんなことが……ありえるんだったな。預言者か何かかね、彼は』

『彼の世界特有と言いますか。そうなった場合、俺は完全なお荷物どころか、明確な弱点となってしまいます』
『弱点が多ければ多いほど、それに対応する為に戦力を削ぐ必要がある。アルムにしろ、リレルにしろ、ヒロト君にしろ、君を守る為に1人以上が前線から欠けるとなると……』

『一気に勝率が下がります。狙いは俺なわけですから、俺にどんな攻撃が飛んで来ようと無視して戦ってくれるなら、まだ勝機は……リレル、分かっている。仮定の話なんだ、頼むから睨まないでくれ』
『まだ何も申しておりませんが?』

 不機嫌が顔に出ているリレルに、サディエルは眉を下げながら必死に宥める。
 その光景がおかしかったのか、バークライスは小さく笑うものの、すぐに表情を戻して話を続けた。

『つまりは、その弱点を一時でも解消したいと』
『はい。急な事で本当に申し訳ないと思っていますが、助かりました』

 一礼しながら感謝の言葉を述べる彼に、バークライスは構わないさ、と答える。

『ですがサディエル、注意してください。先ほど、バークライスさんもおっしゃった通り、薬の効果に重点を置いているので、持続時間と副作用は他の5本と比較になりません。治験もまともに出来ていないので……』
『無茶は承知だが、そうしないと勝てないからな。本当に、古代遺跡でガランドを弱体化出来て良かった。あれがなかったら、勝つ見込みすらなかったからな』

 サディエルの言葉に、リレルは頷く。
 ガランドとの初戦となる、古代遺跡の地下での戦闘。

 あの時、ヒロトが上手く誘導して付与することに成功した、魔族側のタブーによる弱体化。

 これがあるからこそ、サディエルたちに勝機が残っている。

『それで、これの効果時間は?』
『最大2時間と言いたいが……1時間もあればマシだと思ってくれ』
『……30分あたりで頭に入れておきます』

 カチャリ、とサディエルは剣を構え直す。

(まずは、いつも通り相手をウザがらせるか)

========================

「だいたい状況は理解した。このままガランドとの直接対決になるわけか」
「恐らくはね。ただ、盗賊団が残っている可能性もあるから……」
「上手く三方向にばらけて挟み撃ちがいいでしょうね」

 行きと同じように木々を避けながら、オレとアルム、リレルはサディエルが戦っている場所を目指して走る。
 ここからがオレらにとっても正念場。
 まずは、一刻も早くサディエルと合流して、4対1の構図を作らないといけない。

「……1つだけ不安なのが、薬の件ですね」
「確か、対ガランド用に作ったって言う、すっごい効果があるやつだよね?」

 通常のモノとは別に、個別に保管していた薬を思い出す。
 正直な話、薬がダメになる程度なら、事前に打っておけば問題ないと言う事でスルーが出来る。

 だけど、未だに仕掛けてこない『襲撃直前のタイミングで一気に弱体化効果を重くする』と言う項目が、その結論に待ったをかけた。

 薬を投与した後に弱体化効果を重くされたら、効果が半減もしくは無効、最悪だと悪化するんじゃないか。
 RPGで自分たちにバフを掛けた直後に、そのバフを解除された上で、デバフをたっぷり盛られた。と、考えれば分かりやすいだろう。

 ……嫌がらせか、嫌がらせだよな。バフ見てから解除&デバフ余裕でしたってか?

「仮にそれを使っていた場合、僕らが本当の意味で全力を出せるのは、1時間程度だな」
「そうなります。サディエルをかばいながらとなりますと、どうしても戦力低下は間逃れません」

「どっちにしろ、1時間もオレの体力は絶対に持たない。何とか早期決着を狙えればいいけど……いや、弱気はダメだ。今回だけでいいから、全力でやる!……っと、2人とも、この上!」

 木々を抜けた先に、いくつかの氷塊が見えた。
 凍った死人や、ウルフたちがそこに倒れており、間違いなくさっきまでオレとサディエルがいた小高い丘の近くであることが分かる。

「……? 上の方、煙が出ていないか」

 アルムの言葉を聞いて、オレは丘の上に視線を向けると、僅かに煙が流れてきているのが見て取れた。
 この少し特殊な色……これって、信号弾!?

「信号弾を使っての目くらましが必要、となりますと……ヒロトの話が当たった、と言う事でしょうね」
「ほんっっと、嫌な事ばかりヒットして! 今回限りであってほしいよ、ここまでのフラグ成立!」

 つまり、サディエルが例の薬を使った可能性が高い。
 こうなると、一刻も早く合流しないと……!

「リレル、ヒロト。ここからは3方向に分かれる。こうなった以上、上に居るのはほぼガランド1人だろう」

 バサリと地図を広げ、アルムは素早く丘の部分に丸を付ける。
 次に現在位置にバッテンマークをつけ、さらに90度……いや、120度ぐらいかな、それぐらいの間を取って、3か所に小さな丸が書き込まれた。

「ヒロトは、少し右より……草陰か、木があればそこに隠れて、僕らが配置につくまで待機。どれだけサディエルがピンチでも、絶対に飛び出すな。そっちの方があいつの戦いの邪魔になる」
「了解、絶対にやらない」

 思わず飛び出したくなるだろうけど、我慢しなければ。
 それをやって、味方が逆にピンチになる展開は、嫌なぐらい漫画やゲーム、アニメで見て来たんだ。
 魔族相手に、それらの "お決まり" をやってしまったら意味が無い。

「僕とリレルはここから移動だ。リレル、こっちに行ってくれ。僕はここ」
「分かりました。到着したら、ヒロトと同じように待機ですか?」

「そうしてくれ。いつも通りならば、サディエルがガランドを相手にちょこまか動いて、敵対心を煽っているはずだ。さらに持久戦で、あの古代遺跡の時と同じようになかなか決め手に欠ける展開が続けば、奴も焦って僕らの接近に気づき辛い」

 トントンと地図を叩きながら、アルムは素早く説明する。
 なるほどな、あの時の再現をして、ガランドを煽って苛立たせると。

「全員が所定の位置につき次第、僕から合図を送る。まず、僕が弓で、リレルが魔術でガランドの気を逸らす、その隙にヒロトが先手を打ち、1発当てる事が出来れば良し。無理でも、サディエルの方に余裕が出来るはずだ」

「どこでもいいから1発当てればいいんだよね?」
「そうして貰えると助かる。当たったところで大したダメージにはならないだろうが、ヒロトの世界の言葉で言う "塵も積もれば山となる" だっけか。最後の1押しの為に、少しでもダメージの累積が欲しい」

「私たちの武器に付与されている力は、いつ使います?」
「ガランドが明確な隙を作った瞬間。言葉で言うのは簡単だが探すのは厳しい。だが、その瞬間は1度は必ずある……あまり言いたくないが、サディエルが殺される直前だ」

 アルムの言葉に、オレとリレルは息を飲む。

「そうなった場合、確実に僕らも負傷して動けない状態になっているはずだ。そういう展開もあるんだろう?」

「……ある。嫌なぐらい沢山ある」

 仲間を助けられない、と言う展開も当然存在する。
 その仲間の死を糧に主人公たちが強くなり、弔い合戦だと高揚していくのだ。

「ヒロト。今回の戦いで重要なのは、お前が知っている "お決まり" を全力で崩すことだ」
「オレの世界の、テンプレを……?」

「そうだ。それをしないと、ガランドには勝てないし、サディエルも死ぬ。そしてお前も元の世界へ帰る手段を一時失う」

 この世界に来て、オレの中にある "異世界ファンタジー" と言う概念は、1度徹底的に否定された。
 だけど状況が変わっていき、その概念が対魔族の対策に必要となり、ここまでのオレたちの助けとなった。

 ―――そして今、改めてその概念を……オレの異世界に対する常識を、否定する。

「ここから先、僕らはお前から細かくどういう "お決まり" があるかを聞くことは出来なくなる」
「ヒロト、貴方は戦いながらも、どこでどうやって "お決まり" を崩すのかを考えてください」

「……分かった」

 オレの言葉を聞いて、アルムとリレルは互いの顔を見て小さく頷く。

「それじゃあ、後で」
「えぇ、後程」
「2人とも気を付けて。盗賊たちはいないかもしれないけど、他の魔物とか……」

「ガランドの魔力の影響で、その心配はありません。魔物は人間よりもそう言うのには敏感ですから。頑張りましょうね、アルム、ヒロト。必ず全員で無事に!」

 それでは行ってきますね、とリレルは立ち上がり走り出す。
 彼女はここから最も遠い位置の担当になる。
 槍を構えながら、あっという間に木々に隠れて姿が見えなくなった。

「ヒロト」
「アルム……」

「大丈夫だ。僕と、リレルと、踏ん張ってるであろうサディエルと……これまでのお前自身を信じろ」
「……もちろん、信じるよ!」

 ガッ、と互いの腕をぶつけ合う。
 そのままアルムも、自分が担当する場所へと走っていった。

 オレは再び小高い丘をゆっくりと登る。

 近づくほど、剣と剣がぶつかるような音と、誰かの話声が聞こえてくる。
 木々に身を潜めながら、少しづつ近づくと……サディエルとガランドが、互いの剣をぶつけ合って戦っているのが見えた。
 周囲を確認すると、思わず目を瞑りたくなるような惨劇。

(……作戦通りだったけど、さすがにグロいな)

 確認した限り、盗賊団は全滅と判断して良さそうだ。
 オレは剣をゆっくりと鞘から引き抜く。

(サディエルが殺される直前以外の隙を作り出す。だけど……仮にそうなった場合の対処も考えろ)

 アルムとリレルが準備出来るまでだけでもと、必死に思考を巡らせる。
 何か、これまでの中で何か、対処方法は……せめて、どう殺すのかが分かれば……

 ……あれ、そういえば。

 あの時……エルフェル・ブルグでサディエルが攫われた時、あいつ……ガランドと一緒にいた魔族は確か、オレの目の前で、サディエルの "顔" を得ようとした。
 あいつのはその時、どういう動きをしていた?

 思い出せ、それがきっと……!

「あぐっ……! くっそ!」

 思考の海に沈みかけた時、サディエルの苦しそうな声が耳に届く。
 見ると、腕や足にいくつかの切り傷が見て取れて、息苦しそうにしている。

「……動きはやっぱり鈍っているよね。古代遺跡での君の動きはこんなもんじゃなかった」

 ガランドは赤黒い剣をサディエルに向けた。

「もう少し疲労させれば、観念してくれるかな?」
「誰がするか! っと!」

 飛来する魔弾を、サディエルは済んでのところで回避する。
 すぐに飛び出したくなるけど、グッと我慢してアルムとリレルの姿を探す。

 いた! アルムは到着している、リレルは……よし、全員準備が出来た。

 オレは剣を構え、いつでも動けるように準備する。
 ガランドが次の魔弾をサディエルに放った瞬間、合図があった。

「"水よ、風よ、巡りて凍り、雨を降らせ!"」
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