ひきこもり娘は前世の記憶を使って転生した世界で気ままな錬金術士として生きてきます!

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「お前、今日からどうするか決めてるのか?」

 朝ごはんを食べる時には、師匠はすっかりといつもの感じに戻っていた。さっきまで私の布団で遊んでいた大人がこんなすぐに態度変わっちゃうの?猫なの?切り替え早すぎだと思うんですけど。
 しかも内容が朝から重い…。

「どうするかって、どういうことですか?進路ってことですか?」

「まぁ進路というか、アカデミーを卒業したからにはなにか次の夢ややりたいことがあるかと思って聞いてみたんだが」

 進路かぁ。前世の時はひきこもりで20歳になったらバイトでもしてみよっかなぁ。程度に考えてたけど結局一回も働いたことないし、この世界は前世と違ってファンタジーな世界だから農民や鍛冶師、冒険者や魔法の研究者みたいなものもあってそりゃ興味があるものが多いことは多いですけど、錬金術がやっぱり一番かなぁ。

「アカデミーを卒業したし、師匠と同じく錬金術士になってみたいです」

「それならもうある意味錬金術士じゃないのか?アカデミーを卒業したらだれでも錬金術士と名乗る資格はあるんだ」

「そうかもしれないですけど、いつかは自分の工房があって、大きな町じゃなくていいんです。小さな田舎の村で、住民の人から愛されるお店作りがしたいなぁって。た、戦うのはちょっと怖いので冒険者みたいなことはできませんけど、お薬つくったり、みんなが喜ぶような便利な道具を作ったり、村にいてくれてよかったぁって思ってもらえて、住民の人もお店に来てくれて、楽しく過ごせるようなお店や工房をもってみたいです!」

「わ、わりとしっかりした目標があるんだな。お前には」

 一通り考えてみると、農業はわからないし、戦うのは怖いし、魔法とか研究も嫌いじゃないけどじっとしてるのは好きじゃないし、この世界に来て初めて見た魔法は錬金術だし、どうせならアルバイト、ではなく店長、あわよくば社長にもなってみたい!と思って答えてみたらけっこう自分でもリアルな夢だなって思ってしまう。師匠も私の割と細かい人生設計を聞いてちょっと引いてる気がする。

「錬金術は人を笑顔にできる魔法って信じてますから!」

「お前なら、きっとできるさ。この天才錬金術ビエラの一番弟子だからな!そうと決まれば行くか。」

 食後のコーヒーを飲みほした師匠は立ち上がるなり遠くへ出かける時に愛用している絨毯をもって外へ出ていった。
 慌てて残っているパンを食べ終えると、私も食器を片付けて師匠の後を走っていった。

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