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ゴゴン!!
「えっ?」
「いだい!!」
私が扉を押し開けると、外で何かにぶつかった音。私の声、扉の向こうから女の子の叫び声が同時に聞こえた。
「っ~~~っ!!」
扉の向こうには明らかに生き物の気配がして、なにか声にならない声が聞こえてくる。
「あ、あのぉ。…だ、だいじょうぶですか?」
私はおそるおそるゆっくりと扉を開けていった。扉を開けてみると目の前には誰もいなくて、気のせいかと思ってゆっくりと扉をそのまま前回へひらくとなにかにぶつかった。
「ちょ、。ちょっと何するのよ!痛いじゃない!しかも謝るどころか扉でさらに押し返すなんてどうゆう神経してるわけ?!あんたが扉を急に開けたせいでノックをしようとしてた私の手、すっっっごく痛いんですけど!」
(急にって言われるけど、この家私の家なんだからいつドアをあけてもいいんじゃ…)
うずくまりながら手首を握って少し涙目の幼さの残る少女を見て心に思ったけど、それはなかったことにしてとりあえず黙っておくことにした。過去の経験上この手のタイプに何か言い返してもきっと面倒になるだけだ。と前世の記憶が言っている。
「あの、えとごめ、ごめんね?うーんと、怪我はない?お家の人は一緒じゃないのかな?」
「ちょっと子ども扱いしないでよ!私はミリアーメル!ミリアーメル・アルドラインよ。この村の村長の娘。夜中にこの家で声が聞こえたから調べてほしい、って相談があったからわざわざこの私が村長代理として見に来たのに、散々だわ!」
(あ、聞こえてたんだ。まぁ、何回かうるさくしちゃったしな…)
私の前に現れたのはこんな最果ての村ではあまり似合わないドレス調の服を着た11、2歳くらいで短めの金髪ツインテールと、薄碧い瞳がきれいな印象的の女の子だった。目尻が強く見えるのは喋り方がキツイせい…かな。
「ちょっと聞いてるの!?ぼーっとしてないであんたも名前くらい教えなさいよ!」
「あ、ごめんね。私はエリセフィーナ。エリナって呼んでくれると嬉しいな。…あと、手にケガさせちゃったことをお家のひとに謝りに行きたいんだけど…」
「だーかーらー!私はもう子供じゃないの!お家の人に謝りたいって、確かにすんごい痛かったけど…も、もう大丈夫だし!空き家の管理くらい私一人でも余裕なんだから!」
明らかに手が痛いのに強がりながら、子ども扱いしていることに怒っている彼女、ミリアーメルは立ち上がるとスカートについた汚れをパンパンと叩き落す。
子供ではない、というけど、明らかに見た感じはいいところ12歳くらいなんだけどなぁ。
身長は私の肩くらい…140くらいでその、申し上げにくいのだけどお胸の成長具合もまだ子供かなって感じなんだけど
「な、なによ?何か言いたいことがあるわけ!?」
私が無意識にジーっと彼女の事を観察している事を察したミリアーメルは少し顔を赤くして怒ったような照れたような表情をして、腰に手を当ててこちらを見ている。
さすがに初対面で失礼すぎたかもしれない。
「う、ううん。ごめんね、ミーちゃんはえらいなぁ、すごいなぁって思ってたらぼーっとしちゃった」
「み、ミーちゃん?」
やってしまった。私って人の名前を覚えるのが苦手で、あだ名をつけて覚える癖があるんだよね。特に錬金術の材料とかも名前が複雑で前世の記憶で似ているようなものがあれば、植物の素材で見た目が似てるからって『栗』とか『にんじん』とか名前つけちゃって王立錬金術学園《アカデミー》では減点され続けてFランクになってしまったのに…。
「あ、ごめん。なんか私あだ名をつけたりするのが好きで、お友達のことあだ名で呼んじゃう癖があるんだけど、嫌だったかなぁ」
あー、お引越ししてきた初日に揉めたくはないなぁ。しかも相手が村長の娘ってなると早速孤立してしまうかもしれないし、ここは穏便に、仲良くならないと
「と、ともだち??私とあああ、あなたが?」
「う、うん。。。ダメかなぁ?」
「べ、べつにいいわよ。お友達になってあげるわ。私も忙しい中お爺様の言いつけでここにきて偶然!今日あなたとあえたんだし、これも何かの縁ってことで特別にお友達になってあげるわ!」
さっきと同じく顔を赤らめてはいるけど、ミリアーメルの表情は怒っていなく、照れたような、モジモジしていて前世ではほとんどひきこもりだった私は生まれてはじめて『こーゆー子がツンデレって部類なのかなぁ』と思えるとちょっと楽しくなってきた。
「よろしくね!ミーちゃん!」
私は彼女の手をとってギュッと握りしめた。
「い、いだぁあい!!!」
「ご、ごめーーん!!」
友好の握手は1秒と続くことはなかった。
「えっ?」
「いだい!!」
私が扉を押し開けると、外で何かにぶつかった音。私の声、扉の向こうから女の子の叫び声が同時に聞こえた。
「っ~~~っ!!」
扉の向こうには明らかに生き物の気配がして、なにか声にならない声が聞こえてくる。
「あ、あのぉ。…だ、だいじょうぶですか?」
私はおそるおそるゆっくりと扉を開けていった。扉を開けてみると目の前には誰もいなくて、気のせいかと思ってゆっくりと扉をそのまま前回へひらくとなにかにぶつかった。
「ちょ、。ちょっと何するのよ!痛いじゃない!しかも謝るどころか扉でさらに押し返すなんてどうゆう神経してるわけ?!あんたが扉を急に開けたせいでノックをしようとしてた私の手、すっっっごく痛いんですけど!」
(急にって言われるけど、この家私の家なんだからいつドアをあけてもいいんじゃ…)
うずくまりながら手首を握って少し涙目の幼さの残る少女を見て心に思ったけど、それはなかったことにしてとりあえず黙っておくことにした。過去の経験上この手のタイプに何か言い返してもきっと面倒になるだけだ。と前世の記憶が言っている。
「あの、えとごめ、ごめんね?うーんと、怪我はない?お家の人は一緒じゃないのかな?」
「ちょっと子ども扱いしないでよ!私はミリアーメル!ミリアーメル・アルドラインよ。この村の村長の娘。夜中にこの家で声が聞こえたから調べてほしい、って相談があったからわざわざこの私が村長代理として見に来たのに、散々だわ!」
(あ、聞こえてたんだ。まぁ、何回かうるさくしちゃったしな…)
私の前に現れたのはこんな最果ての村ではあまり似合わないドレス調の服を着た11、2歳くらいで短めの金髪ツインテールと、薄碧い瞳がきれいな印象的の女の子だった。目尻が強く見えるのは喋り方がキツイせい…かな。
「ちょっと聞いてるの!?ぼーっとしてないであんたも名前くらい教えなさいよ!」
「あ、ごめんね。私はエリセフィーナ。エリナって呼んでくれると嬉しいな。…あと、手にケガさせちゃったことをお家のひとに謝りに行きたいんだけど…」
「だーかーらー!私はもう子供じゃないの!お家の人に謝りたいって、確かにすんごい痛かったけど…も、もう大丈夫だし!空き家の管理くらい私一人でも余裕なんだから!」
明らかに手が痛いのに強がりながら、子ども扱いしていることに怒っている彼女、ミリアーメルは立ち上がるとスカートについた汚れをパンパンと叩き落す。
子供ではない、というけど、明らかに見た感じはいいところ12歳くらいなんだけどなぁ。
身長は私の肩くらい…140くらいでその、申し上げにくいのだけどお胸の成長具合もまだ子供かなって感じなんだけど
「な、なによ?何か言いたいことがあるわけ!?」
私が無意識にジーっと彼女の事を観察している事を察したミリアーメルは少し顔を赤くして怒ったような照れたような表情をして、腰に手を当ててこちらを見ている。
さすがに初対面で失礼すぎたかもしれない。
「う、ううん。ごめんね、ミーちゃんはえらいなぁ、すごいなぁって思ってたらぼーっとしちゃった」
「み、ミーちゃん?」
やってしまった。私って人の名前を覚えるのが苦手で、あだ名をつけて覚える癖があるんだよね。特に錬金術の材料とかも名前が複雑で前世の記憶で似ているようなものがあれば、植物の素材で見た目が似てるからって『栗』とか『にんじん』とか名前つけちゃって王立錬金術学園《アカデミー》では減点され続けてFランクになってしまったのに…。
「あ、ごめん。なんか私あだ名をつけたりするのが好きで、お友達のことあだ名で呼んじゃう癖があるんだけど、嫌だったかなぁ」
あー、お引越ししてきた初日に揉めたくはないなぁ。しかも相手が村長の娘ってなると早速孤立してしまうかもしれないし、ここは穏便に、仲良くならないと
「と、ともだち??私とあああ、あなたが?」
「う、うん。。。ダメかなぁ?」
「べ、べつにいいわよ。お友達になってあげるわ。私も忙しい中お爺様の言いつけでここにきて偶然!今日あなたとあえたんだし、これも何かの縁ってことで特別にお友達になってあげるわ!」
さっきと同じく顔を赤らめてはいるけど、ミリアーメルの表情は怒っていなく、照れたような、モジモジしていて前世ではほとんどひきこもりだった私は生まれてはじめて『こーゆー子がツンデレって部類なのかなぁ』と思えるとちょっと楽しくなってきた。
「よろしくね!ミーちゃん!」
私は彼女の手をとってギュッと握りしめた。
「い、いだぁあい!!!」
「ご、ごめーーん!!」
友好の握手は1秒と続くことはなかった。
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