『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~

鈴白理人

文字の大きさ
38 / 58
今日もアクアオッジ家は平和です

38 ⑬新たなスキル

しおりを挟む
 窓のない廊下がゆっくりとしたカーブを描き始める。薄暗い灯りなのとカーブのせいで、人の視線はどうしてもその先、その先へと向かってしまう。認知の欲求に基づくものなのだが──
 巧妙に隠された差し掛かったとき、視覚では全く気付けなかった。
 
 通り過ぎようとしたとき、いきなりメリルのスキルがピコンピコンと鳴る。

 えっ、と思い立ち止まると、ウィルフレッドと王子とソルが同じ表情になった。彼らもピコンしたに違いない。

 ウィルがじっとメリルのほうを見て言う。
「メリル……なんかした?」
 
 心当たりが全くないメリルが首を傾げる。
「なんだろ、分かんないや。それより、なんでわたしが原因って思ったの?」
「いや……」その先は、メリルにしか聞こえない声で──
「精霊がさ……"次のステップに進んだみたいね"……だって……」



「……王子、スキルがどうなったのか見てもらえませんか……?」
 なぜか小声でお願いするメリル。薄暗いからといって、ヒソヒソ話す必要はないのだが。

「あ、ああ……」
 メリルの顔が近くてうろたえる王子。自分のスキルもピコンピコンしたので気になっていた。

 王子の左目が光り出し、目の中に魔法陣が浮かび上がる。

アンドリュー・エルドレッド・ラザナキア
  ┗【鑑定スキル】
    ├─【スキル鑑定 Lv9↑】(LvUP!)
    ├─【真名鑑定 Lv8】
    ├─【真贋鑑定 Lv6】
    ├─【種族鑑定 Lv5】
    ├─【性別鑑定 Lv5】
    ├─【感覚鋭敏 Lv3】
    ├─【強制採取 Lv3】
    ├─【毒耐性 Lv3】
    ├─【魔力感知 Lv1】 New!)
    └─【古代生物の依代 Lv-】

ソロモン・ラファラ
  ┗【隠密スキル】
    ├─【暗殺技術 Lv10 MAX】
    ├─【毒無効 Lv-】
    ├─【麻痺無効 Lv-】
    ├─【混乱無効 Lv-】
    ├─【魅了無効 Lv-】
    ├─【強制睡眠無効 Lv-】
    ├─【身体強化 Lv10 MAX】
    ├─【影入 Lv10 MAX】
    ├─【言霊強化 Lv10 MAX】
    ├─【魔力感知 Lv1】(New!)
    └─【永遠の忠誠 Lv-】

ウィルフレッド・アクアオッジ
  ┗【全精霊スキル】
    ├─【全精霊王の愛し子 Lv-】
    ├─【魔力感知 Lv1】(New!) 
    └─【双子の絆 Lv-】

メリル・アクアオッジ
  ┗【全魔法スキル】
    ├─【火魔法 Lv10 MAX】
    ├─【水魔法 Lv10 MAX】
    ├─【風魔法 LV10 MAX】
    ├─【土魔法 LV10 MAX】
    ├─【雷魔法 LV10 MAX】
    ├─【光魔法 LV10 MAX】
    ├─【闇魔法 Lv10 MAX】
    ├─【スキル付与 Lv1】(New!)
    ├─【魔力感知 Lv1】(New!)   
    └─【双子の絆 Lv-】

 信じられないものを見たかのように、王子の目が見開かれる。
 ──何だこれは。全員に同じスキルが発現している。

 新しいスキルがメリルだけに二つ……【スキル付与 Lv1】この効果で【魔力感知 Lv1】みんなに同じスキルが付与された!? いや。考察は後回しだ。

「みんなに【魔力感知】ってスキルが発現してる」

「「「えっ」」」

「いきなりこんなところで?」

 ソルが立ち止まり、灯りを掲げる。
「メリルお嬢様……この独特な気配に覚えが……子供の頃に──」

「えっ? それって……」

"ここ、ここ~"

"ここに変な痕跡があるな"

 精霊の声が聞こえるメリルとウィルフレッドが、辺りを見渡す…までもなく、全員の目が同じ場所に釘付けになった。

 カーブしている廊下の外側はてっきり外だとばかり思っていて、気にも留めていなかったのだが──

 壁と全く同色で意図的に隠されているのが分かる、ぼんやりと光る重厚な扉が、そこにはあった。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

水神飛鳥の異世界茶会記 ~戦闘力ゼロの茶道家が、神業の【陶芸】と至高の【和菓子】で、野蛮な異世界を「癒やし」で侵略するようです~

月神世一
ファンタジー
「剣を下ろし、靴を脱いでください。……茶が入りましたよ」 ​ 猫を助けて死んだ茶道家・水神飛鳥(23歳)。 彼が転生したのは、魔法と闘気が支配する弱肉強食のファンタジー世界だった。 ​チート能力? 攻撃魔法? いいえ、彼が手にしたのは「茶道具一式」と「陶芸セット」が出せるスキルだけ。 ​「私がすべき事は、戦うことではありません。一服の茶を出し、心を整えることです」 ​ゴブリン相手に正座で茶を勧め、 戦場のど真ん中に「結界(茶室)」を展開して空気を変え、 牢屋にぶち込まれれば、そこを「隠れ家カフェ」にリフォームして看守を餌付けする。 ​そんな彼の振る舞う、異世界には存在しない「極上の甘味(カステラ・羊羹)」と、魔法よりも美しい「茶器」に、武闘派の獣人女王も、強欲な大商人も、次第に心を(胃袋を)掴まれていき……? ​「野暮な振る舞いは許しません」 ​これは、ブレない茶道家が、殺伐とした異世界を「おもてなし」で平和に変えていく、一期一会の物語。

処理中です...