迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

文字の大きさ
138 / 221

138. 家を買って両替もする

しおりを挟む
 屋内を見る。
 一階は応接室が一つと客室が二つ。
 奥に大きなリビングがデンッとある。
 これは調理場? 広いなぁ~。
 それと使用人の部屋だったのかな?
 小さく三部屋、あとはトイレとお風呂。

 二階は完全にプライベートな空間で、大きな寝室にすごく広いリビングと書斎。
 もう一つ寝室? あーっ、夫婦用ね。
 じゃあ、これは子供部屋?
 たぶんそうなのかと思う部屋が二つ。
 すべてトイレとお風呂付き。

 一階の客室も二階の子供部屋? も二部屋ずつあり、どちらにも護衛としてソードとガントが泊まれるようになっているのかな?

 あと主寝室とリビングには、大きなベランダがついていた。
 ここにもテーブルセットがあるから、ここでお茶が飲めるようだけど……優雅だね。
 ひとりで住むには、広すぎるぐらいだよ。
 それに、ベランダから見るとよくわかる……

 この家は、囲われている……
 となりは、ギルドの練習場なのかな?
 わたしがベランダからギルドのほうを見ていたからライが横に来て話しだす。

「ギルドの練習場には、結界のようなモノが張ってあるから、この庭に練習中の余波はない。火の粉一つも飛んではこないし、静かだ。結界のおかげでギルドから人も入ってこれないからすごく安全なんだよ」

 なるほどね……

 一階に戻って、大きなリビングでくつろぐ……
 すごく座り心地の良い、何人も座れるソファセットだ。
 色味がライの好みなのか? 黒なのがわたしが使うにはちょっと渋いかな……

 快く、二軒を買い上げることした。

 またライの家へ戻っていく。
 途中でソードとガントの家がすぐ確認できた……
 これはもう、宿屋の斜め向かいだね。
 ホントに近い……検問所も、すぐそこなんだな。
 まあ、安全で良いか?


 ライの屋敷へ戻るとすぐ香りの良いお茶がでてきた。
 そしてライに今日からしばらくこの屋敷へ泊まって、わたし好みに家を整えてはどうかと提案される。
 ソードいわく、テントだけじゃなく普通の暮らしも経験しておかないと、ズレた人になるというし……
 ライもうなずいて。

「パール。宿屋側にも入り口を作るなら防犯も兼ねて、少しあそこは整えないとダメだよ。そのあいだに家の内装をパール好みへと変えて、それから安全に住んだらどうだ? それまではこの家でゆっくり過ごしたらいい。そのほうがみんな楽しいだろ?」

「そうだぞパール! ここは食事もうまいし、いろいろ楽だぞっ。そうしろよ!」
 
 ガントは、痛いところついてくるな……

「ここには女の子がお客としてくることが滅多にないですから、侍女たちがお世話したくてウズウズしているのですよ。少し付き合ってやってくれませんか?」

 ソードにも頼まれてしまう。

 侍女さん……シーナみたいな人たちかな?
 興味はある……  
 つい、うなずいてしまった。

 まあしばらくはここで、贅沢な暮らしを体験させてもらいましょう。

 久しぶりに会った三人は、やっぱり貴族様だと思う質の良い服装で、他の人たちに様付けで呼ばれていた。

 だからわたしのことも、パール様と呼ぶから……

「わたしに様は、違うかな? なしでいいよ」

 侍女さんたちに伝えると……

「それはできません」

 これは決定事項だと言い切られてしまう。 

 ライより、ある意味怖い……
 はじめに案内してくれた人。
 名前も職業も偶然、辺境伯家のセバスチャンさんと同じ。
 
 家令はみんなセバスチャンなの?
 ちょっと、笑っちゃう……ぷふ。

 どうもここでもソードが、ライのことを細かくお世話していて、そのあいだはガントが護衛しているようだった。
 セバスチャンさんたちは、ソードの指示で的確に動いている。
 すごく洗練された動きだな。
 なのにライはマイペースで、わたしにお茶とお菓子をドンドンすすめてくる……

 ライが家の模様替えに商会を明日呼ぼうかと尋ねてくれたけど、明日もう一度家に行ってリストを作ってから呼んでほしいと頼んでおく。

 引越し祝いもライがくれるそうで、なにがほしいか聞かれたから少し考えて、もう少し明るい色のソファセットがほしいというと、三人でやっぱりそうかと納得していた。
 
 でもあの黒いソファセットは、使い道があるので助かると伝えておく。

 ソードが侍女長さんと、わたし付きの侍女さん二人を紹介してくれる。
 この三人は身元のしっかりした安心な人たちなので、なにか都合の悪いことがあったらなんでも頼んで良いそうだ。

「みんな口のかたい信用できる者ばかりを選びましたから、パールのお世話をする人たちには、迷い人だと知らせてあります。ですからへんに隠さなくても大丈夫ですよ」

「うわっ?! それはすごくうれしいっ!」

 ありがたいな……
 リンゴ三ケースも部屋に運んでくれたようだ。

 あいさつにきてくれた人たちは、ひとりはおばさんと呼べるぐらいの見た目の侍女長メイズさん。
 あと、ガントよりも少し年上に思えるお姉さんと呼べるぐらいの人たちで金髪のプラムさんと銀髪のシルエラさん。
 タイプの違う綺麗な侍女さんたちだ。

 なぜか三人とも目をキラキラさせて、部屋に入ってくる。

 わたしの家の模様替えも手伝ってくれるそうで、すごく助かるかも。

 よろしくお願いしますと名前を確認しながらあいさつすると、侍女長メイズさんが役職名で呼ぶか、呼び捨てにしてくださいと言ってきた。
 またなのか……
 侍女長とプラムにシルエラと呼ぶことにした。
 あとセバスチャンさんもだそうだ……
 わかりました。
 みんなに合わせてセバスチャンと呼ぶことに決める。
 
 紹介も終わりあとはライにお礼を告げ、もうここへ家の代金、金の塊を出して良いか聞く。

 待ってましたとばかりにガントが、頑丈そうな大きなカートを持ってきた。
 この上に置いてくれと、ニタニタ笑いながら告げる。

 迷わず、用意しておいたガントの顔より少し大きな金の塊をひとつ、ボンっと出す。

「「「おーっ! すごい!!」」」

 ガントがライのところまで押していく。

「これは、すごいな……これだけで、家二軒分以上の価値がある」

 ソードが、コンコンと金を叩いていた……
 ガントは金の塊を持ち上げようとして、目を見開いておどろいている。
 思っていたより重かったようだ。
 
 これで足りるか聞くと、ライがうなずく。

 次は両替の分だけと、これは砂金が良いそうなので、手に入れた袋に三十握り分ずつの砂金を入れ十袋用意していた分を渡す。

「大体だけど、白金貨十二枚分かな? っと思って用意したけど、家が思っていたより良い家で、もっと高価なはずだから、これでは家の二倍より少ないと思う。だからもう少し出す分は、まだ砂金がいいか、金の塊がいいかどっちにする?」

「もうこれでいい。さっきだした、ガントの顔の大きさの金の塊が、二軒の家よりもだいぶ高額だからこれで十分だよっ」

 ライが笑いながら告げる。
 そしてガントをチラッとみるとガントがうなずき、自分の魔法袋から両替のお金をテーブルの上に金額を告げながら出してくれた。

 白金貨 、十一枚。
 金貨、百六十枚。
 大銀貨、三百七十枚に銀貨、二百八十枚。
 銅貨、百九十枚と鉄貨、百枚。

「えっと、白金貨十三枚分ですよね? 両替分の砂金よりわたしの計算では、白金貨一枚お金が多いようだけど?」

 金の塊がだいぶ高価なモノになるから、これでもお金は少ないぐらいだとライが言ってくれる。
 わたしではわからないから、ありがたくもらっておく。

 よし! 家を買った、両替もできた。
 お金もある……

 これで当分、安心だよっ!
 

 
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン
ファンタジー
 聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。  いや嘘だ。  本当は不満でいっぱいだった。  食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。  だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。  しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。  そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。  二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。  だが彼女は知らなかった。  三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。  知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。 ※完結しました。 ※小説家になろう様にも投稿しています

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

処理中です...