迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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154. ダンスを習う

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 今回もボードで帰ってきたので、セバスチャンのお迎えがあった。

 もう当たり前のように、執務室まで連れていかれる。

「おっ、今日も早いお帰りだな!」

「お帰りパール!」

「パール、早かったですね。メルの洞窟に潜るのは、いつからになりました?」

「みんな、ただいま。メルの洞窟へ潜るのはニ日後になって、それまでマークとは別行動になったんだよ。マークが朝五時に迎えにきてくれるみたい」

「じゃあ、それまでフリーなんだな! ここでゆっくりしていたらいい」

「ありがとう、ライ。いまから少し時間が空いたから、なにしようかな?」

「それでしたら、侍女長がまだまだパールには教えることがあると言っていましたよ。パールは踊れますか?」

「あーっ、マークと辺境伯の人たちが少しだけ教えてくれたけど……」

「では今日は、ダンスを中心にしましょうか?」

「まだお昼まで時間がありますから、まずは侍女長に任せましょう。お昼からは少し、わたしたちも参加できるように調整します」

「えっ、いいよ。仕事してよ! わたしは侍女長たちだけでいい!」

「それはない! パールはおれとは踊ってくれないのか?」

「えーっ! ハードル高いよ。上手くなってからじゃないと……イヤだ」

「なっ、なんだってっ! イ、イヤなのか……?」

 ライはわたしがイヤだと言ったからショックを受けているみたいだけど、口からでた言葉はしょうがない……

「ホントに下手だから、キチンと教えてもらってからじゃないと、人とは踊りたくないよ……」

「上手くなればいいんだな! わかった。侍女長、頼むよ」

「わかりました、ライ様。おまかせください」

「えーっ、侍女長? 無理だよ。わたしそんなに踊ったことがないから、下手だよ?」

「まあ、何はともあれ練習ですね」

 ソードがぐずったわたしを、侍女長にあずける。

 自分の部屋へ戻って、侍女たちに練習用の簡単な足のくるぶしがみえる水色のワンピース? に着替えさせられた。
 靴はヒールになるから痛いのはイヤと言って、ケップラー王国の靴にさせてもらう。
 ワンピースと同じ水色に靴の色を変えると、みんなが驚いて。

「「「まぁーっ!!」」」

 すかさず侍女長が、練習なのだから足もとが目立つ赤色の靴にするよう指示してくる。
 もう厳しい……

「……はい」

 素直に赤色へと変える。

 あとはダンスホールのようなダンスの練習ルームに連れて行かれ、そこで音楽に合わせて練習することになった。

 はじめはプラムとシルエラがダンスの練習相手をしてくれて、侍女長がわたしのダンスを確認する。

 簡単なステップしか踏めない……

 すぐに侍女長が練習方法を変える。
 音楽に合わせてひとりで、基本のステップを踏む。
 すると注意がバンバン飛んでくる。

「背筋を伸ばす! 足元を見ない! 笑顔です!」

「は、はいっ」

 しばらくすると、本格的にダンスの先生なのか? 少し派手な男女がきて、今度はその見本を見ながら踊る練習方法にかわる。

 いろいろな曲が演奏されていく。
 生演奏だから、演奏する方も大変だよ。
 わたしに合わせて、すぐ止まるからね。
 それでも音楽に合わせて、数種類の基本のダンスを何度も踊っていく。
 その中には決まった動きをする必要があるものがいくつかあり、足がもつれてフラフラする。

 結局、昼からもずっと練習で、侍女長がライたちのお相手をするのはホントにまだ早いと判断した。

 わたしは納得したけど、みんなはすごくがっかりしたそうだ。

 ライたちはダンスの練習中、覗くことを侍女長とダンスの先生たちから禁止されたみたい。
 
 一緒に踊るときの、お楽しみだそうだ。
 踊れるのかな……?

「「頑張りましょう!!」」

 この先生たちは夫婦だそうで、息もピッタリ!

 珍しいくセバスチャンまで、口を出してきた。
 どうにかみんなわたしに、ダンスが上手くなってほしいようだ……
 
 侍女長が本気を出してくる……
 ダンスの先生より厳しいんだけど……

 自分に身体強化をたっぷりかけて、頑張ってついていく。


 夕方、あの水着を頼んでいた商会の人たちがやって来て、バタバタしたけど忙しいわたしは持ってきてくれた水着だけすべてうけとり、あとはソードに丸投げした。

 夕食の時間ぐらいには、なんとかステップは覚えたつもりだけど……先生たちいわく、まだまだらしい。
 
 ライたちにも、夕食のとき聞かれる。

「どうだ、上手くなったか?」

「頑張ってるよっ、ガント。でも、まだダメだって……」

「大丈夫だ、パール! 侍女長がなんとかしてくれる!」

「侍女長、よろしくお願いしますよ」

「はい。もう少し、お待ちください」

 みんなに急かされて、夕食後も練習になった。
 なんとか夜の練習では、先生たちについていけるようになったのかな。

 わたし、あさって冒険に行くんだけど……
 ハードだな……

 上手くなってから、なんて……言うんじゃなかった。

(チェリー 、わたし失敗したの?)

(はい。口は災いのもとです、パール)

 ハァー、ホントだな……つい、ポロッと……

 お風呂ではプラムとシルエラが、疲れたからだをしっかりマッサージしてくれる。

「気持ちいい……」

 お風呂から上がると侍女長が待ち構えていて、とんでもないことを言いだす。

「明日は夜から身内だけのダンスパーティを開きます。パール様、明日の夜までにはなんとしても、カタチにしましょう!」

「えっ!? そんな急に……どうして?」

 明日の朝からもずっと練習をして、夕方から身内だけの軽いダンスパーティを開くということでソードがライを納得させたと侍女長が教えてくれた。

「たいそうな……」

 軽いとはいえ、ダンスパーティになってしまった。

 ウソみたい。

 でもなんだか、屋敷が活気付いている?
 わたし付き以外の侍女たちも、ダンスホールを飾りつけたり料理も少しでるようで、みんながバタバタとホントのパーティみたいだ。

「侍女長、ちょっと大げさではないですか……ただ少しライたちと踊るだけですよ?」

「そうなのですが、こんなチャンスは滅多にないのです。まだライ様はご結婚されておられないので、そうパーティはここでは開かれません。なのでわたしたちにもよい予行練習になると、ソード様がおっしゃって……申し訳ありません、パール様。やはり、たいそうですよね……」

「そうなんですか、ソードが……。それならしょうがないですね。できるだけ恥ずかしくないように、ダンスがんばります」

 侍女長もどうしてこんなことになってしまったのか? っと、 戸惑っているようではあったけど、ちょっと楽しそうだった。
 
 これはもう、練習あるのみだなっ。
 身体強化をいっぱい使って、ステップをどんどんからだに覚えさせていく。

 ここの侍女たちも、積極的に協力してくれる。
 なんでみんな踊れるのかな?

 何人も交代で相手してくれていた侍女たちは、完璧に男性パートを踊ってくれている。

 ダンスの先生も、わたしに次々と難しいステップを教えていくし……
 この先生たちスパルタだけど、すごい人なのでは?

 みんなが、すごいよ……

 それにここではダンスも、侍女の条件なのか?


 こんど、シーナに聞いてみよう!

 
 
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