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おうっふ
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……いや、正確には俺の母親とうり二つなんだけど。
性別の差はあれど、十人の人間に聞けば十人が俺と母親はそっくりだと言ってくるから、この絵も俺と似てることは間違いない。
いや、まじで母親の写真見せられてるようだわ。絵を描いた人も、めちゃくちゃ上手いな。違うのは俺の母親は生きるお人形さんだから目にハイライトはないけど、絵の中のエレナ姫の瞳には強い意志が宿っているように見えることくらい?
ヴィダルスよ、目が節穴とか言ってごめん。寧ろ、これ見て髪と目の色だけとか言うアストルディアのが節穴だったわ。
いや、もしかしたらきちんと男女の差を捉えられているアストルディアのがすごいのやも……いや、ねぇな。ねぇわ。
「……アスティ、お前、髪型変えたら人間のの顔の区別つかなくなったり……?」
教科書を取るどさくさで、こっそり崩した足を密かにさすりながら、アストルディアに同情の視線を送る。
完全無欠に見えて、思いがけない弱点があったんだな。これじゃ少し変装しただけで見抜けなくなるんじゃ……いや、臭いでバレるか。
「何を言っているんだ。人間の顔の違いくらい、髪型なぞ関係なしに見分けられるぞ」
「じゃあこの絵、髪の毛切ったら俺とそっくりだと思ったりは……?」
「思わんな」
絵と俺の顔を見比べたアストルディアは、眉間に皺を寄せた。
「何度見ても似ていない。お前の方がずっと綺麗だ」
「おうっふ」
俺は「美しい」も「綺麗」も「麗しい」も「かっこいい」も言われ慣れている。自信過剰でもなんでもなく、俺の容姿が整ってるのは事実だ。
だから、いつ誰かにそう言われも、軽く礼を言って流せる自信はあった。
「お、おま、お前、何言っちゃっての!?」
そうーー相手がアストルディアでなければ。
だって、アストルディアだよ? 常に無表情で、義務的なお世辞以外では人の顔を褒めたりとか絶対にしなそうな男がだよ?
俺とそっくりな絵を見て、当たり前みたいにさらっと俺の方が綺麗だと言うとか……こんなん完全に予想してないじゃん。
やばい、顔が熱い。まともにアストルディアの顔見れないんだけど、ちょっと俺もキモいくらい動揺し過ぎじゃない!?
「事実を言っただけだ。というよりも、俺はお前以外の人間を綺麗だと思ったことはないな。顔の区別こそつくが」
「……お願いだから、アスティ、もうやめて……」
こいつ……俺を恥ずか死にさせる気なんだろうか。斬新な暗殺方法だ。
ほてる顔を手であおいでいると、アストルディアが深々とため息を吐いた。
「……しかし、皮肉なものだな。獣人が人間の奴隷だった頃の方が、結果的には発展した魔力を持つ強力な獣人が生まれていたのだから。今の閉塞的な状況を考えれば、開戦派の気持ちも多少は理解できる気もする。結局獣人は、人間と交じらわなければ発展できないのだからな」
……やめてと言ったのは俺だけど、こうもあっさり話を切り替えられると(しかもすげぇ真面目な方向に)照れまくってた俺が馬鹿みたいだな。
もしかして俺、アストルディアに遊ばれてる? ……いや、その割に尻尾は揺れてない。残念ながら、これは天然だ。
「この状況を原始の女神の呪いというものもいる。セネーバでは二番目の女神は崇められるが、原始の女神は恐れられながらも厭われているからな」
「原始の女神に二番目の女神? 女神が複数存在するのか?」
「なんだ、この話はリシス王国では伝わってないのか。セネーバでは、原始の女神が最初に人を創り、二番目の女神に委託して人間をもとに獣人を創らせたと言われているんだ。しかし、二番目の女神は獣人に、力のもとである魔力を与え過ぎた。自分が創った人間より優れたものを創り出したことに怒った原始の女神は、人間に追加で同じ魔力を与えて魔法という形で使えるようにし、獣人に呪いをかけたのだという」
性別の差はあれど、十人の人間に聞けば十人が俺と母親はそっくりだと言ってくるから、この絵も俺と似てることは間違いない。
いや、まじで母親の写真見せられてるようだわ。絵を描いた人も、めちゃくちゃ上手いな。違うのは俺の母親は生きるお人形さんだから目にハイライトはないけど、絵の中のエレナ姫の瞳には強い意志が宿っているように見えることくらい?
ヴィダルスよ、目が節穴とか言ってごめん。寧ろ、これ見て髪と目の色だけとか言うアストルディアのが節穴だったわ。
いや、もしかしたらきちんと男女の差を捉えられているアストルディアのがすごいのやも……いや、ねぇな。ねぇわ。
「……アスティ、お前、髪型変えたら人間のの顔の区別つかなくなったり……?」
教科書を取るどさくさで、こっそり崩した足を密かにさすりながら、アストルディアに同情の視線を送る。
完全無欠に見えて、思いがけない弱点があったんだな。これじゃ少し変装しただけで見抜けなくなるんじゃ……いや、臭いでバレるか。
「何を言っているんだ。人間の顔の違いくらい、髪型なぞ関係なしに見分けられるぞ」
「じゃあこの絵、髪の毛切ったら俺とそっくりだと思ったりは……?」
「思わんな」
絵と俺の顔を見比べたアストルディアは、眉間に皺を寄せた。
「何度見ても似ていない。お前の方がずっと綺麗だ」
「おうっふ」
俺は「美しい」も「綺麗」も「麗しい」も「かっこいい」も言われ慣れている。自信過剰でもなんでもなく、俺の容姿が整ってるのは事実だ。
だから、いつ誰かにそう言われも、軽く礼を言って流せる自信はあった。
「お、おま、お前、何言っちゃっての!?」
そうーー相手がアストルディアでなければ。
だって、アストルディアだよ? 常に無表情で、義務的なお世辞以外では人の顔を褒めたりとか絶対にしなそうな男がだよ?
俺とそっくりな絵を見て、当たり前みたいにさらっと俺の方が綺麗だと言うとか……こんなん完全に予想してないじゃん。
やばい、顔が熱い。まともにアストルディアの顔見れないんだけど、ちょっと俺もキモいくらい動揺し過ぎじゃない!?
「事実を言っただけだ。というよりも、俺はお前以外の人間を綺麗だと思ったことはないな。顔の区別こそつくが」
「……お願いだから、アスティ、もうやめて……」
こいつ……俺を恥ずか死にさせる気なんだろうか。斬新な暗殺方法だ。
ほてる顔を手であおいでいると、アストルディアが深々とため息を吐いた。
「……しかし、皮肉なものだな。獣人が人間の奴隷だった頃の方が、結果的には発展した魔力を持つ強力な獣人が生まれていたのだから。今の閉塞的な状況を考えれば、開戦派の気持ちも多少は理解できる気もする。結局獣人は、人間と交じらわなければ発展できないのだからな」
……やめてと言ったのは俺だけど、こうもあっさり話を切り替えられると(しかもすげぇ真面目な方向に)照れまくってた俺が馬鹿みたいだな。
もしかして俺、アストルディアに遊ばれてる? ……いや、その割に尻尾は揺れてない。残念ながら、これは天然だ。
「この状況を原始の女神の呪いというものもいる。セネーバでは二番目の女神は崇められるが、原始の女神は恐れられながらも厭われているからな」
「原始の女神に二番目の女神? 女神が複数存在するのか?」
「なんだ、この話はリシス王国では伝わってないのか。セネーバでは、原始の女神が最初に人を創り、二番目の女神に委託して人間をもとに獣人を創らせたと言われているんだ。しかし、二番目の女神は獣人に、力のもとである魔力を与え過ぎた。自分が創った人間より優れたものを創り出したことに怒った原始の女神は、人間に追加で同じ魔力を与えて魔法という形で使えるようにし、獣人に呪いをかけたのだという」
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