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まだ存在しない君へ
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何故か黙り込んだアストルディアに視線を向けると、三角お耳がペタンと伏せっていた。
「どうした? アスティ」
「……お前が、たくさんの獣人と交流することで、獣人のことを知ろうとしてくれることは、嬉しい。だが……」
「だが?」
「……少し、妬いてしまう」
相変わらず無表情なのに、そんなことを言ってしょげてるのがおかしくて、思わず噴き出してしまった。
「……本当、お前はかわいいな! アスティ」
本当に、どんな姿でも、アストルディアはとてもかわいい。
「安心しろよ。アスティ。……誰と親しくなろうと、お前は俺にとって特別な存在であることは変わりないからさ」
たとえどれだけ親しい相手ができても、アストルディア以上に特別な存在になることはないと断言できる。
だってアストルディアは、たった一人の俺の親友で、俺の番なのだから。
「お前のことが、大好きだよ。アスティ」
笑顔で告げた好意に、アストルディアは何故か傷ついたような目をした。
「……『最愛の弟の、次に』か」
「え?」
「いや、何でもない。俺も、お前のことを大好きだよ。エディ」
小さく呟かれたアストルディアの言葉は、俺の耳には届かなかったけど、いつもと同じ表情のはずのアストルディアが何故か涙をこらえているように思えて。
思わず食事を中断して席を立ち、その体を抱き締めていた。
「っエディ……」
「……本当に、本当に、俺はお前が好きだよ。アスティ。頼むから、俺の気持ちを疑わないでくれ」
俺は確かに、アストルディアが好きだ。
それは幼い頃からただ一人弱音を受け止め続けてくれた親友に対する好きなのか、一緒に運命を抗ってくれる戦友としての好きなのか、狼獣人であるアストルディアにとって特別な存在である「番」としての好きなのか。俺自身にも、よくわからない。
わからないけど……俺はもう、アストルディアを手放せない。たとえ未来に行き着く先が地獄だったとしても、道連れにしてしまうくらいに、依存してしまっている。
ーーアストルディアの本当の運命の相手は、俺でないことなんて知っているのに。
「エディ……俺は……」
「……なあ。アスティ。飯が終わったら、今日もシないか?」
今の自分のポジションが、本当ならば生まれることすらできないであろう息子のものだとわかってなお、浅ましい俺はアストルディアを誘惑する。
「最低週一だって言ってたけど……別に増えても悪いもんじゃないだろ」
ただただ、アストルディアを俺に縛り付けたくて。
どれだけ抗ったとしても、強制的にやって来るかもしれない未来よりも、俺を選んで欲しくて。
まだ夕食が終わってないのにも関わらず、俺はアストルディアの唇に口づけた。
「っエディ……!」
「……もう、ベッド行くか。アスティ。ヤった後に、また腹減ったら、残りを食べればいい」
……ごめん、ごめんな。
ネルドゥース領の民の為ならなんて言い訳してたけど……本当は俺自身の為なんだ。
アストルディアと一緒に、未来を変えたくて。
獣人と人間が対立する世界を変えて、アストルディアと一緒に幸せになることができる未来が欲しくて。
俺は、本来の小説の主人公であるお前を、生まれる前から消滅させる。
消滅させたうえで、ちゃっかりお前のポジションまで奪うんだ。本来の運命では、散々虐待を加えているうえでのその仕打ち。最低な親だよな。お前は俺を、恨んでいいよ。お前は、その権利がある。
「……おいで。アスティ」
ーーそれでも俺は、アストルディアが欲しいんだ。
「……エディ……エディ……俺の、番……」
「……そうだよ。アスティ。俺はお前の番だ」
初めての時のように理性をなくした獣のように俺を求めるアストルディアの背中に、手を回す。
「…………俺だけが、お前の番だよ」
流れた涙は、快感による生理的なものだったろうか。
「どうした? アスティ」
「……お前が、たくさんの獣人と交流することで、獣人のことを知ろうとしてくれることは、嬉しい。だが……」
「だが?」
「……少し、妬いてしまう」
相変わらず無表情なのに、そんなことを言ってしょげてるのがおかしくて、思わず噴き出してしまった。
「……本当、お前はかわいいな! アスティ」
本当に、どんな姿でも、アストルディアはとてもかわいい。
「安心しろよ。アスティ。……誰と親しくなろうと、お前は俺にとって特別な存在であることは変わりないからさ」
たとえどれだけ親しい相手ができても、アストルディア以上に特別な存在になることはないと断言できる。
だってアストルディアは、たった一人の俺の親友で、俺の番なのだから。
「お前のことが、大好きだよ。アスティ」
笑顔で告げた好意に、アストルディアは何故か傷ついたような目をした。
「……『最愛の弟の、次に』か」
「え?」
「いや、何でもない。俺も、お前のことを大好きだよ。エディ」
小さく呟かれたアストルディアの言葉は、俺の耳には届かなかったけど、いつもと同じ表情のはずのアストルディアが何故か涙をこらえているように思えて。
思わず食事を中断して席を立ち、その体を抱き締めていた。
「っエディ……」
「……本当に、本当に、俺はお前が好きだよ。アスティ。頼むから、俺の気持ちを疑わないでくれ」
俺は確かに、アストルディアが好きだ。
それは幼い頃からただ一人弱音を受け止め続けてくれた親友に対する好きなのか、一緒に運命を抗ってくれる戦友としての好きなのか、狼獣人であるアストルディアにとって特別な存在である「番」としての好きなのか。俺自身にも、よくわからない。
わからないけど……俺はもう、アストルディアを手放せない。たとえ未来に行き着く先が地獄だったとしても、道連れにしてしまうくらいに、依存してしまっている。
ーーアストルディアの本当の運命の相手は、俺でないことなんて知っているのに。
「エディ……俺は……」
「……なあ。アスティ。飯が終わったら、今日もシないか?」
今の自分のポジションが、本当ならば生まれることすらできないであろう息子のものだとわかってなお、浅ましい俺はアストルディアを誘惑する。
「最低週一だって言ってたけど……別に増えても悪いもんじゃないだろ」
ただただ、アストルディアを俺に縛り付けたくて。
どれだけ抗ったとしても、強制的にやって来るかもしれない未来よりも、俺を選んで欲しくて。
まだ夕食が終わってないのにも関わらず、俺はアストルディアの唇に口づけた。
「っエディ……!」
「……もう、ベッド行くか。アスティ。ヤった後に、また腹減ったら、残りを食べればいい」
……ごめん、ごめんな。
ネルドゥース領の民の為ならなんて言い訳してたけど……本当は俺自身の為なんだ。
アストルディアと一緒に、未来を変えたくて。
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俺は、本来の小説の主人公であるお前を、生まれる前から消滅させる。
消滅させたうえで、ちゃっかりお前のポジションまで奪うんだ。本来の運命では、散々虐待を加えているうえでのその仕打ち。最低な親だよな。お前は俺を、恨んでいいよ。お前は、その権利がある。
「……おいで。アスティ」
ーーそれでも俺は、アストルディアが欲しいんだ。
「……エディ……エディ……俺の、番……」
「……そうだよ。アスティ。俺はお前の番だ」
初めての時のように理性をなくした獣のように俺を求めるアストルディアの背中に、手を回す。
「…………俺だけが、お前の番だよ」
流れた涙は、快感による生理的なものだったろうか。
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