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男装の麗人②
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エレナ姫の絵にも、母にも、そっくりはそっくりなんだけど、何てか雰囲気は結構違うな。
母親は脳内お花畑の妖精みたいな人だし、エレナ姫は清らかな聖女みたいな感じだったけど……俺の場合は、妙に色気がある。
鎖骨しか出してないし、胸だってパッドは最小限なのに、何故かエロい。学生最後に半年ほど続いた淫蕩な日々が原因だとは思うが、これは果たしてプラスに働くのかマイナスに働くのか……。
「ほら、やっぱり僕の言う通り、女の人にしか見えないでしょう。後は隣にアストルディアを立たせたら、完璧だね。アストルディアと並べば、大抵の人は華奢に見えるから」
確かに2メートル近いガチムチ体型のアストルディアと並べば、俺くらいの筋肉じゃ、ないようなもんだけど。
「いや、しかし我ながら良い出来だね。これなら見かけだけで、エディを非難できなくなる男も多いんじゃないかな。みんな美女には弱いから」
「ちょ……近いぞ」
「念の為、ヒゲの剃り跡とか見えないか確かめてんの。……てか、エディってヒゲ生えるの? 想像つかないんだけど」
「俺はお前がヒゲ生えてる姿のが、想像できねぇよ」
一応以前は、ごくたまーにヒゲそりするくらいには生えてきてはいた。……子宮出来て以降、一切生えなくなったが。多分女性ホルモンか何かのせい。
元々伸びても金色で目立ちにくかったから、あんま変わった気はしないけど。
ニヤニヤ笑うクリスに顎をすくわれ、口づけの距離で顔を覗きこまれる。
剥き卵のように艷やかなクリスの肌には、うぶ毛はもちろん毛穴一つ見つけられない。俺よりよっぽど女のようだ。クリスなら、魔法で全て綺麗に手入れできるのかもしれないが。
そんなことをぼんやり考えていたら、嫉妬に笑みを引き攣らせたジェフが、クリスを引き剥がした。
そんな威嚇せんでも、俺は絶対クリスには惚れんし、こいつだって億が一にも俺にときめいたりしねーわ。
「……で。スピーチは、もうまもなくの予定だろう。アストルディアはまだなのか」
「今ダンテが迎えに行っているけどねー。セネーバはセネーバで新年祭やってるし、なかなか抜けられないっぽい」
地球で言う所の元旦の一日が新年祭の本番であるリシス王国に対して、セネーバでは大晦日の夜から元旦の昼までが重視されるらしい。
いい感じに時間差があるから、転移魔法を使えばセネーバの新年祭に差し障りがなく余裕を持って来賓としてこちらに招ける計算だったのだが、色々ハプニングがあって予定が遅れてるらしい。
アストルディアのことだから、何とかしてスピーチまでは間に合わせるとは思うけど、先に俺の女装に慣れさせる時間は取れないことを考えると、少し落ち着かない。
……アストルディア、俺の女装見て、どんな反応するだろう。
このクオリティの高さならドン引きはしないとは思うけど、その……う、うっかり、こ、恋しちゃったりとかしないかな、とか思うのは自惚れが過ぎるだろうか。
だって、ほら……着飾って別人のようになった姿見て好きになっちゃうとか、少女漫画の定番じゃん?
いや、その、アストルディアが恋に落ちる相手は原作主人公だけだとわかってるけど……期待、しちゃうじゃん? 俺と同じように顔を赤らめて、動揺するアストルディアとか、めちゃくちゃ見たいじゃん?
いや、ただでさえ俺がアホになってんのに、アストルディアまでアホになっちゃったら、色々ヤバいってことはわかってるけどさ……! そもそも何度も何度も自分に言い聞かせてるように、俺が心配すべきなのはアストルディアの反応ではなく、王都民の反応なわけだし!
だけど……もし。もし、アストルディアが俺と同じ想いを抱いてくれたら。
「綺麗だ。エディ」なんて、甘く囁いてくれたら。
……やめろ。俺。これ以上妄想膨らませんな!
鏡の中の美女の笑みが気持ち悪いことなってるし、クリスがさっきから訝しげな目で見てるぞ!
こんな風になるから、恋なんかしたくなかったのに!
「ーーすまない。到着が遅れた」
母親は脳内お花畑の妖精みたいな人だし、エレナ姫は清らかな聖女みたいな感じだったけど……俺の場合は、妙に色気がある。
鎖骨しか出してないし、胸だってパッドは最小限なのに、何故かエロい。学生最後に半年ほど続いた淫蕩な日々が原因だとは思うが、これは果たしてプラスに働くのかマイナスに働くのか……。
「ほら、やっぱり僕の言う通り、女の人にしか見えないでしょう。後は隣にアストルディアを立たせたら、完璧だね。アストルディアと並べば、大抵の人は華奢に見えるから」
確かに2メートル近いガチムチ体型のアストルディアと並べば、俺くらいの筋肉じゃ、ないようなもんだけど。
「いや、しかし我ながら良い出来だね。これなら見かけだけで、エディを非難できなくなる男も多いんじゃないかな。みんな美女には弱いから」
「ちょ……近いぞ」
「念の為、ヒゲの剃り跡とか見えないか確かめてんの。……てか、エディってヒゲ生えるの? 想像つかないんだけど」
「俺はお前がヒゲ生えてる姿のが、想像できねぇよ」
一応以前は、ごくたまーにヒゲそりするくらいには生えてきてはいた。……子宮出来て以降、一切生えなくなったが。多分女性ホルモンか何かのせい。
元々伸びても金色で目立ちにくかったから、あんま変わった気はしないけど。
ニヤニヤ笑うクリスに顎をすくわれ、口づけの距離で顔を覗きこまれる。
剥き卵のように艷やかなクリスの肌には、うぶ毛はもちろん毛穴一つ見つけられない。俺よりよっぽど女のようだ。クリスなら、魔法で全て綺麗に手入れできるのかもしれないが。
そんなことをぼんやり考えていたら、嫉妬に笑みを引き攣らせたジェフが、クリスを引き剥がした。
そんな威嚇せんでも、俺は絶対クリスには惚れんし、こいつだって億が一にも俺にときめいたりしねーわ。
「……で。スピーチは、もうまもなくの予定だろう。アストルディアはまだなのか」
「今ダンテが迎えに行っているけどねー。セネーバはセネーバで新年祭やってるし、なかなか抜けられないっぽい」
地球で言う所の元旦の一日が新年祭の本番であるリシス王国に対して、セネーバでは大晦日の夜から元旦の昼までが重視されるらしい。
いい感じに時間差があるから、転移魔法を使えばセネーバの新年祭に差し障りがなく余裕を持って来賓としてこちらに招ける計算だったのだが、色々ハプニングがあって予定が遅れてるらしい。
アストルディアのことだから、何とかしてスピーチまでは間に合わせるとは思うけど、先に俺の女装に慣れさせる時間は取れないことを考えると、少し落ち着かない。
……アストルディア、俺の女装見て、どんな反応するだろう。
このクオリティの高さならドン引きはしないとは思うけど、その……う、うっかり、こ、恋しちゃったりとかしないかな、とか思うのは自惚れが過ぎるだろうか。
だって、ほら……着飾って別人のようになった姿見て好きになっちゃうとか、少女漫画の定番じゃん?
いや、その、アストルディアが恋に落ちる相手は原作主人公だけだとわかってるけど……期待、しちゃうじゃん? 俺と同じように顔を赤らめて、動揺するアストルディアとか、めちゃくちゃ見たいじゃん?
いや、ただでさえ俺がアホになってんのに、アストルディアまでアホになっちゃったら、色々ヤバいってことはわかってるけどさ……! そもそも何度も何度も自分に言い聞かせてるように、俺が心配すべきなのはアストルディアの反応ではなく、王都民の反応なわけだし!
だけど……もし。もし、アストルディアが俺と同じ想いを抱いてくれたら。
「綺麗だ。エディ」なんて、甘く囁いてくれたら。
……やめろ。俺。これ以上妄想膨らませんな!
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こんな風になるから、恋なんかしたくなかったのに!
「ーーすまない。到着が遅れた」
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