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あったかもしれない最期④
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この狂った執着を、愛だなんてお綺麗な言葉で表して良いのか、正直迷う所だが。
多分そういう耳障りの良い言葉の方が、エドワードには効くだろうから、敢えてそう言ってやった。
案の定、エドワードから漂う罪悪感の匂いが濃くなる。
『……馬鹿じゃねぇの。俺に利用されてるとわかってて、よくそんなことを言えるな』
エドワードの難儀な所は、壊れてなお、以前の倫理観や良識は変わらず持ち続けている所だ。
一番に定めた優先順位は絶対で、その一番の為ならどれほど非道なことだってやってのける覚悟はできているし、実際実行するのに、完全に割り切ることはできずに罪悪感で苦しむ。
最後はその罪悪感すら復讐の燃料にするにしても、損な性格だと思う。俺がエドワードなら、何も気にしねぇでガキのことも俺のことも利用して、骨の髄までしゃぶり尽くすのに。
でも、だからこそ、俺はそこにつけ込むことができる。
『だから、利用されてやってるんだって。お前の為なら何だってしてやるって言ってんだから信じろよ』
『……なら、俺の為に死ねるのかよ』
『っ』
あまりにも予想外過ぎる返しに、思わず言葉に詰まった。
『できねぇだろ。だったら何だってしてやるなんて……』
『何、当たり前のこと言ってんだよ。死ねるに決まってんだろ』
何故できないと思ったのか。その方が不思議だ。
狼獣人が、番の為に命を投げ出すことなんて、珍しい話でもないのに。
そもそもエドワードが先に死んだら、当然後を追うつもりだった。エドワードがいない、以前のつまらねぇ日々に戻ることなんて、耐えられない。
しばしば番を亡くした狼獣人が、番の魔力を求めて自分のガキを襲ったりもするが、どんだけ狂ったとしても、俺があのガキをエドワードの息子ってだけで代替にできるとも思えねぇしな。
だから順番こそ前後しても、エドワードの為に死ぬだなんて、俺にとってはただの予定調和に過ぎないのに。
『それがお前の望みなら、いつか、お前の為に死んでやるよ。エドワード。だから、俺を信じてくれ』
『な……』
『お前は俺の番で……俺はお前の共犯者だ。お前が望むなら、世界だって滅ぼしてやるよ』
エドワードの罪悪感の匂いが、ますます強くなった。
そして、それに混ざる憐れみと……ほんの微かな愛にも似た依存の匂い。
『……馬鹿じゃねぇの……』
それきりエドワードは黙り込んでしまったが、抱きついた背中から伝わる気配で、声に出さずに泣いているのがわかった。
ーーアストルディアはもちろん、アストルディアとのガキよりも憎まれることができないのなら、俺はエドワードに愛されたい。
二人がどれだけ望んでも手に入らない、特別が欲しい。
その為なら、俺は命だって捧げてみせる。
それからは少しずつではあるが、確実にエドワードは俺に依存していくのがわかった。
閨で無理やり言わせていた「ヴィー」と言う愛称を日常的に使うようになったし、時たまわずかに笑顔を見せる日すら出てきた。
エドワードの依存が大きくなればなるほど、ますます愛おしさは増していく。
どれほど俺に向ける好意が育っても、エドワードが復讐を諦めることはないのはわかっていた。諦められる奴なら、ここまで夢中になっていない。
それでもその、いつ終わってもおかしくない日々が、たまらなく幸せだった。これ以上の幸せはないんじゃないかと、思うくらいに幸せだった。
『……暗殺に、失敗したようだ。全ての罪をかぶって、俺の為に死んでくれるか。ヴィー』
けれどもその言葉をエドワードが口にした瞬間は、もっと幸福だった。
そう言ったエドワードは、闇魔法を行使していなかったから。
『いいぜ、エド。その代わり、最後に一発ヤらせろよ。できれば正面から』
体の負担は心配であるが、最後くらいはエドワードの顔を見ながらヤリたい。もう十年以上、後ろからしかシてねぇしな。
そう答えた瞬間、エドワードの蒼玉の目から涙が溢れた。
『……なんで、あっさり承諾するんだよ……』
多分そういう耳障りの良い言葉の方が、エドワードには効くだろうから、敢えてそう言ってやった。
案の定、エドワードから漂う罪悪感の匂いが濃くなる。
『……馬鹿じゃねぇの。俺に利用されてるとわかってて、よくそんなことを言えるな』
エドワードの難儀な所は、壊れてなお、以前の倫理観や良識は変わらず持ち続けている所だ。
一番に定めた優先順位は絶対で、その一番の為ならどれほど非道なことだってやってのける覚悟はできているし、実際実行するのに、完全に割り切ることはできずに罪悪感で苦しむ。
最後はその罪悪感すら復讐の燃料にするにしても、損な性格だと思う。俺がエドワードなら、何も気にしねぇでガキのことも俺のことも利用して、骨の髄までしゃぶり尽くすのに。
でも、だからこそ、俺はそこにつけ込むことができる。
『だから、利用されてやってるんだって。お前の為なら何だってしてやるって言ってんだから信じろよ』
『……なら、俺の為に死ねるのかよ』
『っ』
あまりにも予想外過ぎる返しに、思わず言葉に詰まった。
『できねぇだろ。だったら何だってしてやるなんて……』
『何、当たり前のこと言ってんだよ。死ねるに決まってんだろ』
何故できないと思ったのか。その方が不思議だ。
狼獣人が、番の為に命を投げ出すことなんて、珍しい話でもないのに。
そもそもエドワードが先に死んだら、当然後を追うつもりだった。エドワードがいない、以前のつまらねぇ日々に戻ることなんて、耐えられない。
しばしば番を亡くした狼獣人が、番の魔力を求めて自分のガキを襲ったりもするが、どんだけ狂ったとしても、俺があのガキをエドワードの息子ってだけで代替にできるとも思えねぇしな。
だから順番こそ前後しても、エドワードの為に死ぬだなんて、俺にとってはただの予定調和に過ぎないのに。
『それがお前の望みなら、いつか、お前の為に死んでやるよ。エドワード。だから、俺を信じてくれ』
『な……』
『お前は俺の番で……俺はお前の共犯者だ。お前が望むなら、世界だって滅ぼしてやるよ』
エドワードの罪悪感の匂いが、ますます強くなった。
そして、それに混ざる憐れみと……ほんの微かな愛にも似た依存の匂い。
『……馬鹿じゃねぇの……』
それきりエドワードは黙り込んでしまったが、抱きついた背中から伝わる気配で、声に出さずに泣いているのがわかった。
ーーアストルディアはもちろん、アストルディアとのガキよりも憎まれることができないのなら、俺はエドワードに愛されたい。
二人がどれだけ望んでも手に入らない、特別が欲しい。
その為なら、俺は命だって捧げてみせる。
それからは少しずつではあるが、確実にエドワードは俺に依存していくのがわかった。
閨で無理やり言わせていた「ヴィー」と言う愛称を日常的に使うようになったし、時たまわずかに笑顔を見せる日すら出てきた。
エドワードの依存が大きくなればなるほど、ますます愛おしさは増していく。
どれほど俺に向ける好意が育っても、エドワードが復讐を諦めることはないのはわかっていた。諦められる奴なら、ここまで夢中になっていない。
それでもその、いつ終わってもおかしくない日々が、たまらなく幸せだった。これ以上の幸せはないんじゃないかと、思うくらいに幸せだった。
『……暗殺に、失敗したようだ。全ての罪をかぶって、俺の為に死んでくれるか。ヴィー』
けれどもその言葉をエドワードが口にした瞬間は、もっと幸福だった。
そう言ったエドワードは、闇魔法を行使していなかったから。
『いいぜ、エド。その代わり、最後に一発ヤらせろよ。できれば正面から』
体の負担は心配であるが、最後くらいはエドワードの顔を見ながらヤリたい。もう十年以上、後ろからしかシてねぇしな。
そう答えた瞬間、エドワードの蒼玉の目から涙が溢れた。
『……なんで、あっさり承諾するんだよ……』
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