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連載2
対決9
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「兄様を馬鹿にしないで……!」
怒りのままに睨みつけると、ユーリアが忌々しそうに舌打ちをした。
「……その目。本当変わらないわね。あなた。いつ見ても不愉快だわ」
「私があなたと会うのは、今日が初めてのはずですが?」
「今さらとぼけないでよ、アシュリナ。……いいえ、セーラと言った方が良いのかしらね。今回の器は、ずいぶんと最初のあんたと似ていること。凡庸な顔立ちも、貧相な体つきもそっくり。華はなくても、まだ前代のアシュリナの方が美しかったのに、よりによってどうしてそんな器にしたのか理解に苦しむわ。そんなに昔の姿が、懐かしかった?」
ユーリアの口から出た知らない名前に、思わず眉間にしわが寄った。
「セーラ……?」
「ああ、そうだったわね。前代聖女の記憶は、最初から所持してないか、私に殺された直近の記憶しかないのだったわ。全く面倒なこと」
ため息を吐きながら、ユーリアは髪をかきあげる。
「セーラ・ヴェルア……ルシトリアの民が初代聖女と呼んでいる女の名前よ。長い歳月のうちに、その名自体は忘れられてしまっているようだけど。ざまぁないわ」
「初代聖女……」
同じ魂を持つアシュリナの名前が出されるのは、まだわかる。私自身はアシュリナと自分は別の人間だと認識しているけど、魂が同じ以上同一人物と思われても仕方ない。
けれど、ここでどうして初代聖女の名前が出されるのか。
「私は初代聖女なんかじゃ……」
「いつも同じことを言うわね。あなたは。魂が同じなのに、別人と思える思考回路が心底理解できないわ」
「魂が、同じ?」
どくん、と心臓が脈打ったのがわかった。冷たい汗がこめかみを伝う。
そんなはずはない。
予言者は使命を果たせなかった聖女は、記憶を引き継いで次の生でも聖女の役目を果たさなければいけないとは言っていたけど、同じ魂の持ち主が代々聖女に選ばれているなんて言っていなかった。
きちんと【災厄の魔女】を倒す使命さえ果たせば、次代聖女は神に選ばれた別の少女が踏襲するはずだ。
そう言っていた、はずなのに。
「私みたいに前代までの記憶を全て踏襲させた方が色々手っ取り早いはずなのに……全くルトーは何を考えているのかしらね。まあ、あなたが過去のことを覚えてない方が私としては好都合だけど」
「ユーリア、あなた……全ての代の【災厄の魔女】の記憶があるの?」
怒りのままに睨みつけると、ユーリアが忌々しそうに舌打ちをした。
「……その目。本当変わらないわね。あなた。いつ見ても不愉快だわ」
「私があなたと会うのは、今日が初めてのはずですが?」
「今さらとぼけないでよ、アシュリナ。……いいえ、セーラと言った方が良いのかしらね。今回の器は、ずいぶんと最初のあんたと似ていること。凡庸な顔立ちも、貧相な体つきもそっくり。華はなくても、まだ前代のアシュリナの方が美しかったのに、よりによってどうしてそんな器にしたのか理解に苦しむわ。そんなに昔の姿が、懐かしかった?」
ユーリアの口から出た知らない名前に、思わず眉間にしわが寄った。
「セーラ……?」
「ああ、そうだったわね。前代聖女の記憶は、最初から所持してないか、私に殺された直近の記憶しかないのだったわ。全く面倒なこと」
ため息を吐きながら、ユーリアは髪をかきあげる。
「セーラ・ヴェルア……ルシトリアの民が初代聖女と呼んでいる女の名前よ。長い歳月のうちに、その名自体は忘れられてしまっているようだけど。ざまぁないわ」
「初代聖女……」
同じ魂を持つアシュリナの名前が出されるのは、まだわかる。私自身はアシュリナと自分は別の人間だと認識しているけど、魂が同じ以上同一人物と思われても仕方ない。
けれど、ここでどうして初代聖女の名前が出されるのか。
「私は初代聖女なんかじゃ……」
「いつも同じことを言うわね。あなたは。魂が同じなのに、別人と思える思考回路が心底理解できないわ」
「魂が、同じ?」
どくん、と心臓が脈打ったのがわかった。冷たい汗がこめかみを伝う。
そんなはずはない。
予言者は使命を果たせなかった聖女は、記憶を引き継いで次の生でも聖女の役目を果たさなければいけないとは言っていたけど、同じ魂の持ち主が代々聖女に選ばれているなんて言っていなかった。
きちんと【災厄の魔女】を倒す使命さえ果たせば、次代聖女は神に選ばれた別の少女が踏襲するはずだ。
そう言っていた、はずなのに。
「私みたいに前代までの記憶を全て踏襲させた方が色々手っ取り早いはずなのに……全くルトーは何を考えているのかしらね。まあ、あなたが過去のことを覚えてない方が私としては好都合だけど」
「ユーリア、あなた……全ての代の【災厄の魔女】の記憶があるの?」
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