悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!

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プロローグ

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どうやら私は死んでしまったらしい。
しかし実感がない。

その原因が─

「パンパカパーン!!!おめでとうございます!貴女は超低確率の異世界転生の抽選に当選しました♪」

目の前に無駄にテンションの高い、背中に白い翼を持った女神様がいた。

「え、えーと?」

何がなんだかわからない状況で、目の前の人に聞いてみるのだった。

「そう!貴女は死んでしまいました!」

自称女神様は、演劇をしているかの様に、大袈裟な仕草で言ってきました。

「ああ、なんて事でしょう!神の不手際で死んでしまった……………訳ではありません」

ズコーーーー!!!!!
違うんかい!?

「貴女は、ただの偶然に交通事故で死んでしまいました。可哀想に………」
ホロリッ

いや、勝手に同情しないで下さいな!?

「と、言う訳で………定番の異世界転生に行って貰いますね♪」

ほわい?なぜ?

「なんで?」
「あら?嬉しくないですか?今時のJKが泣いて喜ぶシチュエーションじゃないですか?」

「あの、私は大学生なのでJKじゃないです」
「えっ?」

パラパラッと資料をめくり謝る女神だった。

「ごめんなさいね。JDでしたね。テヘペロ♪」
「なんかイメクラっぽく言うの止めてください!」

なんかウザイよ!?この女神………これもよく聞く駄女神なんじゃ………

「はいはい、それじゃもう一度言うわね。貴女は異世界転生の『神様くじ』に当選しました。おめでとう♪パチパチッ!」

口でパチパチッてなんだかなー?

「くじ引きに当たったのですか?」
「そうよ。運がいいわね~。日本の人口1億分の1の確率に当たったのよ~」

「普通はなんか、良いことしたからとか、勇者の資質があるから選ばれて転生するんじゃ………」

女神はバカにしたように笑った。

「あはははっ!なにそれ♪アニメや、小説の読みすぎよ。現に、貴女は交通事故で亡くなったのよ?誰かを救ったとかじゃないのよ」
「うぐっ!」

女神はまた資料をペラペラとめくった。

「えっと、あったあった。女子大生で美術大学に進学。あら珍しい。絵が専攻でも、トリックアートを専門に勉強していたと………?あら凄いじゃない。コンクールで優勝実績もあり………そして、初恋や初めての自慰は─」

「わーわーわーーーー!!!!!プライバシーの侵害です!?お願い!止めてください!」

女神は悪魔の微笑みで言った。

「では、異世界転生は了承でいいわね?」
「くっ、悪魔め!わかりました!行けばいいんでしょ!?」

どうやら私に拒否権はないみたいだ。

「そうそう、それでいいのよ♪貴女の行く異世界は、これまた定番のスマホで大人気の『乙女ゲーム』の世界に転生よ♪」

女神様にゲームタイトルを教えもらったけど…………知らないんですけど!?

「ええっ!?知らないの!ってことは、ゲームもやってないの!?」
「まぁ、スマホで小説は読むけどゲームはしないから…………」

「貴女、本当に今どきのJDなの?」

逆にこっちも聞きたいわ!貴女は本当に女神なんですか!

「まぁ、ゲームは知らないですけど問題ないですよね?」
「知ってたら、ストーリーがわかるから上手く立ち回れるメリットがあったんだけどね~」

私は気になったことを聞いた。

「それで、異世界転生して何か使命とかありますか?」
「いいえ、特にないわね~神様くじに当選したから、異世界を楽しんでねってことよ」

ふむふむ………まぁ、事故で死んだのはツライけど、異世界転生は正直興味があるしラッキーかな?

「それでよく聞くチートはどんなのが貰えるんですか?」

ニッコリ
「ないわよ♪」

んんっ?聞き間違いかな?

「ないとは?」
「だって、くじ引きに当たっただけですもの。特別な力なんてあげられないわ。言うならば、異世界転生の旅行券が当たったと思ってね?」

!?

「そんなぁ~」
「でも大丈夫よ♪ちゃんと、高いポテンシャルを持つ人物に転生させるから。しかも公爵令嬢っていう準王族の権力を持っているお金持ちお嬢様よ♪」

おおっ♪それは素晴らしいね!平民や貧乏人よりはいい…………うん?

乙女ゲームで公爵令嬢?
何か引っ掛かる。

あっ!?
ある事に気付いてジトーと女神を見た。

「…………女神さん、まさかとは思いますが、乙女ゲームの公爵令嬢って、【悪役令嬢】じゃないですよね?」

ビクッ!
女神は急に冷や汗をダラダラと流しだした。

「うん、まぁ、そんな所ね!」
「何がそんな所ね!ですか!下手したらギロチン行きじゃないですか!?」

アセアセッ
「だ、大丈夫よ。よっぽど下手しない限り死刑にはならないから……………多分」

多分って言ったよ!?

「な、何よ!異世界転生の『悪役令嬢キャラ』の【神様くじ】に当たったんだから良いじゃない!どれだけリセマラしても、なかなか当たらないのよ?魔法も使えるし、5歳の時に受ける洗礼の儀式で【運が良ければ】チートスキルが貰えるチャンスもあるのよ!ランダムだけどね!?」

この駄女神、逆ギレしやがった!?

「って言うか、異世界転生を了承してくれないと私が困るのよ!さっさと行きなさい!」

命令形になった!?

「ってか、さっき行くって言ったわよね?さっさと送るわよ~大丈夫!何とかなるから………多分!」
「えっ、ちょっ!まっ──」

私の身体が光に包まれて消えて行った。
誰も居なくなった空間で─

「はぁ~これで良いんですよね?」
『ええ、いいわ。面倒を掛けたわね』

さっきの駄女神以外に声が響いた。

「これで私のミスを許してくれますか!?」
「あら?何を言っているのかしら?私の大切な【愛し子】を不幸にしておいて、これだけで許すとでも?」

!?

「そ、そんなぁ~!?」
『貴女にはこのままあの子の異世界に行って貰います。しっかりとフォローして下さいね♪自分で言った事には責任取らないと………ね?』

駄女神の身体も光りだした。

「ちょっ、まっ──」

駄女神の叫びがこだまして消えていった。

『…………シオン、せめて異世界では幸せになってね』

声だけの者はそう言うと、何もない空間には静寂が支配して何も聞こえなくなるのだった。



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