婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

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旅路

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馬車を飛ばしていると、前からも飛ばして向かってきている馬車が見えた。

「ちょっと危ないな」

大きな街道で、馬車が2台通れる幅があったが、スピードを落して少し道の外側を走る様にした。
ちなみに、シオン寝ていたのでレイが運転している。

すると、向かいの馬車が道を塞ぐように止まった。

「みんな!警戒して!」

馬車の中にいた仲間達はすぐに外にでた。

「敵かしら?」
「明らかに僕達のことを知っていて馬車を止めたね」

武器を構えて身構えると、向こうの馬車からも人が降りてきた。

「びっくりさせてすみません!覚えておられますか?商人のアーロンです!」
「あっ、この前のおじさん!」

シオン達はようやく武器を降ろしてアーロンさんの話を聞いた。

「王都の店舗から緊急の連絡が届きまして、船に乗る前に慌てて戻る所でしたが、シオンさん達に会えて良かったです」
「どうして私達だと?」

ツンツンとレイは脱力した感じでシオンに指差した。

「騎獣を見ればすぐわかるだろう?」
「あ、グーちゃんか!あはははっ、そだね!」

間の抜けたシオンを置いてレイが尋ねた。

「それで僕達に何か用でしょうか?」
「はい、店にドラゴンの牙を置いていったと言うのは本当でしょうか?」

ああ~アレか~
そりゃぁびっくりするよねー!

「ええ、本当です。とある場所でドラゴンを倒す機会がありまして、10本以上ある牙の1つなので気にしないでください。僕達もアーロンさんのメダルに凄く助けられましたから、お互い様ですから」

「し、しかし、それではとても釣り合いが取れません!」

善良な商人さんだなぁ~

「いいえ、他国で何のコネも無かった私達がアーロンさんに会えた事が金貨千枚の価値がありました。もし気になさるのでしたら、私達が困った事があったら、出来る範囲で手助けして頂ければ幸いです」

「そんな事で宜しいのですか?」
「王都で貴方の評判を聞きました。これは貴方の今までの行いの成果だと思って下さい」

シオンの言葉にアーロンは笑った。

「ふ、ふはははは!まさか、私より年下の女の子に言われるとは。人生とは何が起きるか分からないものですな」

「あっ、そうだ。王都って子供達のグループのスリが多いみたいですね。もし良かったら余ったお金で貧困対策をして貰えると良いかな?」

「おお、なるほど!」

「王都のスリの多くは指を折ってしばらくスリが出来ないようにしておいたから、大人しいうちに何か仕事を与えるようにしておけば、スリをする者は減るかも知れないよ」

多くのスリの指を折った!?

「まったく、私の想像を超える少年少女達じゃな」
「僕達は急ぐのでそろそろ失礼しますね」

挨拶もそこそこにシオン達は先を急ぐのだった。
シオン達を見送ったアーロンは鋭い目つきで見送った。

「Aランク冒険者………すでにSランクレベルと言うことかのぅ?急ぎシオン君の事を調べて、国の動きも再度調べておかねばならないのぅ」

アレほどの猛者が国の動きを調べているのだ。
近いうち、大きな戦争が起きるだろう。
今のうちに食料品の備蓄などで動いて置かないと、大変な事になる。
アーロンも馬車に乗ると王都への道を急ぐのだった。












港町に着いたシオン達はすぐに交易都市に向かい船の確認をした。

「ラッキーだったね。明日の朝、すぐに出発する船があって」
「海竜様のせいで船が止まっていたからね。順番に出港しているようだよ」

宿の手配をしてから、夕方まで自由行動になった。

「前も市場を見たけど、軒並み安くなってない?」
「海竜様のせいで船が出港できず、荷物が腐ってしまうような物は、ここで消費しないといけなかったので、商品が安くなっているようだよ」

なるほどね。
港町ではこういう事もあるのか。

仲間達は買物を満喫してから宿に戻るのだった。
そして次日のなり、シオン達はエリザの故郷であり、父親が治める交易都市スランにようやく向かうのであった。

そして、約2週間ほどの期間をネクロス王国で過ごしていた間に、事態はひっ迫した状態になっている事をまだ知らなかった。



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