婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

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ライラ王女の旗頭という言葉にシオンは首を傾げたが、エリザはそのままニッコリと微笑んで回答した。

「今回の旗頭はライラ王女──」

ライラ王女の表情が少し変わったが・・・・

「と、ジーク王子と我が父グランフォード公爵の連合軍ですわ」

!?

「・・・意地が悪いわね。3人の代表がいるってことでしょう?」
「仕方がありません。王族の方が2人いますし、発起人は我が父ですから、メンツも考えてこれが妥当かと」

『確かに妥協点ではあるわね。後は戦功を立てれば発言権が高まるわ』

ライラは軽くため息をついて答えた。

「わかったわ。その案に乗ってあげる」
「ありがとうございます」

エリザは頭を下げるとライラは立ち上がった。

「こちらはすでに準備ができています。すぐに王都の周辺に陣を形成して皆様がやってくるのを待ちましょう」
「は、早いですわね」
「オオラン帝国の件でこちらも準備しておりました。向こうの王子が反旗を翻すのもわかっていましたから」

!?

「それならどうして?」
「逆に人質にしようとしたのです。それをお兄様が皆殺しにしてしまい、全てが水の泡になりましたが」

こ、この兄妹は・・・

「ライラ王女殿下はどのような国を目指しているのですか?」

エリザは単純に思った質問をした。

「さぁ?それを答える段階ではないわね」

それだけいうとライラ王女は出て行った。

「ねぇ、エリザ、ライラ王女はどうして急いで出発したの?」
「先に陣を作っていれば、味方に恩が売れますし、作戦会議でも発言権が強くなりますから」
「な、なるほど。色々考えているんだね。大人数の戦争は大変だ」

シオンの言葉にエリザはクスリッと笑った。

「そうですわね。兵站に兵のテント、物資の輸送ルートなど大変ですわ。でも、今回は短期決戦になりますから、それが救いですわね」
「王太子側にはすでにまとまった数の兵士が少ないんだよね?」
「ええ、あのソウルアーマーの精鋭部隊と直属の近衛騎士団が数百と言ったところでしょう」

シオンとエルザはあっさりと目的を達成したことで、仲間達と共に屋敷を後にした。
仲間と合流するとカミーユさんの屋敷は使えないので宿屋で一泊することにした。

宿に着くと接触してくる人物がいた。

「失礼致します。シオン様にエリザ様でしょうか?」

服装は平民っぽい格好だったが、立ち振る舞いから武芸の心得があるとわかった。

「誰?」

少し身構えるがその人物はすぐに頭を下げた。

「失礼しました。私は辺境騎士団所属の者です」

胸から身分を証明する短剣を見せた。

「・・・部屋に移動しましょう」

そのまま部屋に同行するとその人物は片膝をついて敬礼した。

「辺境騎士団所属のロイと申します。先のオオラン帝国の撃退、ありがとうございました」
「あれは、良くも悪くも、王太子殿下の軍も活躍しました。そこまでお礼を言われる言われはありません」

エリザが諭すように言うとロイは続けた。

「では本題から申し上げます。我々、辺境騎士団も王都に向けて出発の準備はできております。ぜひ作戦に参加させて頂きたくこの街に潜伏しておりました」

!?

「まだ手紙は届けていないはずですが・・」
「辺境は遠い為に、我々の様な密偵を各地に飛ばしております。情報が命ですので」

なるほど。
それなら辺境まで行かなくてもいいってことね。

「わかりました。ジーク王子に届ける手紙をお渡し致します。ライラ王女はすでに出発して陣を作るとのこと。辺境騎士団もすぐに動いて頂けますか?」

「かしこまりました。すぐに連絡をして行動を開始致します!」

ロイは深く頭を下げると部屋を出ていった。

「いよいよ大詰めかな?」
「そうですわね。でもまだ王位争いは終わっておりません。王太子殿下を止めた後は、ライラ王女とジーク王子の王権争いが始まりますわ」

「はぁ、複雑だね。そんなに欲しいものかな?」
「人それぞれだよ。師匠の話だと、ライラ王女とネクロス王国の魔術師は国を滅茶苦茶にしようとしているらしいから止めないとね」

「遺跡から発掘したアーティファクトである古代兵器には十分注意しましょう」

ソウルアーマーさえかなりやばい物だったしね。
こうしてシオン達はゆっくりと休んで疲れを癒すのだった。


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