婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

naturalsoft

文字の大きさ
90 / 97

暴露と真実

しおりを挟む
ソウルアーマーとの激戦の中、急に戦局が動いた。
戦っていたソウルアーマーたちが急に苦しみ出し、次々に倒れていったのだ。

「な、何が起きているの!」

1番取り乱したのはライラ王女だった。
この現象を説明しようとグランフォード公爵がジーク王子を連れてやってきた。

「失礼する。これで戦局が変わる。一度話をしにきた」
「これはどういうことですの?」

公爵はソウルアーマーの構造を説明した。

「・・・なるほど。生身の本体の場所を探して、本人を倒していったと?」
「前回の防衛戦でもそれで倒せましたのでね」

ライラは表情には出さなかったが歯ぎしりをした。
これで戦功がグランフォード公爵に奪われたからだ。

「王城の突入は各部隊の精鋭を混成して突入しようと提案しにきた」
「・・・どういう事です?」
「各部隊の混成部隊なら後から揉めることは少ないのでは判断した」

なるほど。
お兄様を捕まえるのが誰なのか言い訳もできるという訳ね。
ライラは素早く計算するとその案を承諾した。

しかし連合軍が部隊を編成している時にそれは起きた。

『あーあー、聞こえているか?見えているだろうか?』

王城の上空に現代でいう所の大きな立体映像が現れた。

『私はこの国の王太子だったアベル・アヴァロンだ。みなに今こそ真実を伝える。その真実を聞きた上で私の首を取るがいい』

ざわざわ
ざわざわ

王太子の幻の映像に連合軍は取り乱した。
それでもアベル王太子は話し続ける。

『まず、国王である父と現王妃であった母は死んだ。父は毒で、母は私が処刑した』

騒ぎはより大きくなった。

『まず勘違いしないで欲しいのは国王に毒を盛っていたのは母である王妃であった。精力剤と偽り、中毒性のある魔法薬を飲ませ続けて、父の正常な意識を奪い毒殺した。だから私は罪人として王妃を処刑した』

連合軍も殆どの兵士が立体映像に釘付けになっていた。

『さて、ここからがもっと重要なことがある。ここ最近の私の愚行に、多くの民や命令を聞いていた騎士団の不満が出ており、今回の内乱になったのは弁解の余地もない。ただどうしても見付けなければならない遺跡があったのだ。謝罪はこの後しよう。どうか最後まで聞いて欲しい』

アベル王太子は一区切り間をおいてから話した。

『私が見付けたかった遺跡はアヴァロン王家の者しか入れない秘密の遺跡があると、王太子教育の時に聞いていたのだが、父はすでに話せる状態ではなく、いや、話せるが正気を保っていなく、手探りで探すしか無かったのだ。そして、その遺跡は王家の血を台座に捧げないと入口が開かないのだ』

ここまでは何を言っているんだ?と多くの者が首を傾げた。
しかしライラとジークは思い当たることがあるのか真っ青になった。

「まずいは!早くお兄様を止めないと!?」
「ライラ王女殿下、無理です。間に合いません」

王太子は王城のどこかにいるだろうが今から向かっても会話を止めることができない。

『結論から言おう。私、アベル、ジーク、ライラは国王の血を引いていない』

!?

爆弾発言だった。

『我々は1年に一度、身体検査を行なっている。毒など盛られていないか確認するためだ。その時、血液検査のため血も少し抜くのだが、その保管してあった血液を使い遺跡に入ろうとしたが扉は開かなかった。故に、王妃を拷問したら吐いたよ。父と似た容姿の騎士の1人と関係を結んで子を成したと。父は薬で正常な判断ができなくなっていたので、目の色が金色でなくとも気にしなかったらしい。王妃の白状した音声も魔道具で録音して保存してある』

アベルは王妃の声らしきものを再生して、今いったことが事実だと促した。喋っている王妃は涙目で死にたくないと必死で喋っていたことが真実味を見せた。

『私は薄々と王家の血が入っていないのではと思い、秘密裏に証明できる方法を探していたのだ。父が死んだことで王家の血は絶えた。いや、我々の王子や王女みたいに、まったく王家の血が入っていない者より、薄くとも王家の血筋が入っているグランフォード公爵家が、統治するのが正当であろう』


ライラは震えていた。
そうライラも知っていたのだ。自分が国王の血を引いてない事を。だからこの国をメチャクチャにしてやろうと思ったのだが、その要因の一つが暴露された。これでは誰も自分に付いてきてくれない。認めてくれない!

完全にやられた!?
真っ青になって震えた。
ジークはまったくの予想外のことに呆然としていた。

『──私からの話は以上だ。現時点を持って王家の血を引いていない私は王太子を降りることになる。国を混乱させた罪で私を殺したいのなら王城に攻め込むかが良い。私は逃げも隠れもしない。ただし、抵抗はさせてもらう。まだやるべきことがあるのでな』

アベル王太子、いや元王太子の映像は消えた。
ざわざわと連合軍は大騒ぎになった。

「はぁ、まさかお兄様が暴露するとはね」

ライラの呟きにジークは驚いた顔をした。

「ライラは気づいていたのか?」
「ええ、女には女の情報網がありますので」

ジークは頭を抱えた。

「よくそれで王位を求めたな」
「そもそも。この国が建国されて100年も経っていないわ。元は代表の貴族が王位についただけじゃない。少なくとも貴族の血さえ引いていれば誰でも王様になれる権利はあるわよ」

吹っ切れたライラの言葉に唖然とした。

「でも、この時に暴露されたのはやられたわ。連合軍が崩壊するわよ」

ライラの言葉が現実になるのは数刻後であった。









しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます

なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。 過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。 魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。 そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。 これはシナリオなのかバグなのか? その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。 【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】

SSSランク冒険者から始めるS級異世界生活

佐竹アキノリ
ファンタジー
若くして剣技を極め、SSSランク冒険者となったリベルは、魔物を滅ぼした後の日常を持て余していた。その力はあまりに強大すぎて活躍の場はない上、彼を政治的に利用しようと各国は陰謀を企て始める。 この世界に居場所はない。新天地を求めて伝説の地を訪れたリベルは、そこで異世界への切符を手にする。 向かう先はSランクを超越した者だけが行くことを許される究極のS級世界だ。そこでSSSランクは始まりに過ぎない。10Sランク、100Sランクと高みはどこまでも続いていく。 活躍の場を得たリベルは、最強の冒険者を目指して成り上がっていく。

過労死コンサル、貧乏貴族に転生す~現代農業知識と魔法で荒地を開拓していたら、いつの間にか世界を救う食糧大国になっていました~

黒崎隼人
ファンタジー
農業コンサルタントとして過労死した杉本健一は、異世界の貧乏貴族ローレンツ家の当主として目覚めた。 待っていたのは、荒れた土地、飢える領民、そして莫大な借金! チートスキルも戦闘能力もない彼に残された武器は、前世で培った「農業知識」だけだった。 「貴族が土を耕すだと?」と笑われても構わない! 輪作、堆肥、品種改良! 現代知識と異世界の魔法を組み合わせた独自農法で、俺は自らクワを握る「耕作貴族」となる! 元Sランク冒険者のクールなメイドや、義理堅い元騎士を仲間に迎え、荒れ果てた領地を最強の農業大国へと変えていく、異色の領地経営ファンタジー!

ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…

ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。 一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。 そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。 読んでいただけると嬉しいです。

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

転生先は小説の‥…。

kei
ファンタジー
「レティエル!レティエル公爵令嬢よ。お前との婚約は今日をもって破棄だ!」 そう声を張り上げたのは婚約者のクリスフォード王子。この国の第一王子である。会場である広間に響き渡る王子の声にはどこか侮蔑と嘲りが混じっていた。レティエル・ザックバイヤーグラヤス公爵。この国の筆頭公爵家の令嬢だ。 「はい! 喜んでお受けいたします!」 前世の記憶を頼りに破滅を回避。断罪イベントも無事に乗り越えた。やれやれと安堵する間もなく陰謀めいた動きにすっかり巻き込まれて――― 他サイトに掲載中。

転生した子供部屋悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!

木風
恋愛
婚約者に裏切られ、成金伯爵令嬢の仕掛けに嵌められた私は、あっけなく「悪役令嬢」として婚約を破棄された。 胸に広がるのは、悔しさと戸惑いと、まるで物語の中に迷い込んだような不思議な感覚。 けれど、この身に宿るのは、かつて過労に倒れた29歳の女医の記憶。 勉強も社交も面倒で、ただ静かに部屋に籠もっていたかったのに…… 『神に愛された強運チート』という名の不思議な加護が、私を思いもよらぬ未来へと連れ出していく。 子供部屋の安らぎを夢見たはずが、待っていたのは次期国王……王太子殿下のまなざし。 逃れられない運命と、抗いようのない溺愛に、私の物語は静かに色を変えていく。 時に笑い、時に泣き、時に振り回されながらも、私は今日を生きている。 これは、婚約破棄から始まる、転生令嬢のちぐはぐで胸の騒がしい物語。 ※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」にて同時掲載しております。 表紙イラストは、Wednesday (Xアカウント:@wednesday1029)さんに描いていただきました。 ※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。 ©︎子供部屋悪役令嬢 / 木風 Wednesday

処理中です...