婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

naturalsoft

文字の大きさ
96 / 97

後始末

しおりを挟む
シオン達が全力で遺跡の外にでたが、タマゴの爆発が思った以上に大きく、外で手当てしていた仲間と一緒に城の一階まで登るハメになった。

「あ~地下の遺跡が完全に埋まってしまったね」
「貴重な遺跡が1つ無くなったな」

命が助かったばかりなのに呑気な会話だった。
仲間の騎士の1人が外の様子を見にいき戻ってきた。

「報告します!外のアンデットは突然に動きを止めて全て動かなくなりました。今は1箇所に集めて焼却しています!」

「よかったけど、外のアンデットってフレイヤさんじゃないんだよね?」
「確かにずっとソウル・ガレージの調整をしていたんだよな?」

と、なると?

「あ、心当たりのあるヤツが1人いたよ!」
「あのエルフの国で暗躍していたモリガンって魔族だな」

シオン達がまた警戒をし始めたが───

「そっちは終わったのかい?」

軽装の鎧を着た青年が話しかけてきた。

「どちら様ですか?」

エリザとエリーゼが首を傾げるが………

「パパ!?」
「師匠!?」

レイにとってはシオンの両親はどちらも師匠なのだ。

「シオンさんのお父様!?」
「若い!?」
「カッコいい!?」

女性陣からウケが良かった。

「初めまして。シオンの父で、ルースと言います。シオン、外でアンデットを操っていた魔族は『撃退』したよ」
「撃退ってパパでも仕留められなかったの?」

「うん、なかなか手強くてね。シオン、よく頑張った。偉いぞ!」

パパはシオンの頭を優しく撫でた。

「えへへっ♪久しぶりの撫で撫で♪」
「後は偉い人達の仕事だからね。そろそろ家に戻ろうか」

えっ?
これで終わりなの?

「でも、パパ!この戦争で沢山の人が傷付いたり建物が壊れたりしたの。国の復興に協力したいと思うんだけど……ダメかな?」

「シオン、立派になったね。わかったよ。もうしばらくは王都で復興の手伝いをしなさい」

ポーカーフェイスだったが、心の中では、私の娘が可愛い過ぎる!?と絶賛していた。



とある場所にて───

「私のダーリンに色目を使うメス猫達め。塵も残さず消滅させてやろうかしら」

シオンの母が千里眼の魔法で見ていた。

「おお怖いのぅ。女の嫉妬は醜いぞぃ?」
「モリガン、『また』死にたいの?」

モリガンの首には魔力で作られた首輪がしてあった。

「そう睨まんで欲しいのぅ。しかし、妾の【本当の契約】様には逆らおうとは思わんよ」

モリガンはフレイヤに召喚された訳ではない。すでにこの世界に召喚されており、フレイヤの召喚に応じた様に現れただけなのだ。

「確かに貴女にはある程度自由にさせたけど、まさかエルフの国を滅ぼそうとするなんてね。やり過ぎよ」

「それは違うぞぃ!妾は愛する者を殺された女王の側近に力を与えただけで、疫病は偶然じゃ!」

まぁ、確かにね。
改革には流血を伴う。
すでに正当な血筋の後継者のいないこの国に新しい風を呼び込むには、王族から秘密を打ち明ける必要があった。あの後継のクソ王妃は死んでもいいが、その子供達には罪はない。

それに秘密裏にオオラン帝国の皇帝からの親書から、力を付け過ぎた貴族達の一掃計画。
レイを預かっている手前、邪険にもできず、昔、別件で王城に忍び込んだ時に、助けたネクロス王国のハーフエルフの件も解決できるいい案が閃いたのはその時だった。

モリガンは大量の人間の魂を必要としており、セシリアはそれを一定の時間内に用意すると言う事を対価にモリガンと契約したのだ。

『まさか、万単位の人間の魂を手に入れて、最上級の魔族【進化】を果たしたのにまるで勝てぬとは』

モリガンは大量の魂を取込み、魔王種へと進化した。魔界に戻れば次の魔王候補として一目置かれる存在となっているだろうが、シオンの父と母にまるで手も足も出なかった。

モリガンもまさか多くて百人ぐらいの魂を用意できると思ったが、暗躍して戦争を起こし、万近い人間の魂を用意するとは思っても見なかった。

「でも、まぁ、王宮にいたゴミ貴族達もある程度消す事が出来たし、よしとしましょうか」

セシリアのその笑みにモリガンは心底恐怖を覚えた。

「契約者殿であれば皆殺しにできたであろうに、どうしてこんな手間を掛けて暗躍したのじゃ?」

「バカね。当時、アレだけ流血沙汰が横行しているとき、敵対している貴族が全員死んだら私がヤッたと思われるでしょう。そしたら私のイメージが壊れて血塗れ女王って呼ばれるじゃない!」

「そ、それほどまでにイメージを大事にするのかぇ?」
(汗)

理解できない感覚ではあったが、実力は魔王以上である。逆らおうと思わなかった。


「さて、これでダーリンと娘に綺麗になったこの国をプレゼントできるわね♪」

「はっ?」

モリガンは素で声が出るのであった。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます

なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。 過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。 魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。 そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。 これはシナリオなのかバグなのか? その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。 【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】

SSSランク冒険者から始めるS級異世界生活

佐竹アキノリ
ファンタジー
若くして剣技を極め、SSSランク冒険者となったリベルは、魔物を滅ぼした後の日常を持て余していた。その力はあまりに強大すぎて活躍の場はない上、彼を政治的に利用しようと各国は陰謀を企て始める。 この世界に居場所はない。新天地を求めて伝説の地を訪れたリベルは、そこで異世界への切符を手にする。 向かう先はSランクを超越した者だけが行くことを許される究極のS級世界だ。そこでSSSランクは始まりに過ぎない。10Sランク、100Sランクと高みはどこまでも続いていく。 活躍の場を得たリベルは、最強の冒険者を目指して成り上がっていく。

過労死コンサル、貧乏貴族に転生す~現代農業知識と魔法で荒地を開拓していたら、いつの間にか世界を救う食糧大国になっていました~

黒崎隼人
ファンタジー
農業コンサルタントとして過労死した杉本健一は、異世界の貧乏貴族ローレンツ家の当主として目覚めた。 待っていたのは、荒れた土地、飢える領民、そして莫大な借金! チートスキルも戦闘能力もない彼に残された武器は、前世で培った「農業知識」だけだった。 「貴族が土を耕すだと?」と笑われても構わない! 輪作、堆肥、品種改良! 現代知識と異世界の魔法を組み合わせた独自農法で、俺は自らクワを握る「耕作貴族」となる! 元Sランク冒険者のクールなメイドや、義理堅い元騎士を仲間に迎え、荒れ果てた領地を最強の農業大国へと変えていく、異色の領地経営ファンタジー!

ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…

ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。 一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。 そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。 読んでいただけると嬉しいです。

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

転生先は小説の‥…。

kei
ファンタジー
「レティエル!レティエル公爵令嬢よ。お前との婚約は今日をもって破棄だ!」 そう声を張り上げたのは婚約者のクリスフォード王子。この国の第一王子である。会場である広間に響き渡る王子の声にはどこか侮蔑と嘲りが混じっていた。レティエル・ザックバイヤーグラヤス公爵。この国の筆頭公爵家の令嬢だ。 「はい! 喜んでお受けいたします!」 前世の記憶を頼りに破滅を回避。断罪イベントも無事に乗り越えた。やれやれと安堵する間もなく陰謀めいた動きにすっかり巻き込まれて――― 他サイトに掲載中。

転生した子供部屋悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!

木風
恋愛
婚約者に裏切られ、成金伯爵令嬢の仕掛けに嵌められた私は、あっけなく「悪役令嬢」として婚約を破棄された。 胸に広がるのは、悔しさと戸惑いと、まるで物語の中に迷い込んだような不思議な感覚。 けれど、この身に宿るのは、かつて過労に倒れた29歳の女医の記憶。 勉強も社交も面倒で、ただ静かに部屋に籠もっていたかったのに…… 『神に愛された強運チート』という名の不思議な加護が、私を思いもよらぬ未来へと連れ出していく。 子供部屋の安らぎを夢見たはずが、待っていたのは次期国王……王太子殿下のまなざし。 逃れられない運命と、抗いようのない溺愛に、私の物語は静かに色を変えていく。 時に笑い、時に泣き、時に振り回されながらも、私は今日を生きている。 これは、婚約破棄から始まる、転生令嬢のちぐはぐで胸の騒がしい物語。 ※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」にて同時掲載しております。 表紙イラストは、Wednesday (Xアカウント:@wednesday1029)さんに描いていただきました。 ※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。 ©︎子供部屋悪役令嬢 / 木風 Wednesday

処理中です...