婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

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緊急事態!☆

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エリザが頭を抱えていると、シオンが馬車の中へ案内した。

「早く入って。私達の街に帰るよ~」
「あ、その前に少し待って」

レイは死んだ人物達の服を漁った。

「何をしているのですか!?」
「帰る前に死体を放置すると、危ない魔物を呼び寄せるから焼却処分するんだけど、その前にエリザを殺そうとした証拠でもないかと調べています。もし見つかれば今後の反撃の決定打になるかもしれませんから」

!?

「なるほど!流石はレイ!頭良いね。手伝うよ」

シオンも調べるのを手伝った。

『平民は死体を触る事に抵抗がないのですか?それとも私の知っている現実と世界の認識が違うのでしょうか?』


エリザは自問自答しながらシオン達を待った。
するとシオンが何を見つけた。

「それっぽいのあったよ~」

血で汚れていたが王印の押された指示書が見つかった。レイはサッと目を通して頷いた。

「間違いない。王太子殿下がエリザを殺そうとした指示書だ」

レイはエリザに渡した。

「それほどまでに私が邪魔だったというのですね……」

ワナワナと震えながらそう呟いた。

「シオン、そろそろ魔法で焼却処分を───」

ドーーーーン!!!!






シオンではなくエリザが死体を魔法で焼却した。

「そっちがその気ならこちらも容赦致しませんわ!」

ゴゴゴゴッッとエリザが吹っ切れたかのように燃えていた(物理的に)

「アチチッ、どうどう!これからどうするの?」
「取り合えずシオンの街についたら、その街の貴族に協力を求めますわ!助けて頂いたお礼もしませんとね」

「それは止めた方がいいよ」

レイが否定的に言った。
ギロッ
「どうしてですの?」
「うちの街の貴族が王太子派閥だったらどうする?そのまま捕まって、今度こそ殺されるよ。それなら君は死んだことになっているはずだから、逆に言えば自由に動けるってことだ。取り合えず父親の領地に帰って家族に生存の確認と、反撃に備えての対策を公爵様にお願いするのがいいんじゃないかな?」

「た、確かにその通りですわね。レイさんって本当に平民ですの?王宮内の情報や今後の立ち回りなど知りすぎではありませんこと?」

「それは秘密ってことで。さぁ、馬車に乗って帰るよ」
「わ、わかりましたわ。お願いしますわね」

こうしてシオン達はエリザを馬車に乗せ、皮職人の街レザーへ戻るのだった。

「そう言えば、このグリフォンはどうやって手懐けたのですか?」

馬車の中でレイに尋ねた。

「数年前にこの辺りを騒がせていたネームドの魔物で、僕たちが討伐に向かったんだ。そしたらシオンが1人でグリフォンに立ち向かって、最終的に倒したんだよ。ただ殺す前にグリフォンが恭順の意を示してきたら、シオンがペットとして移動用の獣騎として飼うことになったんだ」

「シオンさんて頭は足りてなさそうだけど凄いんですわね~」
「いやーそれほどでも♪」

外で操縦しているシオンが照れくさそうに言ってきた。

「いやいや、褒めてないから………」

レイは軽いため息をついた。

しばらく馬車に揺られながら移動していると、運転していたシオンが叫んだ。

「レイ!街の様子がおかしい!黒い煙が上がっているよ!?」

!?

「何だって!?」

馬車の窓から頭を出してレイも街の方を見た。

「まさか盗賊にでも襲われたのか!?」
「でも街にも衛兵が数十人はいるよ?そんな簡単に襲われるとは思わないけど………」

シオンは馬車の速度を早めた。
街に着くと街の大門は開いており、シオンは馬車で素早く入ると街の城壁横に停めた。

「話を聞いてくる!レイはエリザの護衛を」
「わかった。気をつけて」

シオンは目に付いた街の人に話を聞いた。

「大丈夫でしょうか?」
「少し我慢してね。エリザを狙った賊の可能性も捨てきれないから」

ゴクリと喉を鳴らすエリザにシオンはすぐに戻ってきた。

「2人とも降りても大丈夫。もうここを襲った『騎士団』はいないってさ」
「騎士団だって!?」

街の人の話を聞くと、急に王都の近衛騎士団がやってきて、王太子殿下の命令で特別徴収を行うと言って、街の物資を強奪していったそうなの。

「なっ───」

流石のレイも言葉が出なかった。
国を、街を守る騎士団が強奪していったことに。

「何でも王印のある命令書を掲げて叫んでいたらしいよ」
「本当にどうなっているんだ。これではまるで民に反乱を起こさせる気があるみたいだぞ?」

レイは、あっと思い立って走っていった。

「あ、ちょっと!エリザ、付いてきて。後を追うよ!」
「わかりましたわ!」

レイの後を追うと、そこは街外れの共同倉庫だった。年に一回国に収める税の品々を保管している倉庫だった。

「まさか………」

倉庫の前には大勢の街の人々が膝を付いていた。
そこにレイとシオンに気づいた街の上役の人物が声をかけた。

「おおっ、戻ったか2人とも。話は聞いたか?」
「ええ先ほど少し。それで倉庫内の品々は?」

上役は力無く首を振った。

「やられた。根こそぎ奪っていきやがった」
「次の税は……」

「いつも通り納めろとよ。ふざけるな!一年かけて蓄えるものを全部奪っていきやがって!どうしろって言うんだ!!!!!」

不幸中の幸いかわからないが、税を納めてまだ4ヶ月しか経っていない。倉庫の税として納める品々は半分も溜まっていなかった。

「あいつら、店や民家から売上のお金や加工前の皮素材まで奪っていきやがった。これからどうやって生計を立てていけばいいんだよ………」

素材がなければ皮製品は作れない。お金がなければ素材を用意することもできない。
そして税が納めれないと奴隷落ちして、奴隷として売られる。それがこのアヴァロン王国の法律だ。

流石のシオンも途方に暮れる人々を見て怒りが湧いていた。







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