婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

naturalsoft

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小さな来訪者☆

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助けを呼んでいた声を探しながら、他にもいないか蜘蛛の糸を切りながら探すと、予想外な人物を発見した。

「みんな~見つけたよ~」

手招きしてみんなを集めるシオンだが・・・

「なんか子供が捕まっていたのよ。危なかったね~」

仲間が覗いてみると───

「シオン、これは子供じゃないよ」

レイは頭を抑えて言った。

「はぁ、流石はシオンさんですわね」

エリザも達観した目で遠くを見据えた。
アイリスだけはシオンと同じ反応をしたのだがレイが訂正した。

「シオン、アイリス、この子は『妖精』だよ」

!?

「なるほど!通りで小さい訳だ」
「初めて見ましたね~」

蜘蛛の糸を解いて、ポーションを頭から掛けた。

「ブワッ!?何ごと!?」

気を失っていた妖精が目を覚ました。

「大丈夫?あなた、もう少しで大蜘蛛に食べられる所だったのよ?」

「うわっ!人間なの!!!」






妖精は飛び上がると。慌てて逃げて行った。

「ありゃ、逃げちゃった?」
「昔から妖精は人間達に捕まって見世物にされてきたからね。人間が怖いんだと思うよ」

シオン達は他にも囚われた人間や妖精がいないか確認してから森を後にした。
街に戻るとシオンは妖精のことは秘密にすることにした。

「そうだね。それがいいともうよ。噂が広まれば妖精を捕まえようと冒険者や密猟者が大挙してやってくるだろうからね」

他のメンバーも同意して各自、やりたい事をしながら過ごした。
その夜ーーーー

「むにゃむにゃ………すやすや…」

寝つきの良いシオンが爆睡していると、シオンの頬を叩く者がいた。

「お……て………」

「すやすや~~」

「おき……て」

「すやすや~ぐうぐう………」

「起きて!!!!」

どこからか入ってきた妖精がシオンを起こそうとしていた。

「はぁはぁ、どれだけ爆睡しているのよ!暗殺者がきたら殺されるなの!」

いやはや、まったくもってその通りである。
妖精はシオンに御礼を言いにきたのだが、昼間は他の人間に見つかると危ないので夜に尋ねてきたのだ。
そして、かれこれ1時間ほど格闘したのち、疲れ切ってシオンの隣で眠ってしまうのだった。










翌朝

「ふわぁ~~よく寝た」

起き上がると大きく伸びて目を覚ました。

「あれ?なにこれ?」

枕の横に大きな虫……こほん、妖精が眠っていた。

「昨日の妖精さん?」

シオンは妖精を揺さぶって起こした。

「お~い?起きてよ?」
「むにゅ、もう朝なの~?」

なにやらシオンと同じようなタイプっぽい。

「おはよう。それでどうして私の隣で寝てたの?」

!?

「うわっ!人間なの!」
「うわっ!妖精なの!」

………シオンのモノマネになんとも言えない沈黙が流れた。居た堪れなくなって慌てて尋ねた。

「こ、こほん。どうしてここで寝ているの?」
「えっと、昨日の夜に助けて貰った御礼を言いにきたんだけど、君が全然起きないから、疲れて寝ちゃったの」

「それはごめんなさい。これで御礼は受け取ったから、もう帰っていいわよ?」

シオンはじゃっと部屋を出ていこうとしたが──

「ま、待って!お願いがあるの!」

妖精はシオンにしがみ付いてきた。

「ええっ~私は、これから朝食なんだけど?」
「食べながらでいいからお願いを聞いて欲しいの!」

シオンは軽くため息を付くと、部屋で朝食を食べるからと言って下からご飯を運んできた。

「あっ、本当に昨日の妖精だ」

シオンは仲間と一緒に入ってきた。
妖精は一瞬ビクッとなったがシオンが仲間だからと紹介した。

「取り合えず、これ食べる?」

お椀に入ったシチューを妖精の前に置いた。

「あ、ありがとうなの」

少し警戒していたがシオンが美味しそうに食べているのを見て妖精も口にした。

「美味しいの!!!」

ガツガツッと食べ出した。
熱いから気をつけてね。シオンは水の入ったコップも置いてあげた。
他のメンバーはすでに朝食を食べ終わっており、遅く起きたシオンだけご飯を食べていた。

「ふぅ満足♪さて、食べ終わったけど、昨日の御礼以外に、何かお願いもあるんだっけ?」

シオンが尋ねると妖精は話し出した。

「私はシルフって名前なの。大蜘蛛を倒した人間にお願いがあるの」
「ちょっと待って、私達も自己紹介するね。人間じゃなくて名前で呼んでね」

それぞれの自己紹介が終わると本題を切り出した。

「実は、ここから北西の森の奥に、エルフと妖精が暮らしている国があるのだけど、そこで謎の疫病が流行ってエルフの薬が効かなくて多くのエルフが倒れているの。だから人間のお薬か必要物資を融通して欲しいの!」


この妖精はとんでもない爆弾を落としてきたのだった。















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