34 / 97
予期せぬ出来事
しおりを挟む
モリガンの問い掛けに答えた。
「確かに予想外だったようね。私達は疫病の原因を探ってここにきたのよ」
「疫病の原因じゃと?」
自分は何もしていないのだがと、首を傾げた。
「本当に偶然だったのよ。ここの小川はエルフの国に繋がっていたの。そこに300匹以上のゴブリンの汚物を流せば、病気にもなるでしょう?」
おおっ!とモリガンは手を叩いた。
「なんと!妾も知らぬ間に、そんなことをしておったとは。本当に人生とは面白いものよ」
シオンはジリジリと間合いを取った。
「さてと、理由もわかったことじゃし、そろそろ殺るとしようかのぅ?」
ブアッとモリガンから殺気が放たれた。
シオンは冷静に状況を把握した。
「あら?あなたが戦うの?」
「ふむ、そこのドラゴンにやらせても良いぞ?ようやく『合成』が終わった所じゃからな」
シオンはドラゴンと魔族と戦って、どちらの方が勝算があるのか計算していた。
「じゃがのぅ?」
モリガンは指をパチンッと鳴らすとドラゴンの下にあった魔法陣が消えた。
「これは!?」
ゴゴゴゴッッ!!!!
眠っていたドラゴンがゆっくりと起き上がった。
グオオオオオオオォォォォォォ!!!!!!!!!
ドラゴンの咆哮に洞窟が震えた。
バサッと翼を拡げるとドラゴンは天井の穴から飛んでいった。
「さぁ!追うがよい!!!疫病でボロボロのエルフの国を守って見せよ!」
モリガンも翼を拡げて天井の穴から飛んでいった。
「ふぅ、取り合えず生き残れたわね。流石に魔族とドラゴンの二体相手に勝てないわよ」
「そうだね、だけど急いで戻らないと!」
「そうね。移動しながら話しましょう」
シオンはエリーゼに尋ねた。
「ねぇ、エリーゼさん、貴方はどうしたい?」
「それは、急いで戻ってドラゴンの討伐をっーーー」
シオンは首を振った。
「違うわ。女王をどうしたいかよ」
!?
「このまま放っておけばドラゴンに殺されるでしょうね。それで悲劇の女王として名を残すか、魔族とドラゴンを撃退して、法の下で女王を断罪するのか、娘であるエリーゼが決めなさい」
小走りで移動しながらエリーゼは答えをすぐには出せなかった。
「まぁいいわ。これはエルフの国の問題だもの。ただ、疫病の治療や支援物資の援助は無料でしたけど、ドラゴン退治はお金を貰うからね?」
「え、ええ、それは勿論です。出来る限りのお礼をお約束いたします。今のエルフの国は疫病のせいで、満足に戦える者が少ないです。どうかお力をお貸しください」
一度足を止めて、深く頭を下げた。
「わかったわ。やるだけやってみましょう。それにこの洞窟よりは街中の方が勝算が高いしね」
「どうしてですか?」
「まぁ、他のエルフの支援もあるけど、私達ハンターは素材を得るために魔物と戦うの。罠を仕掛けて有利な場所で戦うのを生業にしているのよ。倒せそうでも怪我を負いそうな場合は、撤退して極力、戦わないようにしているのよ」
「なるほど・・・」
「だから罠を仕掛けやすい街中は戦いやすいわ」
「でも、魔族がどこまで手を出してくるかだね」
レイの言葉に珍しくアイリスが口を挟んだ。
「多分、あの魔族は見ているだけで手は出してこないと思うよ」
「やっぱり?私もそう思うわ」
どうしてと、レイとエリーゼは首を傾げた。
「不思議な顔をしているわね。あの魔族と召喚者の契約は成立済みになっているわ。だから積極的に干渉してくる意味がないの。契約成立後は魔族は自由に行動できるし余程、依頼主を気に入ったとかじゃないとね。でも見たところ、あの魔族は愉快犯っぽい感じがしたから、あいつの機嫌を損ねない限り、手を出してくる可能性は低いと見て良いわ。警戒は必要だけどね」
「その洞察力は素晴らしいですね。私も見習わないと」
そういったエリーゼは再度、今回の騒動について自分に問い正した。女王である母は、私が疫病に罹ると、すぐに城の外に捨てた。汚物まみれになりながらも、必死に耐えたのは、自らを危険にさらしても私を助けようとしてくれた忠臣のためだ。為政者として緊急時の時に一部の民を切り捨てなければならないのは仕方がない。だけど、今回の騒動の元凶が女王なら話は変わる。
街に着くまでにエリーゼの気持ちが固まった。
きちんと責任を取らせることで、全ての禍根を断つ!
途中でゴブリンの死体を焼却する魔法にも力が入っていた。
エルフの国には目眩しの結界の他に、魔物を防ぐ結界も張ってあった。しかし、疫病で倒れた者が続出して、周囲から魔力を吸収する量も減っていた。そもそも、多くの魔力が減れば気付かれてしまう。城に特殊な黒魔術の魔法陣を敷いて、城にいる者から微量な魔力を吸収していたのだ。
そして魔力の供給が少なくなったという事は、結界も弱まっているという事で・・・・
シオン達が到着する前に、ドラゴンは結界を破壊するのだった。
「確かに予想外だったようね。私達は疫病の原因を探ってここにきたのよ」
「疫病の原因じゃと?」
自分は何もしていないのだがと、首を傾げた。
「本当に偶然だったのよ。ここの小川はエルフの国に繋がっていたの。そこに300匹以上のゴブリンの汚物を流せば、病気にもなるでしょう?」
おおっ!とモリガンは手を叩いた。
「なんと!妾も知らぬ間に、そんなことをしておったとは。本当に人生とは面白いものよ」
シオンはジリジリと間合いを取った。
「さてと、理由もわかったことじゃし、そろそろ殺るとしようかのぅ?」
ブアッとモリガンから殺気が放たれた。
シオンは冷静に状況を把握した。
「あら?あなたが戦うの?」
「ふむ、そこのドラゴンにやらせても良いぞ?ようやく『合成』が終わった所じゃからな」
シオンはドラゴンと魔族と戦って、どちらの方が勝算があるのか計算していた。
「じゃがのぅ?」
モリガンは指をパチンッと鳴らすとドラゴンの下にあった魔法陣が消えた。
「これは!?」
ゴゴゴゴッッ!!!!
眠っていたドラゴンがゆっくりと起き上がった。
グオオオオオオオォォォォォォ!!!!!!!!!
ドラゴンの咆哮に洞窟が震えた。
バサッと翼を拡げるとドラゴンは天井の穴から飛んでいった。
「さぁ!追うがよい!!!疫病でボロボロのエルフの国を守って見せよ!」
モリガンも翼を拡げて天井の穴から飛んでいった。
「ふぅ、取り合えず生き残れたわね。流石に魔族とドラゴンの二体相手に勝てないわよ」
「そうだね、だけど急いで戻らないと!」
「そうね。移動しながら話しましょう」
シオンはエリーゼに尋ねた。
「ねぇ、エリーゼさん、貴方はどうしたい?」
「それは、急いで戻ってドラゴンの討伐をっーーー」
シオンは首を振った。
「違うわ。女王をどうしたいかよ」
!?
「このまま放っておけばドラゴンに殺されるでしょうね。それで悲劇の女王として名を残すか、魔族とドラゴンを撃退して、法の下で女王を断罪するのか、娘であるエリーゼが決めなさい」
小走りで移動しながらエリーゼは答えをすぐには出せなかった。
「まぁいいわ。これはエルフの国の問題だもの。ただ、疫病の治療や支援物資の援助は無料でしたけど、ドラゴン退治はお金を貰うからね?」
「え、ええ、それは勿論です。出来る限りのお礼をお約束いたします。今のエルフの国は疫病のせいで、満足に戦える者が少ないです。どうかお力をお貸しください」
一度足を止めて、深く頭を下げた。
「わかったわ。やるだけやってみましょう。それにこの洞窟よりは街中の方が勝算が高いしね」
「どうしてですか?」
「まぁ、他のエルフの支援もあるけど、私達ハンターは素材を得るために魔物と戦うの。罠を仕掛けて有利な場所で戦うのを生業にしているのよ。倒せそうでも怪我を負いそうな場合は、撤退して極力、戦わないようにしているのよ」
「なるほど・・・」
「だから罠を仕掛けやすい街中は戦いやすいわ」
「でも、魔族がどこまで手を出してくるかだね」
レイの言葉に珍しくアイリスが口を挟んだ。
「多分、あの魔族は見ているだけで手は出してこないと思うよ」
「やっぱり?私もそう思うわ」
どうしてと、レイとエリーゼは首を傾げた。
「不思議な顔をしているわね。あの魔族と召喚者の契約は成立済みになっているわ。だから積極的に干渉してくる意味がないの。契約成立後は魔族は自由に行動できるし余程、依頼主を気に入ったとかじゃないとね。でも見たところ、あの魔族は愉快犯っぽい感じがしたから、あいつの機嫌を損ねない限り、手を出してくる可能性は低いと見て良いわ。警戒は必要だけどね」
「その洞察力は素晴らしいですね。私も見習わないと」
そういったエリーゼは再度、今回の騒動について自分に問い正した。女王である母は、私が疫病に罹ると、すぐに城の外に捨てた。汚物まみれになりながらも、必死に耐えたのは、自らを危険にさらしても私を助けようとしてくれた忠臣のためだ。為政者として緊急時の時に一部の民を切り捨てなければならないのは仕方がない。だけど、今回の騒動の元凶が女王なら話は変わる。
街に着くまでにエリーゼの気持ちが固まった。
きちんと責任を取らせることで、全ての禍根を断つ!
途中でゴブリンの死体を焼却する魔法にも力が入っていた。
エルフの国には目眩しの結界の他に、魔物を防ぐ結界も張ってあった。しかし、疫病で倒れた者が続出して、周囲から魔力を吸収する量も減っていた。そもそも、多くの魔力が減れば気付かれてしまう。城に特殊な黒魔術の魔法陣を敷いて、城にいる者から微量な魔力を吸収していたのだ。
そして魔力の供給が少なくなったという事は、結界も弱まっているという事で・・・・
シオン達が到着する前に、ドラゴンは結界を破壊するのだった。
10
あなたにおすすめの小説
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
月神世一
ファンタジー
紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
SSSランク冒険者から始めるS級異世界生活
佐竹アキノリ
ファンタジー
若くして剣技を極め、SSSランク冒険者となったリベルは、魔物を滅ぼした後の日常を持て余していた。その力はあまりに強大すぎて活躍の場はない上、彼を政治的に利用しようと各国は陰謀を企て始める。
この世界に居場所はない。新天地を求めて伝説の地を訪れたリベルは、そこで異世界への切符を手にする。
向かう先はSランクを超越した者だけが行くことを許される究極のS級世界だ。そこでSSSランクは始まりに過ぎない。10Sランク、100Sランクと高みはどこまでも続いていく。
活躍の場を得たリベルは、最強の冒険者を目指して成り上がっていく。
過労死コンサル、貧乏貴族に転生す~現代農業知識と魔法で荒地を開拓していたら、いつの間にか世界を救う食糧大国になっていました~
黒崎隼人
ファンタジー
農業コンサルタントとして過労死した杉本健一は、異世界の貧乏貴族ローレンツ家の当主として目覚めた。
待っていたのは、荒れた土地、飢える領民、そして莫大な借金!
チートスキルも戦闘能力もない彼に残された武器は、前世で培った「農業知識」だけだった。
「貴族が土を耕すだと?」と笑われても構わない!
輪作、堆肥、品種改良! 現代知識と異世界の魔法を組み合わせた独自農法で、俺は自らクワを握る「耕作貴族」となる!
元Sランク冒険者のクールなメイドや、義理堅い元騎士を仲間に迎え、荒れ果てた領地を最強の農業大国へと変えていく、異色の領地経営ファンタジー!
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
転生先は小説の‥…。
kei
ファンタジー
「レティエル!レティエル公爵令嬢よ。お前との婚約は今日をもって破棄だ!」
そう声を張り上げたのは婚約者のクリスフォード王子。この国の第一王子である。会場である広間に響き渡る王子の声にはどこか侮蔑と嘲りが混じっていた。レティエル・ザックバイヤーグラヤス公爵。この国の筆頭公爵家の令嬢だ。
「はい! 喜んでお受けいたします!」
前世の記憶を頼りに破滅を回避。断罪イベントも無事に乗り越えた。やれやれと安堵する間もなく陰謀めいた動きにすっかり巻き込まれて―――
他サイトに掲載中。
転生した子供部屋悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!
木風
恋愛
婚約者に裏切られ、成金伯爵令嬢の仕掛けに嵌められた私は、あっけなく「悪役令嬢」として婚約を破棄された。
胸に広がるのは、悔しさと戸惑いと、まるで物語の中に迷い込んだような不思議な感覚。
けれど、この身に宿るのは、かつて過労に倒れた29歳の女医の記憶。
勉強も社交も面倒で、ただ静かに部屋に籠もっていたかったのに……
『神に愛された強運チート』という名の不思議な加護が、私を思いもよらぬ未来へと連れ出していく。
子供部屋の安らぎを夢見たはずが、待っていたのは次期国王……王太子殿下のまなざし。
逃れられない運命と、抗いようのない溺愛に、私の物語は静かに色を変えていく。
時に笑い、時に泣き、時に振り回されながらも、私は今日を生きている。
これは、婚約破棄から始まる、転生令嬢のちぐはぐで胸の騒がしい物語。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、Wednesday (Xアカウント:@wednesday1029)さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎子供部屋悪役令嬢 / 木風 Wednesday
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる