婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

naturalsoft

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シオン達は新たな仲間と共に東にある鉱山の街マイニに辿り着いた。

「えっと、何しに来たんだっけ?」

アイリスはニッコリ微笑むと、何処からか出した『ハリセン』でシオンの頭を叩いた。

パシンッ!
「あいたっ、何するのよ!」
「もう!大事な事を忘れちゃダメでしょう!」
「誰か教えて?」
「自分で思い出しなさい」

………みんなが冷たい。シクシクッ

えっと、シオン以外のキャラが説明しないので、ナレーションさんに説明をお願いした。

通称【ナレちゃん】

『では、ご説明致します!辺境の街スローにて、第二王子あるジーク殿下の手紙を渡す為にやってきました。ジーク殿下は王太子と王女殿下が他国の協力を得て国王に成ろうとしているのを危惧して、王国の大都市での【協力同盟】を考えていた。エリザの父親が治めるスランは色良い返事を貰ったが、鉱山の街のマイニから返事が無いために、第二王子の使者として手紙を持ってきたと言う訳です』

ここ、テストにでるから覚えてね♪

ナレちゃんありがとう!
シオンは心の中で拍手を贈った。

「思い出したよ~第二王子の使者として手紙を持ってきたんだったよね」
「はい、よくできました~」

アイリスはシオンの頭をナデナデしました。

「えへへっ、ありがとう♪」

そのやり取りを見ていたエリザは軽くため息を付いた。

「シオンさんは地頭は良いのにときどき子供っぽくなりますわね」

「エリザ、それは少し違う。いつも子供っぽくて、たまに大人になるんだよ」

レイはやれやれと言った感じだった。

「ウフフ、でも見てて飽きませんので楽しいですわね」

エリーゼは微笑ましい感じだった。
何やらシオンはマスコットキャラになった気分だった。

「とにかく、この街の領主様の所に行きますわよ!」

「「はーい!」」

シオンとアイリスと妖精シルフが返事をした。
エリザは引率の先生になった気分だったのは言うまでもないだろう。

シオンの馬車は目立つので門番に呼び止められた。

「そこの馬車!止まりなさい!」
「またこのパターン!?」

シオンはカクカクシカジカと説明しようとしたが、その前にエリザが手紙を渡した。

「えっ、それってここの領主様に渡す手紙じゃ……」
「いえ、これはジーク様から、今回の事を見通して身分を証明してくれる手紙ですわ」

第二王子め。なかなかやるなー!
流石に王族が身分を保証してくれているのであっさりと中に入れた。

「宿屋に馬車を置いたら取り敢えず解散して街を探索しようか?」
「そうだね。もう少しで夕方だし、明日の朝に領主の屋敷を訪ねるとしよう」

「エリーゼは私と一緒に周ろうか?人間の街で1人で彷徨くのは危ないしね」

「ありがとうございます」

シオンも初めての街にワクワクしていた。

コソッ
「これだけ大きな街だし、情報収集も頼むよ?」
「ええ、わかってるわ。アイリスは人見知りであてにならないしね~」

レイに言われてシオンは頷くが、アイリスは豊富な鉱山物の街で、優良な武具を目の前に目をキラキラさせていた。

「………取り敢えず、アイリスが変な物を買い漁らないよう見張っておくよ」
「うん、危ない物は買わせないようにお願いね」

2人は深いため息を付くのだった。

「エリザはどうする?」
「私もローブを被ってシオンさんに同行したしますわ」

「了解!それじゃ、探索に行こうか!」


鉱山の街マイニ、大きな岩山に作られた街で、街の中に鉱山の入口がある。さらに、海に面しているので、産業廃棄物の下水に困る事もなく、そのできた商品を隣国へ売る事で大きな利益を上げていた。無論、国内にも流通しているし、商売上シオンの生まれ育った街であるレザーとも交流のある街である。

「人通りが多いですね」
「船で他国からも旅人や商人が来ているからね」

シオンは商店街を歩きながら気付いてしまった。
気付きたくはなかったのだが───

「………この街ヤバいかも」

シオンの呟きにエリザも頷いた。

「シオンさんも気付きましたか。確かにヤバいですわね」

エリーゼだけ意味がわからず首を傾げた。

「どうしたんですか?」

シオンは耳元で囁くように言った。

「この街の物価が他の街より3倍以上高いの………」

エリーゼも為政者としての勉強をしていたのでその意味に気付いた。

「理由は何ですかね?」
「船で商品も輸出したり輸入したりできるから、品薄ではないよね?」

「そうですわね。店先には商品が多く並んでいました」

「物流の問題でないとしたら………余り考えたくないなぁ~」

シオンは最悪のシナリオを思ってゲンナリした。

「あら?シオンさんの考えを伺っても?」
「可能性があるとすれば、ここの領主が税金を他の街より多く設定して取っているかな?」

エリザは同意するよう頷くのだった。





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