婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

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魔族

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先に進んでいくと前回、レイが進んだ場所に辿り着いた。

「おかしい。あれからまったく襲撃がなかった」

シオンの不安は的中していた。レイが奥に扉のような物が見えたと言っていた場所だ。
近づくにつれて魔力がより濃くなっていった。騎士の中には魔力酔いになり気分が悪くなるものもいた。

「ようやく来たか生贄達よ。歓迎するぞ」

少し進むと、黒い大きな扉らしきものがあり、その前に大きな巨体の魔族が鎮座していた。羊の頭に手が四本あり蝙蝠の羽に魔族というより悪魔と呼ばれる風貌な魔族だった。

「・・・上位魔族だわ」

魔力の高さからそう判断して、シオンの額から汗が流れ落ちた。
どう対処しようか考えていると部隊長が号令をかけた。

「怯むな!巨体とはいえ一体だ!先ほど同じく物量戦で一気に畳み掛けろ!!!」

恐怖や不安を押し殺す様に騎士達は一斉に向かっていった。
魔族は素手ではあったが腕を組んでおり全く動かなかった。

「死ねーーー!!!!」

何人もの騎士が魔族に剣を突き刺した。
ガギンッ!!!

鈍い金属音が響いた。
騎士達の剣は魔族に全く刺さっていなかったのだ。

「ば、バカな!?」

鎧も着ていないのに剣が通らなかった。

「ハァ~この程度か。ならば我が眷族達で十分であるな。わざと眷属を倒させてここまで誘導したのにつまらんな」

魔族は腕を振ってまとわりついていた騎士達を振り払うと、魔族は片腕を下げて指を地面に刺した。
すると地面に赤色の魔法陣がいくつも現れ、そこから、先ほど倒したサキュバスっぽい魔族が10体召喚された。

「召喚した!?」

できた魔族は一斉に襲い掛かってきた。それからあっという間にこの場が地獄化した。先ほどは手加減されていたのか、騎士達がどんどん斬り裂かれていった。1番後方にいたシオン達は近衛騎士の部隊が邪魔ですぐに助けに行けなかったのだ。

シオン達が前に出たとき不良騎士達の半分が殺られていた。

「近衛騎士は助けを出さず様子か。あいつら不良騎士達をここで全滅させるつもりだったのか?」

レイも近衛騎士に思う所もあったが、今は目の前の敵だ。

10体の魔族をまずは倒さなければならない。

「こいつらは、使い魔ってヤツなのかしら?あの上級魔族を倒さないと無限にでてくるとか?」
「シオン、嫌なこと言わないでくれ!」

爪を伸ばして攻撃してくる魔族達を捌きながらレイは叫ぶ様に言った。

「あらあら。なんか余裕がありますね」

アイリスが2人を見ながら呟くと、いつものバズーカを放った。すると、そこからワイヤーで作られた網が放たれ、3体の魔族を拘束した。

「今よ!」
「了解!!!」

レイとシオンは網ごと魔族を斬り伏せた。

「後は7体!」

キンッ!キンッ!と、敵の攻撃を捌きながら確実に倒していき数を減らしていった。

「後、3体!」

残りを倒そうとした時、上級魔族は指を鳴らすと残りの魔族が消えた。

「えっ、なんで?」

シオンは魔族に視線をやると嫌な笑みを浮かべながら言った。

「なかなかやるではないか?我も戦いが好きでなぁ。我が眷族では相手にならんと見た。我が直々に相手をしてやろう」

「あら?門番が扉の前から動いて良いのかしら?」

シオンも挑発しながら相手の出方を伺った。

「ふっ、些末な事よ。貴様達では魔界の門を閉じる事はできまい?我の名前はガープ。我が名を冥土の土産に死ぬがいい!」

ガープは四本の手から炎を出すと一斉に放ってきた。

「ちょっと反則じゃない!?」

通常のファイヤーボールの数倍大きい炎が連続で放たれた。シオンは器用にヨッとヨッとコメディの様に避けていた。

「………シオンの避け方って相手をバカにしている様にしか見えないんだよね~」

アイリスがガープに同情するように呟いた。

「クソッ!我を舐めるのもいい加減にしろ!」

連続の火炎弾を止めて、大きな火炎球を頭上に作った。

「ハァハァ、別に巫山戯けている訳じゃないんだよ~こっちだって必死なんだから!」

シオンは命が掛かっているので、至って真面目に言った。

「これでどうだ!!!」

特大の火炎球がシオンに放たれた。

「チャンス!」

絶体絶命のピンチに見えるがシオンは余裕があった。それはシオンの持つ宝剣・翠玉刀(スイギョクトウ)は何でも斬り裂く。それは『魔法』も例外ではないのだ。

ガープの火炎球を切り裂くと、驚愕したガープに目掛けて突進して大ジャンプをして右側の腕2本を切り落とした。




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