104 / 117
学園編
準備期間
しおりを挟む
シオンは泣いていた。
とても泣いていた。
それはカイルが死んだ事でも、アリエルが結界の強化の為に姿を消した事でも…………なかった!
「わ~た~し~の~温~~~泉~~~~」
シクシク………
少し説明しよう。
あの会議の後、アリエルは神経を集中して、少し回復した神力を封印の強化に使った。
その結果、温泉がヌルくなってしまったのだ。
そもそもこの辺りの温泉は、守護精霊アリエルが地下水脈を引き上げ、フレイムの封印に使った事で、温められて温泉になったのである。
かつてアリエルがフレイムからダシを取っていると言っていたのは比喩ではなく本当の事であったのだ。フレイムの魔力など滲みでた温泉は、様々な効能が備わっているのも付加価値がでるのだった。
このままではイージス領の観光資源もダメになってしまうかも知れない!
───と、大好きな温泉がダメになった事でシオンは悲しんでいるのだった。
「こらっ!温泉よりもフレイムの対策が重要だ!それに、ヌルくなったとはいえ、湯を冷ます為の『湯もみ』などを止めれば十分に入れるから」
な、なんだと!?
キランッ!とシオンの目が輝いた!
「それは僥倖ですわ!逆に言えば温泉がまた熱くなってこれば封印が弱まったと言うことですわね」
地震以外にも封印の状態を知れるのはありがたいですわ。ペルセウスは頭を抱えた。
「どうしていつもはそこまで頭が廻るのに、温泉の事になるとポンコツになるんだ?」
深いため息をついてペルセウスはシオンを呼んだ。
「シオンの友達が来ているぞ。早く行ってあげなさい」
「えっ?誰だろう???」
シオンは言われた通りに応接室に向かった。
今のイージス領は危険な場所である。一部の民も隣の領地へ避難している状態で、やってくるのは兵士か、その兵士を目当てにやってくる商人くらいである。
扉を開けると抱き着いてくる者がいた。
「わっ!?」
「シオン様!大丈夫ですか?泣いておられると伺いましたが?」
抱き着いてきたのはサーシャだった。
「もう大丈夫よ。それよりみんなも来てくれたのね。ありがとう」
部屋には、イオンとスピカもいた。
「わ、私は別に来たくなかったもですが、ライバルである者が、窮地に立たされていると聞いて様子を見にきただけですわ!」
相変わらずのツンデレさんだなぁ~
シオンは生暖い目で見守るのでした。
「って、そうじゃなくて、イージス領は危険なの!フレイム以外にも、地震も起こるし、温泉はヌルくなるし大変なのよ!早く帰った方がいいわ!」
シオンの言葉にイオンは首を振った。
「シオン、だからこそですわ!大切な友人が困っているのですもの!助けに来るのは当然です!」
「私もです!アリエル様の為に!アリエル様の愛し子のシオンの為に!ついでに国の為に、微力ながら力になりますわ!」
サーシャさん、国がついでってブレないですね…………
シオンはスピカを見るとスピカは照れそうに横を向いた。シオンは温かい気持ちになり、また頭を下げるのだった。
とても泣いていた。
それはカイルが死んだ事でも、アリエルが結界の強化の為に姿を消した事でも…………なかった!
「わ~た~し~の~温~~~泉~~~~」
シクシク………
少し説明しよう。
あの会議の後、アリエルは神経を集中して、少し回復した神力を封印の強化に使った。
その結果、温泉がヌルくなってしまったのだ。
そもそもこの辺りの温泉は、守護精霊アリエルが地下水脈を引き上げ、フレイムの封印に使った事で、温められて温泉になったのである。
かつてアリエルがフレイムからダシを取っていると言っていたのは比喩ではなく本当の事であったのだ。フレイムの魔力など滲みでた温泉は、様々な効能が備わっているのも付加価値がでるのだった。
このままではイージス領の観光資源もダメになってしまうかも知れない!
───と、大好きな温泉がダメになった事でシオンは悲しんでいるのだった。
「こらっ!温泉よりもフレイムの対策が重要だ!それに、ヌルくなったとはいえ、湯を冷ます為の『湯もみ』などを止めれば十分に入れるから」
な、なんだと!?
キランッ!とシオンの目が輝いた!
「それは僥倖ですわ!逆に言えば温泉がまた熱くなってこれば封印が弱まったと言うことですわね」
地震以外にも封印の状態を知れるのはありがたいですわ。ペルセウスは頭を抱えた。
「どうしていつもはそこまで頭が廻るのに、温泉の事になるとポンコツになるんだ?」
深いため息をついてペルセウスはシオンを呼んだ。
「シオンの友達が来ているぞ。早く行ってあげなさい」
「えっ?誰だろう???」
シオンは言われた通りに応接室に向かった。
今のイージス領は危険な場所である。一部の民も隣の領地へ避難している状態で、やってくるのは兵士か、その兵士を目当てにやってくる商人くらいである。
扉を開けると抱き着いてくる者がいた。
「わっ!?」
「シオン様!大丈夫ですか?泣いておられると伺いましたが?」
抱き着いてきたのはサーシャだった。
「もう大丈夫よ。それよりみんなも来てくれたのね。ありがとう」
部屋には、イオンとスピカもいた。
「わ、私は別に来たくなかったもですが、ライバルである者が、窮地に立たされていると聞いて様子を見にきただけですわ!」
相変わらずのツンデレさんだなぁ~
シオンは生暖い目で見守るのでした。
「って、そうじゃなくて、イージス領は危険なの!フレイム以外にも、地震も起こるし、温泉はヌルくなるし大変なのよ!早く帰った方がいいわ!」
シオンの言葉にイオンは首を振った。
「シオン、だからこそですわ!大切な友人が困っているのですもの!助けに来るのは当然です!」
「私もです!アリエル様の為に!アリエル様の愛し子のシオンの為に!ついでに国の為に、微力ながら力になりますわ!」
サーシャさん、国がついでってブレないですね…………
シオンはスピカを見るとスピカは照れそうに横を向いた。シオンは温かい気持ちになり、また頭を下げるのだった。
14
あなたにおすすめの小説
【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!
白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、
《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。
しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、
義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった!
バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、
前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??
異世界転生:恋愛 ※魔法無し
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
公爵様のバッドエンドを回避したいだけだったのに、なぜか溺愛されています
六花心碧
恋愛
お気に入り小説の世界で名前すら出てこないモブキャラに転生してしまった!
『推しのバッドエンドを阻止したい』
そう思っただけなのに、悪女からは脅されるし、小説の展開はどんどん変わっていっちゃうし……。
推しキャラである公爵様の反逆を防いで、見事バッドエンドを回避できるのか……?!
ゆるくて、甘くて、ふわっとした溺愛ストーリーです➴⡱
◇2025.3 日間・週間1位いただきました!HOTランキングは最高3位いただきました!
皆様のおかげです、本当にありがとうございました(ˊᗜˋ*)
(外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。10~15話前後の短編五編+番外編のお話です。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非!
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。 ※R7.10/13お気に入り登録700を超えておりました(泣)多大なる感謝を込めて一話お届けいたします。 *らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.10/30に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。 ※R7.12/8お気に入り登録800超えです!ありがとうございます(泣)一話書いてみましたので、ぜひ!
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
編み物好き地味令嬢はお荷物として幼女化されましたが、えっ?これ魔法陣なんですか?
灯息めてら
恋愛
編み物しか芸がないと言われた地味令嬢ニニィアネは、家族から冷遇された挙句、幼女化されて魔族の公爵に売り飛ばされてしまう。
しかし、彼女の編み物が複雑な魔法陣だと発見した公爵によって、ニニィアネの生活は一変する。しかもなんだか……溺愛されてる!?
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる