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第1章 隠し事
目の当たりにする実の実力
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拓也たちの存在を思考から追い出し、実は向かってくる相手にだけ集中する。
剣を頭上に掲げて、静かに目を閉じる。
自分の中に満ちている力を手の先に集め、自分が望む現象を思い描く。
すると、自分の意志に従い、剣がその身を炎に包んだ。
実は狙いを定めると、勢いよく剣を振り下ろした。
剣から放たれた炎は巨大な龍のようにうねって電光石火の勢いで進み、群衆を飲み込んでいく。
多くの悲鳴が響き渡るが、それで終わるはずもなく、炎の中から攻撃を免れた人形たちが次々と姿を現す。
「ち…っ。相変わらず、数が多い。」
実は低く吐き捨てる。
今までの攻撃で相手の数はかなり減らしたが、いつもの調子ならまだこの倍の人数がいることだろう。
一人一人の実力は低いものの、数が多い分使う魔法が多くなり、結果として魔力の消費量が激しくなる。
息をついて汗を拭っていると、今までの攻撃をかいくぐってきた男が斬りかかってきた。
遅く見える剣を目で追いながら自分の剣をひらめかせると、金属のぶつかる音と共に剣が交わる。
そのまま先を読ませない俊敏な動きで男の剣を弾き飛ばし、斜めに切り返してやる。
男が断末魔をあげて倒れていくが、そこには目もくれずに次の相手へ。
「実……すげ……」
「ほんとに。」
完全に見物人となってしまっている拓也と尚希は、実の戦いを見て茫然としていた。
実の動きは流れる水のように隙がなく、攻撃は百発百中と言っても過言ではないくらいに正確だった。
(感心するのは後にして、今は隠れててよ…っ)
一方の実は、そんな二人の様子に苛立ちを覚えざるを得ない。
先ほどから、拓也たちの存在に気付いた何人かがそちらへ向かおうとしている。
今のところはそういった輩から優先的に倒せているが、正直に言うと、こうして拓也と尚希をかばいながら戦うのは少々骨が折れるのである。
しかも、怪我をしたら二人がうるさそうなので、自分の防御にも相当気を遣わなければならず、どうしても集中力が分散してしまう。
苛立った勢いの乱暴な振りで三人ほどをいっぺんに斬り捨て、素早く剣を逆手に持ち替えて地面へと突き刺す。
その瞬間、剣にバチリと火花が散り、自分を囲んでいた人形たちが痙攣した後に一斉に倒れた。
剣を引き抜いた実は、ハッとして顔を上げる。
「つっ!」
気配に気付きはしたものの攻撃を避けるには間に合わず、左肩で血が飛んだ。
「実っ!!」
拓也の焦ったような声に手を振って大丈夫だと示しながら、実は再度前方を見た。
自分に魔法を放ったらしき男に続いて、残り少ない人形たちがずらりと身構えている。
「こっからは魔法組? そっちの方が楽で助かる。」
実はにやりと笑うと、剣を空へと放り投げた。
投げられた剣は、それ自身が意志を持っているかのように、まっすぐと敵たちの方へ飛んでいく。
実は笑みを深めると、右手を掲げてパチリと指を鳴らした。
ちょうど敵たちの真上まで来ていた剣は、実が指を鳴らしたと同時に、剣から元の魔力の塊へと姿を変える。
ここまで来れば、あとはもう楽なものだ。
「じゃ、もう終わりにしようか。」
いっそ静かな実の声。
その声に反応してか、敵たちが次々に攻撃を放ってくる。
しかし、そのどれもが実の張った結界に弾かれ、実自身にまでは届かない。
攻撃の嵐を涼しい顔で受け止める実の顔に、冷ややかなものが浮かぶ。
―――パチッ
再び指を鳴らす音が、やけに大きく響く。
すると、それまで膨らんでいた力の塊が大きな音を立てて爆発した。
目が焼けるような光と激しい風が、辺り一帯を支配する。
光と風が消えた頃には、誰一人として立っている人形はいなかった。
剣を頭上に掲げて、静かに目を閉じる。
自分の中に満ちている力を手の先に集め、自分が望む現象を思い描く。
すると、自分の意志に従い、剣がその身を炎に包んだ。
実は狙いを定めると、勢いよく剣を振り下ろした。
剣から放たれた炎は巨大な龍のようにうねって電光石火の勢いで進み、群衆を飲み込んでいく。
多くの悲鳴が響き渡るが、それで終わるはずもなく、炎の中から攻撃を免れた人形たちが次々と姿を現す。
「ち…っ。相変わらず、数が多い。」
実は低く吐き捨てる。
今までの攻撃で相手の数はかなり減らしたが、いつもの調子ならまだこの倍の人数がいることだろう。
一人一人の実力は低いものの、数が多い分使う魔法が多くなり、結果として魔力の消費量が激しくなる。
息をついて汗を拭っていると、今までの攻撃をかいくぐってきた男が斬りかかってきた。
遅く見える剣を目で追いながら自分の剣をひらめかせると、金属のぶつかる音と共に剣が交わる。
そのまま先を読ませない俊敏な動きで男の剣を弾き飛ばし、斜めに切り返してやる。
男が断末魔をあげて倒れていくが、そこには目もくれずに次の相手へ。
「実……すげ……」
「ほんとに。」
完全に見物人となってしまっている拓也と尚希は、実の戦いを見て茫然としていた。
実の動きは流れる水のように隙がなく、攻撃は百発百中と言っても過言ではないくらいに正確だった。
(感心するのは後にして、今は隠れててよ…っ)
一方の実は、そんな二人の様子に苛立ちを覚えざるを得ない。
先ほどから、拓也たちの存在に気付いた何人かがそちらへ向かおうとしている。
今のところはそういった輩から優先的に倒せているが、正直に言うと、こうして拓也と尚希をかばいながら戦うのは少々骨が折れるのである。
しかも、怪我をしたら二人がうるさそうなので、自分の防御にも相当気を遣わなければならず、どうしても集中力が分散してしまう。
苛立った勢いの乱暴な振りで三人ほどをいっぺんに斬り捨て、素早く剣を逆手に持ち替えて地面へと突き刺す。
その瞬間、剣にバチリと火花が散り、自分を囲んでいた人形たちが痙攣した後に一斉に倒れた。
剣を引き抜いた実は、ハッとして顔を上げる。
「つっ!」
気配に気付きはしたものの攻撃を避けるには間に合わず、左肩で血が飛んだ。
「実っ!!」
拓也の焦ったような声に手を振って大丈夫だと示しながら、実は再度前方を見た。
自分に魔法を放ったらしき男に続いて、残り少ない人形たちがずらりと身構えている。
「こっからは魔法組? そっちの方が楽で助かる。」
実はにやりと笑うと、剣を空へと放り投げた。
投げられた剣は、それ自身が意志を持っているかのように、まっすぐと敵たちの方へ飛んでいく。
実は笑みを深めると、右手を掲げてパチリと指を鳴らした。
ちょうど敵たちの真上まで来ていた剣は、実が指を鳴らしたと同時に、剣から元の魔力の塊へと姿を変える。
ここまで来れば、あとはもう楽なものだ。
「じゃ、もう終わりにしようか。」
いっそ静かな実の声。
その声に反応してか、敵たちが次々に攻撃を放ってくる。
しかし、そのどれもが実の張った結界に弾かれ、実自身にまでは届かない。
攻撃の嵐を涼しい顔で受け止める実の顔に、冷ややかなものが浮かぶ。
―――パチッ
再び指を鳴らす音が、やけに大きく響く。
すると、それまで膨らんでいた力の塊が大きな音を立てて爆発した。
目が焼けるような光と激しい風が、辺り一帯を支配する。
光と風が消えた頃には、誰一人として立っている人形はいなかった。
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