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第3章 過去に刻まれた罪
やっぱり、俺のせいなの…?
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まるで、自分の呼びかけに応えるかのようなタイミングで響いた声。
それに、すがりつかずにいられるわけがなかった。
慌てて顔を上げて、声の出所を探す。
そんな自分に拓也たちが怪訝そうに眉を寄せるが、それに対応している場合じゃない。
雑念を全て追い払い、耳を澄ませた。
―――み……のる……
やっぱり聞こえる。
今にも消え入りそうなその声を、全神経を研ぎ澄まして拾う。
―――実…
(どこ? どこから聞こえるの?)
―――実……
(もっとはっきり! 聞こえない!)
―――みの、る……
(くそっ、一体どこから……)
―――実……―――助けて……
「―――っ!!」
次の瞬間、実はずっと眠っていたとは思えない俊敏な動きでベッドから飛び出した。
拓也たちが何かを叫んでいるけと、言葉の内容はさっぱり。
熱による体の重さも苦にならなかった。
実が一直線に向かう先には、ぴっちりと閉まったカーテンが。
カーテンの前まで駆け寄った実は、カーテンを引いて乱暴な手つきで窓を開けた。
―――目の前に、白いものがちらつく。
「………」
その場にいた誰もが、言葉をなくした。
柔らかい風が部屋の中に吹き込む。
それに乗って舞う、白い何か。
「………」
実は無言で手を差し出した。
その手の中に、白いものが落ちてくる。
(俺は、どうすればいいの…?)
手に乗った小さな花びらに、心の声で訊ねる。
一体、彼女は何を伝えたいのだろう。
自分に何をしてほしいのだろう。
(やっぱり………俺のせい、なの…?)
あの時、力があったはずなのに彼女を助けることができなかった。
だからこうして今、こんな生き地獄のような思いをしなければいけないのだろうか。
―――だとしたら、自分は彼女にどう償えばいい?
(もう、疲れた……)
がくりと、膝が砕けた。
疲労感と絶望が、骨の髄まで染み込んでいく。
現実から逃げたいとも、現実に向き合いたいとも思えない。
そんな気力、もう残ってない……
拒むことを忘れた脳裏には、桜理との思い出が鮮明に駆け巡るばかりで。
「お願いだから、答えを教えてよ……桜理。」
悲痛な声で懇願する実は、己の体を抱いて小さく震える。
そんな実を前に、傍観者となるしかない拓也は物憂げに瞼を伏せた。
限界まで追い込まれているはずなのに、実はこの期に及んでも助けを求めようとしない。
これは、あくまでも自分の問題だからと。
だから誰にも頼らないのだと。
眠らせる前にそう言ったように、自分だけで自分を支えようとしている。
それが、どうしようもなくやるせない。
「実…」
やるせなさに背中を押され、拓也はゆっくりと実に近付いた。
実の横に膝をつき、肩を支えるためにそっと手を伸ばす。
「触らないで。」
その気配を読み取ったのか、実が怯えたように肩を痙攣させて身をよじった。
「なんで?」
「いいから。」
有無を言わさない実の物言いに、拓也はむっとして眉を寄せる。
「お前はっ……またそうやって一人で抱え込む気か!?」
湧き上がってきた不快感から、拓也は乱暴に実の肩を掴んだ。
そのままこちらを向かせて、説教の一つくらいしてやろうと思ったのだが……
「―――っ!?」
実の肩に触れた瞬間、拓也は瞠目して動けなくなってしまった。
肩に触れた手を介して、膨大な量の何かが流れ込んでくる。
とっさに手を離したい衝動に駆られたが、それとは相反するように、手はピクリとも動かなかった。
脳内にひらめくのは、たくさんの映像。
それらは一瞬だったが、まるで刻印のように鮮明に脳内に焼きついて―――
あっという間に映像に飲み込まれて、視界がぐるりと回った。
それに、すがりつかずにいられるわけがなかった。
慌てて顔を上げて、声の出所を探す。
そんな自分に拓也たちが怪訝そうに眉を寄せるが、それに対応している場合じゃない。
雑念を全て追い払い、耳を澄ませた。
―――み……のる……
やっぱり聞こえる。
今にも消え入りそうなその声を、全神経を研ぎ澄まして拾う。
―――実…
(どこ? どこから聞こえるの?)
―――実……
(もっとはっきり! 聞こえない!)
―――みの、る……
(くそっ、一体どこから……)
―――実……―――助けて……
「―――っ!!」
次の瞬間、実はずっと眠っていたとは思えない俊敏な動きでベッドから飛び出した。
拓也たちが何かを叫んでいるけと、言葉の内容はさっぱり。
熱による体の重さも苦にならなかった。
実が一直線に向かう先には、ぴっちりと閉まったカーテンが。
カーテンの前まで駆け寄った実は、カーテンを引いて乱暴な手つきで窓を開けた。
―――目の前に、白いものがちらつく。
「………」
その場にいた誰もが、言葉をなくした。
柔らかい風が部屋の中に吹き込む。
それに乗って舞う、白い何か。
「………」
実は無言で手を差し出した。
その手の中に、白いものが落ちてくる。
(俺は、どうすればいいの…?)
手に乗った小さな花びらに、心の声で訊ねる。
一体、彼女は何を伝えたいのだろう。
自分に何をしてほしいのだろう。
(やっぱり………俺のせい、なの…?)
あの時、力があったはずなのに彼女を助けることができなかった。
だからこうして今、こんな生き地獄のような思いをしなければいけないのだろうか。
―――だとしたら、自分は彼女にどう償えばいい?
(もう、疲れた……)
がくりと、膝が砕けた。
疲労感と絶望が、骨の髄まで染み込んでいく。
現実から逃げたいとも、現実に向き合いたいとも思えない。
そんな気力、もう残ってない……
拒むことを忘れた脳裏には、桜理との思い出が鮮明に駆け巡るばかりで。
「お願いだから、答えを教えてよ……桜理。」
悲痛な声で懇願する実は、己の体を抱いて小さく震える。
そんな実を前に、傍観者となるしかない拓也は物憂げに瞼を伏せた。
限界まで追い込まれているはずなのに、実はこの期に及んでも助けを求めようとしない。
これは、あくまでも自分の問題だからと。
だから誰にも頼らないのだと。
眠らせる前にそう言ったように、自分だけで自分を支えようとしている。
それが、どうしようもなくやるせない。
「実…」
やるせなさに背中を押され、拓也はゆっくりと実に近付いた。
実の横に膝をつき、肩を支えるためにそっと手を伸ばす。
「触らないで。」
その気配を読み取ったのか、実が怯えたように肩を痙攣させて身をよじった。
「なんで?」
「いいから。」
有無を言わさない実の物言いに、拓也はむっとして眉を寄せる。
「お前はっ……またそうやって一人で抱え込む気か!?」
湧き上がってきた不快感から、拓也は乱暴に実の肩を掴んだ。
そのままこちらを向かせて、説教の一つくらいしてやろうと思ったのだが……
「―――っ!?」
実の肩に触れた瞬間、拓也は瞠目して動けなくなってしまった。
肩に触れた手を介して、膨大な量の何かが流れ込んでくる。
とっさに手を離したい衝動に駆られたが、それとは相反するように、手はピクリとも動かなかった。
脳内にひらめくのは、たくさんの映像。
それらは一瞬だったが、まるで刻印のように鮮明に脳内に焼きついて―――
あっという間に映像に飲み込まれて、視界がぐるりと回った。
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