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第7章 本当の気持ち
あなたが愛しい
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本当は、最初から気付いていた。
私に、実を殺すことなんかできないって。
忘れられて悲しかった。
私を忘れて幸せに浸っていることが許せなかった。
憎かった。
恨んだ。
それも、本当の気持ちだったの。
でも、時間と共に人は成長していく。
私はある日、ふと考えた。
―――もし、私が実の立場だったなら?
実が危険な目に遭って、それを助けられなかったとしたら、私はどう思うのだろう?
答えは、簡単に出た。
その答えに行き着いた瞬間、実は私を忘れてよかったのかもしれないって、そう思った。
―――嫌だ!
その答えを否定したのは、他でもない私だった。
忘れてほしくなかった。
たとえ忘れた方が幸せだったとしても、私は忘れてほしくなかった。
納得したくなかった。
聞き分けよく、実を許したくなかった。
だから、気付かないことにした。
出た答えに見ないふりをして、厳重に蓋をした。
実に仕返ししてやるという気持ち以外、実に関しては何も考えないようにした。
だって、私だけが潔く退くなんて不公平でしょう?
実は、逃げたっていうのに。
でも……実に会った瞬間、わがままのような意地はあっけなく崩れてしまった。
だって、純粋に嬉しかったんだもの。
実に会えたことが、実が私に会いにここまで来てくれたことが、どうしようもなく嬉しかった。
実の胸の中に飛び込んだ時、憎さも恨めしさも吹き飛ばすくらいの幸せが私を満たした。
結局、心には嘘をつけなかった。
―――もういい。
実を殺すなんてできっこない。
許してしまおう。
だから、私を助ける方法を必死に模索している実を諦めさせようと、私なりに頑張った。
今の実は私が知る実ではないんだから、私が〝もういい〟って言えば、あっさり納得するわ。
でも……実ったら、昔と全然変わらないんだもの。
あなたが拓也さんや尚希さんに壁を作ってるって分かった時、私が心のどこかで安心してたなんて、あなたは気付いてなかったでしょうね。
上手く笑えなくて拗ねちゃったあなたを見た時、私がどれだけ心を搔き乱されたか知ってる?
今の実は、私が知っている実じゃないはずなのに……昔の実が、そのまま目の前にいるみたいだった。
実は今も変わらずに、心の底から私のことを大事に思ってくれていた。
それが、私にはつらかった。
何も変わらない実と、変わりすぎた私。
こんなにもひたむきな実に、私はこんなにも醜い感情を抱き続けてきたなんて……
日々募っていたつらさは、実が私を説得しようとしてきたことで爆発してしまった。
なんで、私なんかのためにここまで必死になれるの?
私はもう、昔のように純粋じゃないの。
こんなに醜く変わってしまったのよ!?
つらい。
つらい…っ
―――もう、私になんか構わないで!!
何も言わずにいようと思ったのに、我慢できずに全て吐き出してしまった。
私がどんな思いでここまで過ごしてきたのか。
実にどんな感情を抱いてきたのか。
実の傷ついた表情を見て、私も傷ついた。
違う。
違うの。
私が言いたいのは、こんなことじゃない。
あなたを傷つけたいわけじゃないの。
心ではそう叫んでも、口からは汚れた言葉が吐き出されるばかり。
絶望が込み上げた。
こう言えば、実はきっと私に失望する。
今度こそ私を助ける気など失くして、私の前を去っていくかもしれない。
そうなるのもよかった。
そうなれば、実は私に囚われずに幸せに生きていけるんだから。
実のためにも、私の死が彼の鎖になってはいけない。
そう分かってた。
だけど……せめて、実の記憶の中だけでは綺麗なままでいたかったのに……
欲望にまみれた自分に失望した。
こんな私、死んでしまえばいいって。
本気でそう思った。
それなのに、実はこんな私でも助けるって言ったの。
言うだけならまだしも、本当に行動に移すなんて信じていなかった。
―――どうして、あなたはそんなことができるの?
つらくてつらくて、心が限界だった。
自分が死にそうにもかかわらず、私に笑いかけた実が音のない声で〝大丈夫だから〟って伝えてきた時、私は意地もプライドも嘘もかなぐり捨てて実の元へ走っていた。
実が死にかけて、ようやく分かったの。
今まで全く気付いていなかった、心の奥に眠る本当の気持ちに。
私にこんな気持ちがあったなんて、思ってもいなかった。
私が幼い頃から実に抱いていた感情は、友達に対するそれとは全く違うものだったのだと、ようやく理解した。
実が好き。
実が大事。
誰よりも、何よりも、あなたが愛しいの―――
私に、実を殺すことなんかできないって。
忘れられて悲しかった。
私を忘れて幸せに浸っていることが許せなかった。
憎かった。
恨んだ。
それも、本当の気持ちだったの。
でも、時間と共に人は成長していく。
私はある日、ふと考えた。
―――もし、私が実の立場だったなら?
実が危険な目に遭って、それを助けられなかったとしたら、私はどう思うのだろう?
答えは、簡単に出た。
その答えに行き着いた瞬間、実は私を忘れてよかったのかもしれないって、そう思った。
―――嫌だ!
その答えを否定したのは、他でもない私だった。
忘れてほしくなかった。
たとえ忘れた方が幸せだったとしても、私は忘れてほしくなかった。
納得したくなかった。
聞き分けよく、実を許したくなかった。
だから、気付かないことにした。
出た答えに見ないふりをして、厳重に蓋をした。
実に仕返ししてやるという気持ち以外、実に関しては何も考えないようにした。
だって、私だけが潔く退くなんて不公平でしょう?
実は、逃げたっていうのに。
でも……実に会った瞬間、わがままのような意地はあっけなく崩れてしまった。
だって、純粋に嬉しかったんだもの。
実に会えたことが、実が私に会いにここまで来てくれたことが、どうしようもなく嬉しかった。
実の胸の中に飛び込んだ時、憎さも恨めしさも吹き飛ばすくらいの幸せが私を満たした。
結局、心には嘘をつけなかった。
―――もういい。
実を殺すなんてできっこない。
許してしまおう。
だから、私を助ける方法を必死に模索している実を諦めさせようと、私なりに頑張った。
今の実は私が知る実ではないんだから、私が〝もういい〟って言えば、あっさり納得するわ。
でも……実ったら、昔と全然変わらないんだもの。
あなたが拓也さんや尚希さんに壁を作ってるって分かった時、私が心のどこかで安心してたなんて、あなたは気付いてなかったでしょうね。
上手く笑えなくて拗ねちゃったあなたを見た時、私がどれだけ心を搔き乱されたか知ってる?
今の実は、私が知っている実じゃないはずなのに……昔の実が、そのまま目の前にいるみたいだった。
実は今も変わらずに、心の底から私のことを大事に思ってくれていた。
それが、私にはつらかった。
何も変わらない実と、変わりすぎた私。
こんなにもひたむきな実に、私はこんなにも醜い感情を抱き続けてきたなんて……
日々募っていたつらさは、実が私を説得しようとしてきたことで爆発してしまった。
なんで、私なんかのためにここまで必死になれるの?
私はもう、昔のように純粋じゃないの。
こんなに醜く変わってしまったのよ!?
つらい。
つらい…っ
―――もう、私になんか構わないで!!
何も言わずにいようと思ったのに、我慢できずに全て吐き出してしまった。
私がどんな思いでここまで過ごしてきたのか。
実にどんな感情を抱いてきたのか。
実の傷ついた表情を見て、私も傷ついた。
違う。
違うの。
私が言いたいのは、こんなことじゃない。
あなたを傷つけたいわけじゃないの。
心ではそう叫んでも、口からは汚れた言葉が吐き出されるばかり。
絶望が込み上げた。
こう言えば、実はきっと私に失望する。
今度こそ私を助ける気など失くして、私の前を去っていくかもしれない。
そうなるのもよかった。
そうなれば、実は私に囚われずに幸せに生きていけるんだから。
実のためにも、私の死が彼の鎖になってはいけない。
そう分かってた。
だけど……せめて、実の記憶の中だけでは綺麗なままでいたかったのに……
欲望にまみれた自分に失望した。
こんな私、死んでしまえばいいって。
本気でそう思った。
それなのに、実はこんな私でも助けるって言ったの。
言うだけならまだしも、本当に行動に移すなんて信じていなかった。
―――どうして、あなたはそんなことができるの?
つらくてつらくて、心が限界だった。
自分が死にそうにもかかわらず、私に笑いかけた実が音のない声で〝大丈夫だから〟って伝えてきた時、私は意地もプライドも嘘もかなぐり捨てて実の元へ走っていた。
実が死にかけて、ようやく分かったの。
今まで全く気付いていなかった、心の奥に眠る本当の気持ちに。
私にこんな気持ちがあったなんて、思ってもいなかった。
私が幼い頃から実に抱いていた感情は、友達に対するそれとは全く違うものだったのだと、ようやく理解した。
実が好き。
実が大事。
誰よりも、何よりも、あなたが愛しいの―――
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