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第5章 思惑
暴発する魔力
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今日の密会は、あの銃のお披露目だけで終わった。
ワイリーは詳しい銃のメカニズムを説明しなかったが、実演を見た者にとっては、あの桁違いの破壊力を知っただけでも十分だったようだ。
あの銃がどんな代物なのかを完全に理解してるのは、ワイリー以外では唯一銃を握った尚希だけだろう。
会合が終わると、ワイリーは早々に部屋を去った。
ワイリーを捕まえ損ねた男性たちは狙いを尚希に定め、逃がさないと言わんばかりに尚希を取り囲んだ。
銃のことに関しては差し障りのないように、魔力を媒介にするシステムが加わっているようだと言うにとどめておいた。
それ以上はさすがに分からないと言えば、彼らはあっさりと納得して去っていった。
そうして時間は流れ、彼らも各々部屋に戻り、尚希たちは最後に地下室を出た。
行きと同じように案内の男性の後ろに続き、元来た道を戻る。
(悪いな。あんな所に、ずっといさせて。)
前を行く男性に気付かれないように、尚希は心の声を拓也に送る。
(大丈夫だ。すぐに対処したから。)
同じように、拓也の声も脳内に届いてくる。
(なあ…)
(ん?)
(あれ……)
拓也が何を言いたいのかは、すぐに察しがついた。
(ああ。あれは、実の力だろうな。)
そう答えながら、自分の表情が自然と険しくなるのが分かる。
(どんなからくりなのかは分からんが、あれには実の力が込めてある。それだけじゃない。あれは、触れた人間の魔力を吸い取って自分の威力に変換できるんだ。)
(―――っ!? それって……)
拓也が息を飲む気配が伝わってくる。
(確かにあれは、オレらみたいな魔力の強い人間が扱えば、立派な殺戮兵器になりえるだろう。でも、あれを毎日のように使い続けて、ずっと力を吸い取られていけば……自分の命を食い潰される。あれは、そういう代物だ。)
おそらく、実の力をあらかじめ銃に込めたのは、魔力量が劣るレイキーの人間でもアズバドルの人間に対抗できるようにと狙ってのことだろう。
あれで攻撃されれば、さすがに自分も防ぎきれないと思う。
しかし、誰にも多かれ少なかれ魔力は存在するのだ。
ただ単に魔力に富んだ人間が寄り集まって、アズバドルという魔法大国が生まれただけの話。
あの銃を乱用すれば、あれを使用する人間もいずれ命を落とす。
魔力が少ない者ほど早く。
行き着く先は、多くの犠牲者を出した末の自滅だ。
(実は……)
心の声なのに、拓也の声はひどく震えている。
思わず口をつぐみたくなったが、尚希はあえてはっきりと答えることにする。
黙っても無意味だし、どうせ拓也も自分と同じ推論に至っているはずだ。
(多分、あれを作るための核にされているといったところか。大事な力の供給源だから、殺しはしないはずだ。……でも、これから量産化や大型化に視野を広げるって言ってたあたり、桜理ちゃんの言うとおり、使い古して死んでしまうのは仕方ないって思ってるんだろうな。)
「―――っ!!」
悔しさからなのか、怒りからなのか、拓也が唇を噛み締める。
次の瞬間、拓也の全身から暴走しかねないほどの魔力が噴き出した。
滅多に見ない魔力の高ぶりように、尚希はぎょっとしてしまう。
「ティル…っ! 落ち着け!!」
小声で拓也をたしなめるが、まるで効果がない。
仕方なく強行手段に出ようとした尚希だったが―――
「ふざけるな!!」
突然飛び込んだ第三者の声に、意識が持っていかれてしまった。
ワイリーは詳しい銃のメカニズムを説明しなかったが、実演を見た者にとっては、あの桁違いの破壊力を知っただけでも十分だったようだ。
あの銃がどんな代物なのかを完全に理解してるのは、ワイリー以外では唯一銃を握った尚希だけだろう。
会合が終わると、ワイリーは早々に部屋を去った。
ワイリーを捕まえ損ねた男性たちは狙いを尚希に定め、逃がさないと言わんばかりに尚希を取り囲んだ。
銃のことに関しては差し障りのないように、魔力を媒介にするシステムが加わっているようだと言うにとどめておいた。
それ以上はさすがに分からないと言えば、彼らはあっさりと納得して去っていった。
そうして時間は流れ、彼らも各々部屋に戻り、尚希たちは最後に地下室を出た。
行きと同じように案内の男性の後ろに続き、元来た道を戻る。
(悪いな。あんな所に、ずっといさせて。)
前を行く男性に気付かれないように、尚希は心の声を拓也に送る。
(大丈夫だ。すぐに対処したから。)
同じように、拓也の声も脳内に届いてくる。
(なあ…)
(ん?)
(あれ……)
拓也が何を言いたいのかは、すぐに察しがついた。
(ああ。あれは、実の力だろうな。)
そう答えながら、自分の表情が自然と険しくなるのが分かる。
(どんなからくりなのかは分からんが、あれには実の力が込めてある。それだけじゃない。あれは、触れた人間の魔力を吸い取って自分の威力に変換できるんだ。)
(―――っ!? それって……)
拓也が息を飲む気配が伝わってくる。
(確かにあれは、オレらみたいな魔力の強い人間が扱えば、立派な殺戮兵器になりえるだろう。でも、あれを毎日のように使い続けて、ずっと力を吸い取られていけば……自分の命を食い潰される。あれは、そういう代物だ。)
おそらく、実の力をあらかじめ銃に込めたのは、魔力量が劣るレイキーの人間でもアズバドルの人間に対抗できるようにと狙ってのことだろう。
あれで攻撃されれば、さすがに自分も防ぎきれないと思う。
しかし、誰にも多かれ少なかれ魔力は存在するのだ。
ただ単に魔力に富んだ人間が寄り集まって、アズバドルという魔法大国が生まれただけの話。
あの銃を乱用すれば、あれを使用する人間もいずれ命を落とす。
魔力が少ない者ほど早く。
行き着く先は、多くの犠牲者を出した末の自滅だ。
(実は……)
心の声なのに、拓也の声はひどく震えている。
思わず口をつぐみたくなったが、尚希はあえてはっきりと答えることにする。
黙っても無意味だし、どうせ拓也も自分と同じ推論に至っているはずだ。
(多分、あれを作るための核にされているといったところか。大事な力の供給源だから、殺しはしないはずだ。……でも、これから量産化や大型化に視野を広げるって言ってたあたり、桜理ちゃんの言うとおり、使い古して死んでしまうのは仕方ないって思ってるんだろうな。)
「―――っ!!」
悔しさからなのか、怒りからなのか、拓也が唇を噛み締める。
次の瞬間、拓也の全身から暴走しかねないほどの魔力が噴き出した。
滅多に見ない魔力の高ぶりように、尚希はぎょっとしてしまう。
「ティル…っ! 落ち着け!!」
小声で拓也をたしなめるが、まるで効果がない。
仕方なく強行手段に出ようとした尚希だったが―――
「ふざけるな!!」
突然飛び込んだ第三者の声に、意識が持っていかれてしまった。
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