快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

sky-high

文字の大きさ
12 / 189
忌まわしき過去

父との会話

しおりを挟む
本棚にあったファッション雑誌の中にメモ用紙が折り畳んであるのを発見した。

そのメモ用紙を広げてみると、
父の携帯番号と住所が記されてあった。


ここから近い場所に父と兄は住んでいる…

今から会いに行くか…
そう思ったら急に心臓がバクバクしてきた。
でも、会って何を話せばいいのだろうか?

父の顔は知らない。
オレが生まれてすぐに兄を連れて出ていったのだから。

仮に会ったとしても門前払いされるかもしれない。

しかもオレは父とは血が繋がってない。

暫く考えて今は会うのは止めようと思った。
父の携帯番号と住所をスマホに入力し、メモを元に戻した。






ようやく待ちに待った卒業式を迎えた。

これで自由になれる。
この日の為にずっと我慢してきた。

近親相姦という、忌まわしい出来事から抜け出せる喜びでワクワクした。

母は所用で卒業式には出席しなかった。
その方が都合が良い。

式が終わると家には帰らず、マンションの入居手続きをするため、不動産を訪れた。


だが、15才のオレに貸してくれる部屋など無かった。
どうしても部屋を借りたいなら、保証人が必要だと。

ショックで目の前が真っ暗になった…
せっかく母から離れられると思ったのに。


「…そうですか。分かりました…」

やるせない気持ちで店を出た。

クソ、ここまできて最後の最後で…

保証人になってくれる知り合いなんていない。

せっかくここまで来たのに、全てが台無しになるなんて!


どうする?
どうする?
どうする…?



ハッ…そうだ、父だ!

父に保証人になってもらおう。
会って話せば分かってくれるはずだ。


目の前に公園がある。
オレはベンチに座り、藁をも掴む思いで父に電話してみた。

果たして出てくれるだろうか。
とにかく話すしかない。
鼓動が高鳴る…

【はい、もしもし】

低い声だ。これが父の声…

「あ、あのもしもし、えっと…亮輔です。覚えてますか?」

【…】

父は無言だった。

「あ、あのこの番号、母の棚を調べて見つけました。オレどうしてもお父さんやアニキと会ってみたくて、電話しました。
オレ、ずっと会いたかったんです!
だから、だから…
オレと会ってくれませんか!?
この事は母は知りません」

【…そうか。ところで今いくつになった?】

「今日中学を卒業しました。来月から高校生になります」

【そうか、もうそんな年になるのか。早いもんだな…生まれたばかりだったのに、もう高校生か…】

「は、はい…あのもし、もし迷惑じゃなかったら、是非会いたいのですが」

父の声は優しかった。
その声を聞いて、オレは涙を流した。

「お願いです、是非会ってください」

【…この事は母さんには内緒にしてくれるな?】

「は、はい、勿論です」

【じゃあ時間を作ろう。いつがいい?】

「あ、あのオレはもう、入学式まで休みなんで…いつでも大丈夫です」

【そうか。では明日、仕事が終わったら近くの駅前で待ち合わせしよう】

「あ、ありがとうございます!では明日待ってます」

良かった…
父と話が出来た。


今の気持ちを包み隠さず全部父に話してみよう。

とにかく一歩前進だ。

一筋の光明が見えた気がした。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

処理中です...