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忌まわしき過去
金の亡者、種違いの兄
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父が海外出張へ行って5日が経過した。
オレは相変わらず授業中に居眠りをしていた。
すると担任の教師が血相を変えて教室に入り、オレに職員室へ来るよう伝えた。
「…一体何だろ」
教室内がザワつく。
「アイツ、何かやったのか?」
「もしかしてタバコ吸ってたのがバレたとか?」
「万引きでもしたんじゃないのか」
好き勝手な事言いやがって!
何も悪い事はしてない。でも授業中なのに呼び出すなんて、よっぽどの事があったのだろう。
オレは小走りする担任の後を付いていくように職員室へ向かった。
担任の教師は鴨志田紗栄子(かもしだ さえこ)いつもロングヘアーを1つに束ね、赤縁のメガネをかけている、地味な女だ。
だが、ブラウスがはちきれんばかりの巨乳と括れたウエスト、丸みを帯びたヒップ。
母に負けずとも劣らない程の豊満な肉体だ。年齢は30代前半で未婚だという事は知っていた。
職員室に入ると、先生達が一斉にオレを見た。
何なんだ、一体?
しかも全員険しい表情をしている。
「あのね、古賀くん…実は先程学校に連絡があって…お父様の会社からなんだけど…その、お父様が…」
「父がどうしたんですか?」
鴨志田は声を震わせ、信じられない事を口にした。
「お父様が…出張先で亡くなったの…」
「は…?」
一瞬、何の事だか分からなかった。
何だって…!!
何バカな事を!
父が死んだって…悪い冗談だろ!
身体中に激震が走った…
立っているのもツラい程の衝撃だった。
「う、ウソだろっ!!」
優しかった父の笑顔が浮かんだ。
その場に座り込み、大粒の涙を流した。
「こ、古賀くん…」
鴨志田はオレの肩を抱くようにして優しく包んでくれた。
オレは号泣した。
唯一の理解者だった父が…
まだ一緒に暮らして間もないというのに、親孝行すら出来ずに…
出張先の東南アジアにて、父を乗せた車が強盗に遭い、銃を乱射。
父を含め車に同乗していた3人はほぼ即死状態だっだという。
オレはその日、学校を早退して部屋で一晩中泣き明かした。
翌日、父の遺体を乗せた飛行機が着陸し、空港で遺体と対面した。
父の顔を見た。
まるで寝ている様な顔だった。
「父さん…」
それ以上の言葉は出なかった。
短い間でしたが、こんなオレの為に色々としてくれて、誠にありがとうございました…
心の中で何度もお礼を述べた。
自然と涙が溢れ出た。
あれだけ泣いたのに、まだ涙が出てくる。
その後、遺体は葬儀場へ運ばれ、そこで初めて兄の達也と対面した。
父親に似て長身でチャラい感じの男だった。髪は茶髪で長め、膝の破れたデニムにパーカーを着てフードを被っていた。
これがオレの兄…想像とは全く違う外見だ。
兄に挨拶した。何も言わず、ただオレの顔をジッと見ている。
そしてこう言った。
「オレに弟がいるという事は前から聞かされていた。
それがお前だったとはな。
まぁ、いい。それよりオヤジの遺産だが、相続するのはオレだ。分かるよな?
お前はオヤジとは血の繋がりがない。そういう事だから遺産はオレが貰う」
父の遺体の前で何て事を言うんだ、この男は…!
父は海外で殺されたんだ!悲しむ前に遺産の話か!
オレは兄に怒鳴った。
「こんな場所で遺産の事を言わなくていいでしょう…
父さんが亡くなったんですよ?
それなのに、悲しむどころか金の話なんて…!
ふざけるなっ!!」
実父の死よりも、頭の中は遺産を相続する事しか無い。
こんなクズが兄だなんて…
一度でいいから、会いたいなんて思ってたオレがバカだった。
とは言え、父の遺体の前でこれ以上言い争いをするつもりはない。
「オレはハナっから遺産なんて貰うつもりは無い。ただ、あのマンションだけは残してもらえないでしょうか?お願いです!」
マンションだけは残して欲しい。
マンションまで売り飛ばしたら、オレは住む家が無い。
それにあの部屋で毎日仏壇に線香をあげたい、オレが出来るのはこんな事だけだ。
兄はニヤけている。
遺産を独り占め出来るからだろう。
元々オレには相続権なんて無い。
「マンション?あぁ、あんなもん売っても大した金にはならんだろうからな。
お前の為に残してやるから
有難く思えよ!
ただこれだけは言っておく。この先、オレと会っても話しかけるな!
お前は弟でも何でもない、赤の他人だ!
それが条件だ、いいな?」
弟として認めないという事か。
オレもこんな金の事しか考えられない男を兄として認めたくない。
「わかりました。その通りにします」
殴ってやりたい気持ちを必死で堪えた。
こんなに腹が立ったのは、初めてだ。
葬儀が終わり、遺骨は故郷の先祖代々が眠る墓に納骨した。
これからは一人で生きていかなければならない。
多少の蓄えはあるが、学費を払って、光熱費や食費等を考えたらバイトをするしかない。
ネットの求人募集を見て、なるべく時給の良いバイトを探した。
だが、高校生の時給は低い。それに、まだ15才だから夜10時以降は働けない。
結局、学校に近いファストフード店でバイトをする事になった。
オレは相変わらず授業中に居眠りをしていた。
すると担任の教師が血相を変えて教室に入り、オレに職員室へ来るよう伝えた。
「…一体何だろ」
教室内がザワつく。
「アイツ、何かやったのか?」
「もしかしてタバコ吸ってたのがバレたとか?」
「万引きでもしたんじゃないのか」
好き勝手な事言いやがって!
何も悪い事はしてない。でも授業中なのに呼び出すなんて、よっぽどの事があったのだろう。
オレは小走りする担任の後を付いていくように職員室へ向かった。
担任の教師は鴨志田紗栄子(かもしだ さえこ)いつもロングヘアーを1つに束ね、赤縁のメガネをかけている、地味な女だ。
だが、ブラウスがはちきれんばかりの巨乳と括れたウエスト、丸みを帯びたヒップ。
母に負けずとも劣らない程の豊満な肉体だ。年齢は30代前半で未婚だという事は知っていた。
職員室に入ると、先生達が一斉にオレを見た。
何なんだ、一体?
しかも全員険しい表情をしている。
「あのね、古賀くん…実は先程学校に連絡があって…お父様の会社からなんだけど…その、お父様が…」
「父がどうしたんですか?」
鴨志田は声を震わせ、信じられない事を口にした。
「お父様が…出張先で亡くなったの…」
「は…?」
一瞬、何の事だか分からなかった。
何だって…!!
何バカな事を!
父が死んだって…悪い冗談だろ!
身体中に激震が走った…
立っているのもツラい程の衝撃だった。
「う、ウソだろっ!!」
優しかった父の笑顔が浮かんだ。
その場に座り込み、大粒の涙を流した。
「こ、古賀くん…」
鴨志田はオレの肩を抱くようにして優しく包んでくれた。
オレは号泣した。
唯一の理解者だった父が…
まだ一緒に暮らして間もないというのに、親孝行すら出来ずに…
出張先の東南アジアにて、父を乗せた車が強盗に遭い、銃を乱射。
父を含め車に同乗していた3人はほぼ即死状態だっだという。
オレはその日、学校を早退して部屋で一晩中泣き明かした。
翌日、父の遺体を乗せた飛行機が着陸し、空港で遺体と対面した。
父の顔を見た。
まるで寝ている様な顔だった。
「父さん…」
それ以上の言葉は出なかった。
短い間でしたが、こんなオレの為に色々としてくれて、誠にありがとうございました…
心の中で何度もお礼を述べた。
自然と涙が溢れ出た。
あれだけ泣いたのに、まだ涙が出てくる。
その後、遺体は葬儀場へ運ばれ、そこで初めて兄の達也と対面した。
父親に似て長身でチャラい感じの男だった。髪は茶髪で長め、膝の破れたデニムにパーカーを着てフードを被っていた。
これがオレの兄…想像とは全く違う外見だ。
兄に挨拶した。何も言わず、ただオレの顔をジッと見ている。
そしてこう言った。
「オレに弟がいるという事は前から聞かされていた。
それがお前だったとはな。
まぁ、いい。それよりオヤジの遺産だが、相続するのはオレだ。分かるよな?
お前はオヤジとは血の繋がりがない。そういう事だから遺産はオレが貰う」
父の遺体の前で何て事を言うんだ、この男は…!
父は海外で殺されたんだ!悲しむ前に遺産の話か!
オレは兄に怒鳴った。
「こんな場所で遺産の事を言わなくていいでしょう…
父さんが亡くなったんですよ?
それなのに、悲しむどころか金の話なんて…!
ふざけるなっ!!」
実父の死よりも、頭の中は遺産を相続する事しか無い。
こんなクズが兄だなんて…
一度でいいから、会いたいなんて思ってたオレがバカだった。
とは言え、父の遺体の前でこれ以上言い争いをするつもりはない。
「オレはハナっから遺産なんて貰うつもりは無い。ただ、あのマンションだけは残してもらえないでしょうか?お願いです!」
マンションだけは残して欲しい。
マンションまで売り飛ばしたら、オレは住む家が無い。
それにあの部屋で毎日仏壇に線香をあげたい、オレが出来るのはこんな事だけだ。
兄はニヤけている。
遺産を独り占め出来るからだろう。
元々オレには相続権なんて無い。
「マンション?あぁ、あんなもん売っても大した金にはならんだろうからな。
お前の為に残してやるから
有難く思えよ!
ただこれだけは言っておく。この先、オレと会っても話しかけるな!
お前は弟でも何でもない、赤の他人だ!
それが条件だ、いいな?」
弟として認めないという事か。
オレもこんな金の事しか考えられない男を兄として認めたくない。
「わかりました。その通りにします」
殴ってやりたい気持ちを必死で堪えた。
こんなに腹が立ったのは、初めてだ。
葬儀が終わり、遺骨は故郷の先祖代々が眠る墓に納骨した。
これからは一人で生きていかなければならない。
多少の蓄えはあるが、学費を払って、光熱費や食費等を考えたらバイトをするしかない。
ネットの求人募集を見て、なるべく時給の良いバイトを探した。
だが、高校生の時給は低い。それに、まだ15才だから夜10時以降は働けない。
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