快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

sky-high

文字の大きさ
20 / 189
忌まわしき過去

無理なものは無理

しおりを挟む
鴨志田はスーパーで買った惣菜や野菜、肉の入ったビニール袋を手にしていた。

薄手のシックなブラウンのコートの中には、Vネックの淡いグリーンのセーター。

否が応でも谷間に目が行く。

「古賀くん、いつもこんな遅くまでバイトしてるの?」

顔よりも胸に目が行く。
これだけ大きいと皆、そっちへ目を向けるだろう。
決してブスでは無いんだが、顔よりも胸の方がインパクトがある。
こんな夜道じゃ痴漢に遭うんじゃないか、と。

「えっ…先生もしかしてこのマンションに住んでるんですか?」

鴨志田はエントランスの自動ドアの横で壁にもたれながら立っていたので、このマンションの住民がカギを忘れ、誰かが来るのを待ってドアを解除してくれるのだろう、と思っていた。

「まさか、先生はこんな立派なマンションに住めるような生活は出来ないもん」

じゃあ、何の目的でこのマンションに来たのか。

しかも、そんなに買い込んで。

「じゃあ何してるんですか、そんなとこで?」

オレはオートロックのドアを解除した。

「古賀くんを待ってたのよ」

鴨志田は照れくさそうにボソッと呟いた。

「えっと…何でオレを待ってるんすか?もしかして放課後の話の続きですか?
オレこれから飯の支度して風呂入って寝たいんですよ。
悪いけど、今は学校よりもバイトの方が優先なんで。じゃ、失礼します」

話を蒸し返そうとしてるのか、この女は。
バイトで疲れて、それどころじゃない。


「ご飯まだ食べてないでしょ?だからさっきスーパーで色々と買ってきたの。良かったら一緒にご飯でも食べない?先生が作るから」

何を言ってるんだ?

しかも、一緒に飯を食おうだなんて…


「あの…確かに生活に困ってるけど、飯を恵んで貰おうだなんて思ってないすよ!
とにかく、そこにいると迷惑なんで帰ってもらえますか?」

イラッとした。ふざけるな!

他人に飯を食わせてもらおうだなんて、これっぽっちも考えた事は無い!


オートロックのドアを解除したのはいいが、このままでは鴨志田が中に入ってしまう。


確かに【先生が面倒見てくれますか?】って言ったけど、それを真に受けて食材買ってくるとは、シャレが通じないのか、この女は。

「そんなに心配しなくても、明日はちゃんと学校に行きますから。それじゃっ」

鴨志田を追っ払おうとしたが、帰る気配がない。

「あの、しつこいと警察呼びますよ?ストーカー紛いな事しないでもらえますか?」

こんなとこで担任と押し問答するもりはない。

「分かったわ…でもこれ持っていって」

袋を差し出した。
これだけ食材があれば、何日かは困らない。

一瞬、目が眩んだが、オレは物乞いじゃない!

バカにしてるのか、腹が立ってきた。

「ナメてんのか、おいっ!オレはホームレスじゃねえんだっ!
さっさと帰れ!」

鴨志田の手をパシーン、と払いのけた。

袋の中の惣菜や肉が袋からこぼれ落ちた。

「古賀くん、お願いだからこれを持ってって!」

落ちた食料を拾いながら、懇願してる。


屈んだ状態だと、Vネックセーターの胸元から大きな形の胸がハッキリと見える。さっきから胸ばかりを見ていたせいか、下半身がモゾモゾする。

母親との淫らな行為をして以来だから、随分と経つ。

「じゃあ、先生の大きなオッパイ触らせてくれたら、貰ってやるよ」

オレは意地悪く笑みを浮かべながら鴨志田に詰め寄った。

「な、何を言うの!そんな事できるわけないでしょ!」


鴨志田は狼狽え、声が上ずっていた。
両手で胸を隠し、下を向いている。

「だったら、さっさと帰れ!邪魔なんだよ、この乳オバケが!」

すかさず、鴨志田はオレの頬に平手打ちをした。

パァーンと乾いた音がエントランスに響いた。

「痛ってぇな、何すんだよ!ノコノコ人ん家の前まで来て暴力かよっ!!マジで警察呼ぶぞ、おい!」

オレは内ポケットからスマホを取り出し、電話を掛けようとした。

「待って!」

鴨志田はオレの手を取って、大きな胸に押し当てた。

「…これでいいでしょ?だからお願い、家に入れてくれる?」

オレはまさか鴨志田がそんな事をするとは思ってもいなかったので、呆気にとられた。

掌で胸の暖かさを感じる。
ドクッ、ドクッとやや速い鼓動が伝わる。

「ねぇ、古賀くん…もういいでしょ、離して…」

心做しか、少し声が上ずってる。
まさか、感じているのか…いや、それは無いだろう。

いつまでもこんな場所で言い合いをしても仕方ない。

約束は約束だ。

鴨志田を中に入れた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

処理中です...