快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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忌まわしき過去

いくら借金してるんだ?

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夕方過ぎ、鴨志田は帰って来た。近所のスーパーで買い物をしていたと言う。

「遅くなってゴメンね、これからご飯作るから待ってて」

上着を脱ぎ、台所に立って夕飯の準備をしていた。

オレはリビングでテレビを観ていた。

「先生、ちょっと話があるんだけどいいかな?」

「なぁに、どうしたの急に?」

鴨志田は夕飯の支度を止め、オレの向かいに座った。

「先生、オレに隠し事してない?」

いつもなら大きな胸を凝視していたが、今日はそんな気分じゃない。

「えっ、隠し事?先生は古賀くんに隠し事なんかしないわよ…一体どうしたの?」

笑いながら否定したが、次の言葉で顔色が変わった。

「アーバンファイナンスって何?」

鴨志田の顔が強張った。

「え…何それ?そ、それが先生と何の関係があるの?」

明らかに動揺している。

「先生、借金してるでしょ?オレ調べたんだよ、アーバンファイナンスって会社を」

鴨志田の目が泳いでいる。オレは続けた。

「先生、何であんな高いブランド物ばかり持ってるの?教師ってそんなにいい給料貰ってるの?」

本当の理由を知りたいだけだ。


しかし鴨志田は黙って何も話そうとはしない。

「先生、正直に言って欲しいんだよ、ホントは借金してるんでしょ?今まで住んでた部屋だって家賃を払えなくなってここに来たんじゃないの?」

すると鴨志田はオレを睨みつけるような目で捲し立てた。

「教師ってのはね、スゴいストレスが溜まるのよ!

あなたみたいな生徒がいると、査定にも影響して、上からのプレッシャーで夜も眠れないの!

だから、そのストレス発散の為に買い物するの!分かる?分からないでしょ、あなたには!」

「ふざけるなっ!借金払えなくなって、住む所無くなってここへ来たんだろうがっ!
ここへ借金取りが来たらどうすんだよっ?
近所の手前、恥ずかしくて外も歩けなくなるだろうがっ!」

反論すると鴨志田は項垂れて、泣き出した。

「ワタシだって、こんなになるなんて思ってなかったのよ~っ!うゎ~ん、ごめんなさい…」


冗談じゃない!
借金抱えて転がり込むなんて…

オレはまだ15才なんだぞ!
何でこの年で大人の醜い部分を目の当たりしなきゃならないんだ!

この女を叩き出すか、そのうち借金取りがここに来るのも時間の問題だ。

そのうち、食費や光熱費もオレが払う事になるだろう。
結局オレは独りなんだ…一人で生きていかなきゃならないんだ。

何なんだ、オレの人生って。
イヤになってくる…


おまけに、この女はずっと泣いている。


泣きたいのはコッチだ!


何でこんな乳だけデカい女が先生なんてやってるんだろ…
数学の教師のクセに、借金の計算すら出来ないのかよっ!
バカバカしい!



「で、借金っていくらあんの?」

聞いたところで、オレにはどうにもならないんだが。

「…」

「こっちは何の関係も無いんだぞ!それなのに、何で借金した人と一緒に住まなきゃならないんだ?アンタ教師だろ、そんなヤツが偉そうに教壇に立つんじゃねぇ!」

「…ごめんなさい、うぅ…」

こんなのが担任の教師とは…情けない。

「とにかく飯食おう。オレ腹へったよ」

これ以上、この女を責めても仕方ない。
泣いてばかりで、メシの支度すらしない…


腹減ってきた。


結局、オレが飯を作った。
鴨志田が買ってきた材料でオレは野菜炒めとワカメの味噌汁を作った。

「先生、もういいから食べよう。オレがメシ作ったから、早く食べよう。腹減ったよ」

項垂れて、その場を動かない鴨志田の前にご飯を置いた。

鴨志田は食べようとしない。

「先生、借金があるのは分かったよ。だからと言って、先生を追い出すなんてことはしないから。
だから、とりあえず飯食おうぜ」

「…うん、ごめんなさい。今まで隠して…」

蚊の鳴くような声で謝った。


でも、どうしよう…いくら借金があるのか分からないが、何か解決法を探さないと。
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