快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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忌まわしき過去

人を狂わす金の魔力

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あの日以来、鴨志田は変わってしまった。

帰宅する時間が遅くなり、家事を一切やらなくなった。

明け方泥酔状態で帰宅する事も多くなった。

頭の先から爪先までブランド物で固め、髪を染め、アクセサリー類を身につけ、アイプチやマツエクを施し、指先にはカラフルなネイルを付け、香水の匂いを撒き散らし、別人のようだ。

とても教師には見えない。


変わったのは外見だけじゃなく、毎晩遅くまで酒を飲んでは、二日酔いで学校を休む事が多くなってきた。


「先生、何で毎晩帰りが遅いんだよ!しかも家の事を全くやらないで!」

オレはあの一件の後も鴨志田の事を【先生】と呼んでいる。

「何ぃ…?おい、亮輔!子供の分際で親に意見するんじゃないわょ~っ…」

呂律が回らず、足元もおぼつかない程の泥酔状態になるまで酒を飲んで帰って来る。

鴨志田は普段はオレの事を【古賀くん】と呼ぶが、酒に酔うと【亮輔!】と呼び捨てになる。

母からこのオンナが実母だと告げられたが、親子ならば、似てる箇所が一つぐらいあるはずだが、全く無い。

ホントにオレの母なのだろうか、信じ難い。


それに、毎晩飲み歩く金なんてあるのだろうか?
おまけに休日になれば、ショッピングに出掛け、ブランド物を買っている。


母から貰った金は借金返済に充てたから、手元には幾らも残って無い筈。


まさか、あの金で遊び歩いてるのでは…?
胸騒ぎがする。



鴨志田は酔い潰れてリビングのソファーで寝ている。

オレは部屋に入り、机の引き出しを開けた。


あった…!

またしても、アーバンファイナンスからの督促状だ。

消印が二日前だ。



オレの勘は当たった…





急いで鴨志田を叩き起した。


「おい、起きろっ!!」

「ん~…何よ、もう」

「何だよ、これは!!借金返したんじゃないのかよっ!」


督促状を床に叩きつけた。

「そんな怒鳴らないでよ、頭に響くんだから…」

鴨志田は意に介さず、ソファーに横たわった。


「冗談じゃねぇぞっ!何の為にあのオンナから金を受け取ったと思ってんだ!
あんなイヤな思いまでしてっ!聞いてんのか、おいっ!」


金の為に近親相姦をしたのに…

「うるさいわねっ、またお金貰いに行けばいい事じゃないの!
また来なさいって言ってたでしょ!」

金が無くなったら、また母の目の前でセックスをすればいいと思っているのだろうか。
悲しくなってきた。

案の定、翌日になると鴨志田は母の所へ行こうと言ってきた。

「オレは行かない」


「どうして?行かないとお金貰えないのよ!」


「金が無くなりゃ、オフクロの所でセックスしに行くのかよっ!オレはそんな事、二度とやりたくない!」

「古賀くんっ、お願いっ!今回だけ!今回だけにするからっ、ねっ!」

鴨志田は目に涙を浮かべ、必死の形相で訴える。
その姿につい、情が湧いて観念した。





母の部屋に入るや否や、鴨志田は服を脱いで全裸になった。

「あら、紗栄子さん。随分と用意がいいのね」

「千尋さん…この前、お金が欲しかったらまた来なさいって言ってわよね。だから、またお願いします」

そうまでして、金が欲しいのか…

こんなオンナが実の母親だなんて、あまりにも悲しすぎる。

「亮輔。アナタのお母様がヤリたいらしいわよ…息子なら、それに応えなきゃならないわよね、フフっ」


明らかに見下している…

このオンナもクズだ!

一度ならず、二度も辱めを受けなきゃならないとは…

オレは無言で服を脱いだ。



事が終わり、母は鴨志田に金を渡した。
鴨志田は金を手に、嬉々として帰路についた。


「先生、もうこれで終わりにしてくれよ。オレは金輪際、オフクロの所へは行きたくないからな」

「分かってるわ、ありがとう古賀くん。必ずこのお金で借金を返すから」

今度こそは大丈夫だろうと思った。



だが、鴨志田は再度オレを裏切った。

学校から帰宅すると、家の電話が鳴っていた。

「はい、もしもし」

【鴨志田さんか?】

ガラの悪い男の声だ。

「あ、えぇと、どちら様ですか?」


【アーバンファイナンスだけどな、鴨志田紗栄子さんいるでしょ?早よ出して】

アーバンファイナンス!だが借金は返済した筈だ。

「まだ帰って来てないんですけど…えーっと、確か借金なら返しましたけど、何の用ですか?」


【は?何言うてんねん!一銭も返してくれへんやないかっ!】

…またしても鴨志田に裏切られたっ!


【もしもし!聞いてんのか、おいっ!払わんと、あのオンナの学校に乗り込むぞ、わかったか!…】

ガチャッ!

怒りに任せ、電話を切った。


あのヤロー、二度も裏切りやがった!



鴨志田のスマホに電話をかけた。


【お掛けになった番号は、電波の届かない場所にあるか、電源が入っていない為、かかりません】


クソっ!あのオンナ、何処ほっつき歩いてやがる!

その日、鴨志田は帰って来なかった。






その頃、鴨志田は千尋に連絡をしていた。


亮輔を連れてくるから、また援助して欲しいと。




しかし、千尋はそれを断った。

「もう見飽きたのよ、あなたたちのセックスは」



「じゃあ、どうすればいいの?どうすればもっと出してくれるの?」



鴨志田は狼狽えた。千尋の援助が無ければ自分は身柄を拐われると危惧していた。


「もうこれ以上は出せないわねぇ。これ以上必要だとしたら、その大きな胸を使って男たちを喜ばせたらどうかしら?アッハハハハハ!」

坂道を転がるように堕ちていく鴨志田を蔑んだ。

「教師辞めてソープで働く?いいとこ紹介するわよ…」


「ふざけないでっ!何でワタシがソープなんかに!」

「イヤなら、勝手にしなさい。私には関係の無い事なんだし」

鴨志田の計算が狂った。この先も千尋の前で亮輔と交合えば金が貰えると思っていたのに。

「お金が欲しけりゃ、何人もの男のチンポをしゃぶりなさい!フフっ…アーッハッハッハッハッハ!」

そう言って、千尋は電話を切った。

「どうしよう…」



千尋の言う通り、ソープに沈められるのか。

鴨志田はほとぼりが冷めるまで、身を隠そうと考えた。


その後、亮輔の住むマンションに戻ってくる事は無かった。

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