快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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忌まわしき過去

説得

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達也は、鴨志田を指名した。

個室で待機し、暫くして鴨志田が入ってきた。
青のスパンコールをあしらい、隆起した胸元は乳首が見えそうな程の大胆なドレスだ。

鴨志田を見て、達也は微笑を浮かべるが、目は笑ってない。

鴨志田は無表情で達也を一瞥した。

「ご指名ありがとうございます。皐月です、よろしくお願いします」

義務的な口調で達也に三つ指ついて挨拶した。

「今日はアンタに話しがあって来たんだよ」


「話とはなんでしょうか?」

鴨志田は表情を崩さない。

何の話をするのか大体の予想はついている。

亮輔が自分の事を話したに違いないと思っていたからだ。

「聞いたよ亮輔から」

(フン、やっぱりその事か…)

しかし鴨志田は冷静を装い、達也の前に跪いてマニュアル通りの即尺プレイをしようと、ベルトを外そうとした。

「いや、今日はいい。それより、アンタにいい話をもってきたんだ」

鴨志田の手を払い、目をジーッと見つめながら話を切り出した。

「オレに協力してくれないかな?」

「…何の協力でしょうか?」

怪訝な顔をした。

「そんなとこに座ってないで、ここに座ればいいじゃん」

隣に座るように促した。
鴨志田はため息を一つ付いて隣に座った。

「言いたい事は分かってる…聞いたんでしょ、アタシの事を」

義務的な態度から一変、ハンドバッグからメンソールのタバコを取り出し、白い煙を吐いた。

「実はオレ、亮輔のアニキなんだ」

鴨志田の顔色が変わった。

「えっ…古賀くんの?」

「あぁ、正式には腹違いの兄弟ってとこだ。アンタにはこの意味分かるよな?」

達也は鴨志田の肩に手を回しながら、Gカップの谷間に手を滑り込ませた。

指が乳首に触れた。

「…ん…っ」

鴨志田は蚊の鳴くような声を漏らした。

「腹違いって…何が言いたいのよ」

「それを知ってのうえでアンタに話をもってきたんだ」

達也は話を続けた。

「アンタ、あの女に恨みがあるんだろ?だったら、オレと組んでアイツの会社乗っ取らないか?」

途端に呆れた表情を浮かべた。

「ハッ、バカバカしい…場末のソープ嬢を相手に何を言ってるの?坊やの戯言に付き合う程ヒマじゃないのよ、アタシは」

こんなガキを相手にするだけムダ、と一笑に付した。

「フッ…確かにアンタから見たらオレはガキだろう。でもな、オレはアンタと手を組みたいんだよ」

鴨志田は嫌悪感を露にした。

「もう結構!帰ってくれないかしら?帰らないと店の人を呼ぶわよ!」

壁際の電話に手をかけた。

「しょうがねぇな…じゃ帰るとするわ」

達也はソファーから立ち上がった。

「せっかくアンタが知りたがってた情報を持ってきたんだが、これじゃ話す事は出来ないな」

「待ちなさい!何よ、情報って?」

ドアノブを回した達也の手を止めた。

「何だよ、帰れって言ったのはアンタだろ?」

「いいから座りなさいっ!」

達也を再度ソファーに座らせた。
教師時代の名残か、問題児の生徒を相手にするような口調だ。

「何なの、知りたかった情報って?」

「そうこなくっちゃ。オレの目的はあの女から会社をブン取る。そしてアンタはオレの右腕として働いてもらいたい」


何を言うかと思えば…鴨志田は溜め息をついた。

「アナタ、ホントに古賀くんのお兄さんなの?アナタなんかより、古賀くんの方が遥かに利口だわ」

すると、冷静な達也が豹変した。

「何だと、コラぁ!テメーのガキなんかよりも、オレの方が賢いんだよ!オレがあのヤローに劣ってるものなんて何一つ無ぇんだよ!」


今にも殴りかかりそうな剣幕で捲し立てた。

「賢い?どこが賢いのよ?会社を乗っ取るなんて、少なくとも利口な人間の考える事じゃないわ!それに、古賀くんの事をバカにするような男と手を組めない!さっさと帰って!」

怯む事無く、鴨志田は反論した。
気の強さでは、達也に引けを取らない。


「あぁ、そうかよ!じゃあ聞くが、何でアンタが借金で逃げ回ってる時、ヤミ金の連中に見つかったか分かるか?」

その言葉に鴨志田は食いついた。

「アナタ、何か知ってるのね!言いなさいっ!」

防音の個室内で二人の口論が続く。

「じゃあ、はっきり言おう!アンタの居場所をヤミ金にチクッたのはあのオンナだ」

…そんなバカな!一瞬言葉を失った。

「ちょ、ちょっと!それ、どういう事?何であの人がそこまで知ってるのよ?証拠はあるの?」

「考えてもみろよ。アイツは元々水商売上がりの女だぞ。それがどうやってのし上がってきたか。この先は言わなくても分かるよな?」

「…バックに誰かいるって事?」

「当然だろ。じゃなきゃ、ただのホステスがどうやって今じゃ何店舗も経営する実業家になってると思ってんだよ?後ろ楯が無きゃそこまで大きくならないだろう」

千尋の蔑む笑いがフラッシュバックし、沸々と怒りが込み上げてきた。

「そこでだ。オレもあの女は憎い。お互い憎い者同士手を組まないか?」

達也は鴨志田を焚き付けた。
だが、どうやって乗っ取るというのだ。

この状況から抜け出すなんて夢のまた夢…

「手を組むって、アタシは借金を返さない限り、この世界から足を洗う事ができないの!」

「その借金って今いくら残ってるんだ?」

単刀直入に聞いてみた。

「いくらって…利息が膨れ上がって、どのくらいなのか分からないの!」

「アンタの借金が今現在いくら残ってるのか確認して欲しい」

「そんな事聞いてどうすんのよ!」

鴨志田は今いくら借金が残ってるのか把握していない。
どうせ、返済出来る額じゃないと思って聞かなかった。

「もし、オレがアンタの借金全額肩代わりしたらオレに協力してくれないか?」

「ふざけないでっ!未成年の大学生がそんなお金あるわけないでしょ…」

あと一押しだ。鴨志田の心が揺れ動く。

「大丈夫だ、オレに全て任せてくれ!」

真剣な眼差しで鴨志田を見つめた。

すると達也は、何かを探すかのように周囲をキョロキョロした。

「…この部屋って、盗聴器とか隠しカメラ設置されてないよな?」

「…まさか、それは無いわ。それより今の話ホントなの?」

この男が自分の借金を返してくれるのか…?


「勿論だ。だからオレに協力して欲しい!
アンタはあの女のせいで何もかもを失ったんだ。今度はアイツを地獄に落とす番だ!頼む、力を貸してくれ」

鴨志田を煽った。
達也の思惑通り、十分効果はあった。

「…で、アタシは…何をすればいいの?」

鴨志田は乗り気になってきた。

「まず始めにアンタを自由の身にする。だからいくら借金が残ってるのか確認するんだ」

「…·何度も聞くようだけど…ホントにアナタが借金を返してくれるの?」

「金の心配はするな!
アンタがこの世界から足を洗わなければ計画はパーだ。次に来るまでに借金の額を把握して欲しい」


時計を見ると、もうすぐで終了の時間だった。


「そろそろ時間だな。来週の頭には来るから、それまでにいくら借金あるのか聞き出して欲しい」

そう言ってソファーから立ち上がると、鴨志田はドレスを脱ぎ、乳房を出して達也のベルトを外した。

「今日はいいって言ったじゃん!それにもう時間が無い」

「いいから…これはほんのお礼のつもり」

肉棒を咥えて勃起させると、大きな乳房の間に包んだ。

僅かな時間ながら、得意のパイズリで達也を絶頂に導いた。

(よし、とりあえず第一作戦は成功しつつある)


これが暴走の始まりでもあった。



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