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忌まわしき過去
僕が社長になります
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退社後、達也は沢渡を伴い会社の近くにあるファミレスへ案内した。
店内には既に鴨志田が待っていた。
高校教師の頃のような、黒髪のロングヘアーを一つに束ね、メガネをかけ、黒のスーツに白のインナーという出で立ちだ。
そして白のインナーの胸元はかなりボリュームがあり、谷間が目立つ。
鴨志田は立ち上がり、達也と沢渡に頭を下げた。
その際、目の前の谷間を沢渡は凝視していた。
「紹介します。こちらが経営コンサルティングの鴨志田紗栄子さんです。
鴨志田さん、この方が沢渡さんで、社長が一番信頼していた凄腕の副社長です」
達也は互いを紹介した。
「はじめまして、鴨志田と申します。こんな時に私の為にお時間を割いてしまって…心中お察しします。
古賀社長にお会いするのを楽しみにしていたのですが…
早く見つかるといいですね」
「こちらこそはじめまして、沢渡と申します。今回の事は手前共も、何か身の危険でもあったのじゃないかと、警察に捜索願いを依頼しました。ですからこんな状況なもので、仕事もろくに手がつかない状態です」
沢渡は沈痛な面持ちで挨拶をした。
「それで、このまま社長の行方が分からないとなると、誰が社長の代わりをするか?そのために今日は鴨志田さんを紹介しようと思いまして、沢渡さんにご無理を言ってお誘いしたわけです」
達也は本題に切り出した。
「まぁ、確かにいつまでも社長不在のままというワケにはいかないでしょうからね」
社長は自分以外に考えられない、沢渡はそう思っていた。
その時、達也が思いもよらない事を口にした。
「沢渡さん、社長は僕に次期社長になって欲しいとおっしゃってましたよね?それで自分なりに考えたのですが、私が代役として社長を引き受けたいのですが」
「…えっ?社長って…」
沢渡は呆気にとられた。
達也はまだ大学生でしかも未成年だ。社長になるのは早すぎる。
沢渡は反対した。
「達也さん、確かに社長は貴方を次期社長として、指名しましたが、いくらなんでも今は早すぎます。
貴方はまだ大学生でしかも未成年だ。こう言っちゃなんですが、経営の事をご存知なんですか?」
話にならない、こんな大事な時に何を言ってるんだ、という表情だ。
「確かに沢渡さんから見れば、僕なんてまだまだガキです。
だからこそ、鴨志田さんを我が社に引き入れて、新体制を作るんです。
社長は鴨志田さんの事をヘッドハンティングする予定だったのです。
経営コンサルティングという経歴を持つ鴨志田さんを社長は前から引き抜こうとしていたんです。
鴨志田さんは経営のプロです。
だから鴨志田さんを秘書に僕が後を継ぎます。
沢渡さん、貴方が了解してくれれば、他の社員達も納得してくれるはずです。
どうか、お願いします!」
達也はテーブルに額をつけ、頭を下げた。
「沢渡さん、達也さんから色々とお話しは聞きました。
あくまでも仮説で、その間に古賀社長が戻ってくれればいいのですが、もし万が一という事もあります。
その時は私が達也さんの秘書となって御社の経営アップの為に尽力します。
どうでしょうか?」
鴨志田が話している間、達也はひたすら頭を下げていた。
「いや、でもしかし…」
沢渡は戸惑った。
こんな青二才に会社を任せるなんて無理に決まってる。
しかし、あの社長が是が非でも引き入れたいという、経営のプロが目の前にいる。
でも、おかしい…それなら何故、社長は自分にこの事を一言も言ってくれなかったのだろうか?仮にも社長の右腕として会社を支えてきた自分には何でも言ってきたのに、今回の件は初耳だ。
その点が腑に落ちない。
「鴨志田さんと言いましたね。
古賀とは何時、何処で貴女とお会いして、このようなお話しをされたのですか?」
鴨志田は達也と、事前に打ち合わせした通りに毅然とした口調で話した。
「実は私と古賀社長は、大学時代の先輩後輩という関係なのです。
卒業以来、久しくお会いしてませんでしたが、先日、古賀社長が私の勤務先に相談にいらっしゃった時に偶然お会いしたのです。
その後も連絡を取り合うようになって、プライベートなお付き合いをするようになってから、このお話をいただきました。
最初、この話を持ちかけられた時、私はお断りしました。
でも、何度も古賀社長は是非ウチに来て欲しいと言われて…
私は返事を保留していたのですが、その矢先に今回のような件がありまして。
達也さんとは、古賀社長が私と食事をした際にお会いしています。
達也さんは大変お母様思いで、会社の事も随分とご心配なさってます。
この件がきっかけで、というワケではありませんが、私は御社で今まで培ってきた経験を活かし、いつ古賀社長が戻ってきてもいいように、更に大きくなった会社を見てもらいたい為にお引き受けしました」
まるで教師の頃の様な口調で沢渡を説得した。
「そうは言ってもですね、達也さんを社長にして、貴女を秘書として迎えると言われて、ハイそうですか、というワケにはいかないんですよ。
私も古賀と共に会社を切り盛りしてきました。その自負もあります。
こう言ったら失礼になるかもしれませんが、外様の人に会社の実権をそう簡単に渡すわけにはいかないんですよ。ご理解いただけますよね、私の言ってる事は?」
難色を示しながらも、鴨志田の胸の谷間をチラチラと見ている。
(エラそうな事言っても、目はアタシの胸ばかり見てる。オトコなんて、そんなもんよ)
ソッチの欲求を満たしてあげれば、我々の条件を飲んでくれるはずだ、と。
すると、達也のスマホに着信が鳴った。
「もしもし、どうした?」
どうやら亮輔からの連絡みたいだ。
二言三言話をすると、電話を切った。
「あの、申し訳ありません。
弟の亮輔から連絡がありまして、社長の自宅に捜査が入るみたいで、立ち会いをしなければならなくなって…
今日はここで失礼させていただきますが、この後、場所を変えて話し合いをしてみたらどうでしょうか?私はまだ未成年ですし、お酒は飲めませんが、お二人なら気兼ねなくお飲みになれるでしょう。
結論はすぐにでも、というワケでは無いですし、今日はお二人で今後の事を話し合ってみてはどうでしょうか?」
達也は、鴨志田と沢渡を二人きりにする計画を立てていた。
「私はお断りする理由はありません。むしろ、沢渡さんと今後の事についてじっくりとお話ししたいです」
鴨志田は笑顔で達也の申し出を受けた。
「ま、まぁ…一杯飲みながら話をするぐらいなら平気ですが」
沢渡の目線は鴨志田の胸元に集中している。
(この男、アタシとヤリたくて仕方ないんだわ。後で骨抜きにして、こっちが主導権を握らせてもらうわ)
後は計画通りに鴨志田が沢渡を誘惑するという流れだ。
「それでは、私はこれから社長の自宅に行きますので、後はよろしくお願いします」
達也は頭を深々と下げると、鴨志田に目で合図した。
(後は任せたぞ)
(了解、こっちは任せて)
慌ただしく達也は店を出た。
店内には既に鴨志田が待っていた。
高校教師の頃のような、黒髪のロングヘアーを一つに束ね、メガネをかけ、黒のスーツに白のインナーという出で立ちだ。
そして白のインナーの胸元はかなりボリュームがあり、谷間が目立つ。
鴨志田は立ち上がり、達也と沢渡に頭を下げた。
その際、目の前の谷間を沢渡は凝視していた。
「紹介します。こちらが経営コンサルティングの鴨志田紗栄子さんです。
鴨志田さん、この方が沢渡さんで、社長が一番信頼していた凄腕の副社長です」
達也は互いを紹介した。
「はじめまして、鴨志田と申します。こんな時に私の為にお時間を割いてしまって…心中お察しします。
古賀社長にお会いするのを楽しみにしていたのですが…
早く見つかるといいですね」
「こちらこそはじめまして、沢渡と申します。今回の事は手前共も、何か身の危険でもあったのじゃないかと、警察に捜索願いを依頼しました。ですからこんな状況なもので、仕事もろくに手がつかない状態です」
沢渡は沈痛な面持ちで挨拶をした。
「それで、このまま社長の行方が分からないとなると、誰が社長の代わりをするか?そのために今日は鴨志田さんを紹介しようと思いまして、沢渡さんにご無理を言ってお誘いしたわけです」
達也は本題に切り出した。
「まぁ、確かにいつまでも社長不在のままというワケにはいかないでしょうからね」
社長は自分以外に考えられない、沢渡はそう思っていた。
その時、達也が思いもよらない事を口にした。
「沢渡さん、社長は僕に次期社長になって欲しいとおっしゃってましたよね?それで自分なりに考えたのですが、私が代役として社長を引き受けたいのですが」
「…えっ?社長って…」
沢渡は呆気にとられた。
達也はまだ大学生でしかも未成年だ。社長になるのは早すぎる。
沢渡は反対した。
「達也さん、確かに社長は貴方を次期社長として、指名しましたが、いくらなんでも今は早すぎます。
貴方はまだ大学生でしかも未成年だ。こう言っちゃなんですが、経営の事をご存知なんですか?」
話にならない、こんな大事な時に何を言ってるんだ、という表情だ。
「確かに沢渡さんから見れば、僕なんてまだまだガキです。
だからこそ、鴨志田さんを我が社に引き入れて、新体制を作るんです。
社長は鴨志田さんの事をヘッドハンティングする予定だったのです。
経営コンサルティングという経歴を持つ鴨志田さんを社長は前から引き抜こうとしていたんです。
鴨志田さんは経営のプロです。
だから鴨志田さんを秘書に僕が後を継ぎます。
沢渡さん、貴方が了解してくれれば、他の社員達も納得してくれるはずです。
どうか、お願いします!」
達也はテーブルに額をつけ、頭を下げた。
「沢渡さん、達也さんから色々とお話しは聞きました。
あくまでも仮説で、その間に古賀社長が戻ってくれればいいのですが、もし万が一という事もあります。
その時は私が達也さんの秘書となって御社の経営アップの為に尽力します。
どうでしょうか?」
鴨志田が話している間、達也はひたすら頭を下げていた。
「いや、でもしかし…」
沢渡は戸惑った。
こんな青二才に会社を任せるなんて無理に決まってる。
しかし、あの社長が是が非でも引き入れたいという、経営のプロが目の前にいる。
でも、おかしい…それなら何故、社長は自分にこの事を一言も言ってくれなかったのだろうか?仮にも社長の右腕として会社を支えてきた自分には何でも言ってきたのに、今回の件は初耳だ。
その点が腑に落ちない。
「鴨志田さんと言いましたね。
古賀とは何時、何処で貴女とお会いして、このようなお話しをされたのですか?」
鴨志田は達也と、事前に打ち合わせした通りに毅然とした口調で話した。
「実は私と古賀社長は、大学時代の先輩後輩という関係なのです。
卒業以来、久しくお会いしてませんでしたが、先日、古賀社長が私の勤務先に相談にいらっしゃった時に偶然お会いしたのです。
その後も連絡を取り合うようになって、プライベートなお付き合いをするようになってから、このお話をいただきました。
最初、この話を持ちかけられた時、私はお断りしました。
でも、何度も古賀社長は是非ウチに来て欲しいと言われて…
私は返事を保留していたのですが、その矢先に今回のような件がありまして。
達也さんとは、古賀社長が私と食事をした際にお会いしています。
達也さんは大変お母様思いで、会社の事も随分とご心配なさってます。
この件がきっかけで、というワケではありませんが、私は御社で今まで培ってきた経験を活かし、いつ古賀社長が戻ってきてもいいように、更に大きくなった会社を見てもらいたい為にお引き受けしました」
まるで教師の頃の様な口調で沢渡を説得した。
「そうは言ってもですね、達也さんを社長にして、貴女を秘書として迎えると言われて、ハイそうですか、というワケにはいかないんですよ。
私も古賀と共に会社を切り盛りしてきました。その自負もあります。
こう言ったら失礼になるかもしれませんが、外様の人に会社の実権をそう簡単に渡すわけにはいかないんですよ。ご理解いただけますよね、私の言ってる事は?」
難色を示しながらも、鴨志田の胸の谷間をチラチラと見ている。
(エラそうな事言っても、目はアタシの胸ばかり見てる。オトコなんて、そんなもんよ)
ソッチの欲求を満たしてあげれば、我々の条件を飲んでくれるはずだ、と。
すると、達也のスマホに着信が鳴った。
「もしもし、どうした?」
どうやら亮輔からの連絡みたいだ。
二言三言話をすると、電話を切った。
「あの、申し訳ありません。
弟の亮輔から連絡がありまして、社長の自宅に捜査が入るみたいで、立ち会いをしなければならなくなって…
今日はここで失礼させていただきますが、この後、場所を変えて話し合いをしてみたらどうでしょうか?私はまだ未成年ですし、お酒は飲めませんが、お二人なら気兼ねなくお飲みになれるでしょう。
結論はすぐにでも、というワケでは無いですし、今日はお二人で今後の事を話し合ってみてはどうでしょうか?」
達也は、鴨志田と沢渡を二人きりにする計画を立てていた。
「私はお断りする理由はありません。むしろ、沢渡さんと今後の事についてじっくりとお話ししたいです」
鴨志田は笑顔で達也の申し出を受けた。
「ま、まぁ…一杯飲みながら話をするぐらいなら平気ですが」
沢渡の目線は鴨志田の胸元に集中している。
(この男、アタシとヤリたくて仕方ないんだわ。後で骨抜きにして、こっちが主導権を握らせてもらうわ)
後は計画通りに鴨志田が沢渡を誘惑するという流れだ。
「それでは、私はこれから社長の自宅に行きますので、後はよろしくお願いします」
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