快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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忌まわしき過去

死に場所

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その間、亮輔は何をしていたかというと、ビジネスホテルやカプセルホテル、インターネットカフェ等を転々とし、その間不動産巡りをして、部屋を探していた。

だが、15才という年齢に加え、保証人がいない理由で、部屋を借りる事が出来なかった。

保証人になってもらう為、達也の携帯に何度も連絡したが、繋がらない。
それもそのはず、達也は亮輔がマンションを出た日に解約している。

達也が住んでいたワンルームマンションは既に他の人が住んでいて、千尋のマンションも売却済みだ。

亮輔は一人になってしまった。

(オレはアニキに見捨てられたのか?)

そんな思いが頭を駆け巡る。

ホテルの宿泊料金や、毎日の食事代で貯金が徐々に減っていく。

そうなると、住み込みで働ける場所を探すしかないのだが、過去に型枠大工の仕事をしていた時、周りの冷たい態度に腹を立て、二日で辞めてしまった事もあり、職探しを躊躇った。

今はそんな贅沢は言ってられない。
多少の事はガマンしようと、求人サイトを片っ端から調べた。

亮輔が見つけたのは、整備士の見習いで、寮完備と記載されていた。

バイクや車にそれほど興味はないが、こんな生活を送るよりはマシだ。

その翌日、亮輔は面接に行った。

しかし、履歴書には保証人が記入されてない事を問われ事情を説明したが、身元不明の少年を雇ってくれるはずもなく、不採用となった。

すると亮輔は、日払い可能の、登録型派遣会社に目をつけた。

日によって、勤務場所も職種も様々だったが、休むこと無く続けた。

しかし、その僅かな日当も、宿泊費を払えば無くなってしまう。

切り詰めに切り詰めた、ギリギリの生活の中で、亮輔の心は限界に達した。

(アニキはどこにいるんだ?オフクロも行方不明だし…この先、オレはどうすればいいんだ…)

フラストレーションが溜まりに溜まって爆発寸前だった。

そんなある日、加工品の袋詰めをするライン作業をしていた。

(一体、いつになったらこんな生活から抜け出せるんだろう?)

張り詰めた糸がプツンと切れた。

全てを放り出し、工場を出た。

行くアテなど無い。
荷物を手にひたすら歩いた。

「何なんだ、オレの人生は?このままフラフラとアテもなく歩いて何処へ行こうとしてるんだ…」

情けなくなって思わず涙がこぼれ落ちた。
残りの金も僅か。
このままじゃ、ホントにホームレスになってしまう。

どのくらい歩いたのだろうか、いつの間にか知らない場所まで来ていた。

うだるような暑さの中、汗だくになりながらアテもなくひたすら歩いた。
喉が乾き、空腹に耐えながら。

空は段々とオレンジ色の夕暮れに変わっていた。

ラーメンでも食べようか、でもそんな贅沢は出来ない。
コンビニを見つけると、水とカップラーメンを買い、店内に備えてあるポットでお湯を注いでイートインスペースで食べた。
エアコンが効いて、汗で濡れたシャツがひんやりと感じる。

カップラーメンを食べ終わり、ミネラルウォーターを一気に飲み干した。

すっかり暗くなり、空は三日月が輝いている。

ほんの数日前まで、小島と共に夜遊びをして、朝に帰って夕方まで寝るという自堕落な生活をしていたが、今は帰る場所が無い。

それどころか、小島とも連絡がつかない。


小島は亮輔がマンションを出た後、連絡を取れないよう、着信を拒否している。

全ては達也の計画なのだが、亮輔は知る由もない。

(もう疲れた…何もかもがイヤになった…)

先の見えない日々に絶望を感じた亮輔は、死ぬ場所を探しにひたすら歩いた。

この辛い日々から解放されるには、死ぬ事以外無いと思った。

やがて、前方に高層のマンションが見えた。あの屋上から飛び降りて死のう、そう決めて入り口に着いた。

だが、そのマンションはオートロック式で中に入る事は出来ない。

(死ぬ事さえも出来無いのか、オレは!)

このマンションがダメなら他の建物を探そう、と亮輔はまた歩いた。

ただひたすらに、死に場所を求め歩いた。

すると、向かい側の塀に、大きく募集と書いてある貼り紙を目にした。


【寮完備、見習い歓迎 舗装工事作業員募集 年齢不問】と書いてあった。

舗装工事と言えば聞こえはいいが、土木作業員。
昔で言えば土方という日雇い人夫の事だ。

(肉体労働か…このまま死ぬか、それともここに連絡するか)

亮輔は貼り紙の前でしばし考え込んだ。

(ここに連絡して、ダメなら死のう)

今すぐにでも連絡したいが、こんなに遅い時間に連絡するのは失礼だと思った。

今日は、何処かで野宿をして、翌朝になったら連絡しよう、と公園のベンチを探した。

辺りは住宅街で、公園らしき場所は見当たらない。

亮輔は立ち止まると、財布の中にある金を数えた。

残り20万弱…
ならば、インターネットカフェで一晩過ごそうと決め、駅前のインターネットカフェに入った。
歩き疲れたせいか、部屋に入ってすぐ、深い眠りについた。
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