快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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新たな出発

背に腹は変えられない

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母の治療費は高額で、オレの蓄えた貯金を吐き出しても、すぐに底を突いてしまう。

沢渡さんにはもう頼めない。
かといって、今の仕事では到底無理だ。

どうやったら治療費を捻出出来るのか。

学校を辞めて昼夜働き、何とか1円でも多く稼がないとならない。

だが、16才のオレは夜間の仕事が出来ない。

どうしよう、どうやったら金を作れるのか…

頭の中はその事で一杯になり、他の事を考える余裕などない。

こんな時、沢渡さんから貰った1000万を使わなければ…後悔した。

もう少し早く母親が見つかったら…
オレは何てバカな事をしたのだろう。

金、金と二言目に言うヤツを見下していたが、まさか自分がそんな思いを強いるなんて考えた事すらない。

どうする?
年齢を18と偽って夜の仕事をするか…

しかし、バレた事を考えると、雇う側はオレを即刻クビにするだろう。

何か方法はないか…

【レンタルボーイ、レンタルガールって仕事があってね】

凜の言葉を思い出した。

ホントにそんなに稼げるのだろうか?

ましてやオレは16才。
登録するにはそれなりの審査が必要だと言ってたはずだ。

凜に連絡先を教えて貰ったが、そんな事をやるつもりは全く無かったので、削除してしまったた。

あれだけ人の借り物にはなりたくない、と言ってたが、背に腹は変えられない。

あの番号を控えておけば良かった。

こうなったらやるしかない…
ただ、どうやってその仕事を探し出せばいいのか。

オレはパソコンで、【レンタルボーイ レンタルガール】と検索してみた。

勿論載っているハズが無い。
裏の仕事だから、簡単に検索出来るようにはなっていない。

どうする、どうやったら調べられるのだろうか?

オレは色々と考えた。もしかして、沢渡さんなら知ってるかもしれない。
あの人は裏の世界も知り尽くして、それなりに顔が利くと以前、母が言っていたのを思い出した。

オレは沢渡さんに連絡を入れた。

【はい、もしもし】

「あ、もしもし、亮輔です」

【あぁ、亮輔くん、どうした?お母さんの事かな?】

「えぇ、まぁそうなんですが…」

【お母さんはとりあえず病院にしばらく入院だ。面会なんてまだまだ無理な状態だよ】

「いえ、その事ではないんです」

【ん?じゃあ何かな?】

「あの…」

オレは少し躊躇ったが、致し方ない、聞くしかない。

「沢渡さん、レンタルボーイというのをご存知ですか?」

【…】

沢渡さんがしばし無言になった。

もしかしたら、マズい事を聞いてしまったのかもしれない。

【亮輔くん…】

「はい」

【君が立ち入る世界じゃない。これは私からの忠告だ。
君は真っ当に仕事して欲しい】

そんなに恐ろしいとこなのか…

「ですが、母の治療費を払うにはそれしかないんです」

【亮輔くんにこの前渡した金があるじゃないか。君はあんな世界に足を踏み入れてはいけない】

困ったな…まさか全部使いましたなんて言いづらい。

【亮輔くん、まさかもうあの金を使いきったワケじゃないだろうな?】

…素直に言うしかない。

「はい。実はもう使い果たしました」

【バカな!一体何をして、こんな短期間で全部使いきったんだ?】

「その事についてじっくりとお話ししたいのですが…」

【…どんな理由があるにせよ、君の為にコツコツと貯めた金を全部使いきるなんて…何があったんだ?】

「…ですから、その事についてお話ししたいので」

【仕方ない。確か学校が終わるのは21:00頃だったね?】

「ええ、そうです」

【では家に着いたら連絡をくれないか?私が君の部屋に行くから】

「はい、分かりました。沢渡さん無理を言って申し訳ありません」

【では、また後で】

沢渡さんに直接聞くしかない…
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