快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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レンタルボーイ、金持ちの玩具

商品として

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「そんなとこに立ってないでお座りなさい」

女オーナーは優しい口調でオレに語りかける。

沢渡さんは、ここから先は一切の責任は負えないと言ったが、ここにどんな危険性があるのだろうか。

オレは言われるがまま、ソファーに腰かけた。

「沢渡さんから大体の事は聞いてると思うけど、改めて説明するわね。
ここは高級会員制のレンタルクラブ。そして貴方はレンタル要員という事。お客様は有名芸能人や政界の方、大財閥の方々が利用する秘密のクラブなの。
お客様は貴方をレンタルするんだけど、1日という人もいれば、1週間、更には1ヶ月レンタルしてくれるお客様もいるわ。その間、貴方はお客様と共に生活をするの。
まぁ、大体はセックスの相手なんだけど、中にはちょっとクセのある人もいるから注意してね。
ただ、レンタル期間中はいかなる場合でも途中で放棄してはならない。分かったかしら?」

「えぇ、それは事前に知らされました」

…何だろ、この佇まい。母とソックリだ。

「貴方も随分とその若さで苦労したのね。血の繋がらないお兄さんの為に振り回されてきて。
実の母親は殺され、育ての母親は海外に飛ばされて薬物中毒者となって帰国。
さぞかし辛い思いしたでしょうね」

「な、何でそこまで知って…」

「貴方の目は悲しみに満ちているわね。でもいい?お客様の前ではそんな目をしちゃダメ。
機嫌を損なうような顔は禁物よ」

目?そんな目をしているのか、オレは。
そんな事よりも、何でこの人はオレの事をここまで知っているのか、それが不思議だった。

「貴方はとても優秀なレンタル要員になれそうだわ。それと、肝心のお金の事だけど。
一日だと10万、一週間だとその7倍、一ヶ月だと…30日だから300万。
その金額から私達が4割を貰うの。だから1日だと貴方が貰える金額は6万。

一週間ならば、42万。一ヶ月だと180万。後は貴方次第でお小遣いをくれるお客様もいるから、気に入られるように頑張らないとね。こういうシステムだけど、大丈夫かしら?」

金の事よりも、一体何をさせられるのか、それが不安だ。

「フフッ、心配そうな顔してるわね。でも大丈夫。あなた方は大事な商品なの。だから決して法に触れないようにお客様には伝えているから」

そんな事言っても、中にはグレーなヤツだっているだろう。
そう、オレが凜にしてきたような屈辱的な事を。

それでも耐えなければならないのか。
凜にしてきた仕打ちがまさか自分に返ってくるかのような…

でも、後戻り出来ない。母の治療費の為だ、多少の事は目を瞑ろう。

「他に何か質問はあるかしら」

見れば見るほど母に似ている。
この妖艶さがオレの下半身を熱くさせる。
間違いない、このオーナーは母と同じタイプの人間だ。
しかもセックスにはかなり貪欲な性格に違いない。

「特にありませんが。あっ、一つだけあります」

「あら、何かしら?」

女オーナーは足を組み替え、色っぽい笑み浮かべる。
まるでオレを誘うように、短いスカートの中からセクシーな下着を覗かせる。

そこに目がいってしまうが、見ないようにしなければ。

「実は僕、定時制に通ってるんです。だからその時間だけは学校に通わせてもらえないでしょうか?」

オーナーは鼻で笑うと、オレを見下す様な言い種で却下した。

「貴方、レンタルされるのよ?学校行く時間なんて、お客様が許すワケし、何があっても任務を遂行してもらうって言ったでしょう?」

「ですが、母と約束したんです。何があっても高校だけは卒業すると」

「貴方まだこの世界の事を把握してないみたいね。
どうしても学校に通いたいなら、定時制じゃなく、通信制の高校に行ったらどう?」

通信制か…

それなら家でも勉強出来るな。

「そうですか、分かりました。後は特に聞くことはありません」

どのみち学校も仕事も辞めなきゃならないだろうと思っていた。

この仕事一本でやっていくしかないだろうと。

「では契約成立という事でよろしいかしら?」

もう聞くことは無い、とにかくやるだけだ。

「はい。よろしくお願いします」

「ちょっと瓜田くん、契約書持ってきてちょうだい」

奥の部屋から先程のイケメンが書類を持ってきた。

この男は瓜田という名前なのか。

瓜田はテーブルに契約書とボールペンを置いた。

「そこに書かれている事をよく読んでからサインするのよ。
後で話が違うと言われても、こっちとしては面倒な事になるから」

オレはオーナーの言うとおり契約書を隅々まで読んだ。


書かれている事はさっきオーナーが言っていた事と同じ内容だ。

怪しい点はどこにも記載されてない。

オレは契約書にサインして、印鑑を押した。

とうとうオレもレンタル商品になってしまったのか…あれだけ忌み嫌っていた商売をやるハメになるとは。

「これで契約成立ね。亮輔くん、これから頑張ってちょうだい、期待してるわよ」

オーナーは再び右手を差し出した。

オレもそれに応じ、右手を出し握手した。

【ギュッ!!】

痛っ、なんだこの握力は?

先程のソフトな握力と違い、女とは思えない程の握力で握られた。

「驚いた?これでも昔、アームレスリングやってたのよ。結構いい大会にも出てたの。フフフッ痛かったでしょ?」

このフェロモン漂うセクシーなボディラインからは想像出来ない力だ。

「さて、亮輔くん、早速だけど仕事に取り掛かってもらうわ。
レンタル期間は1週間、さっきも言ったけど、貴方の取り分は42万、いいかしら?」

「はい!それで、どんな相手の方なんですか?」

金をもて余した大企業の社長の奥さん辺りを相手にするものだと思っていた。


「悪いわね。お客様の素性を事前に知らせる事は出来ないの。これは規則だからね。契約書にも書いてあったでしょ?」

契約書にそんな項目なんてあったか?
オレの見落としだったのか…

だが、そんな事は言ってられない、サインしたのはオレ自身なのだから。

「今日の夕方から、一週間後の夕方までお客様と一緒に過ごすの。そして一日に一回は必ずここに連絡してちょうだい。
その日の出来事を報告をするのよ、分かった?」

「はい…」

一体どんな相手なのだろうか?

大金を得られるという気分よりも、相手が誰なのか分からないという不安がオレの頭を駆け巡っていた。
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