快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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不毛な同棲生活

取り戻した笑顔

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あの日以来、ナツと会話をしていない。
食欲も無く、寝る事さえ出来なくなった。

これがナツの言う、生きて一生苦しめ!という事なのか。

だが、話せただけでも良かった。

オレの心は話しても話さなくても変わりはないが、ナツに本当の事を言えて良かった。

後はオレが苦しんで、一生を終えるだけだ。

オレはあれ以来、ベッドで寝ず、ソファーで横になっている。

ナツも、一緒のベッドで寝るのはイヤなはずだ。

これでいいんだ、と自分に言い聞かせながら、罰を受け過ごしている。

オレは部屋で軟禁状態だ。

そもそも、外に出たいだなんて思わない。

だが、三日後は鴨志田の月命日だ。

ナツを連れて、墓前に線香をあげに行こうと思う。

ナツは仕事を終え、ベッドで読書をしていた。

「三日後、姉ちゃんの月命日なんだけど、一緒に墓参りに行くか?」

ナツは無言のままだった。

ならばオレ一人で行って、ついでに母の墓にも線香をあげてこよう。
オレは目を閉じた。

寝られない。日に日にオレは痩せ衰えてきた。

食欲も無い、眠れないとなると、身体が弱ってくる。

一生苦しめ!

この言葉は、これから先も忘れる事は無いだろう。

三日後、墓参りに行った。
ナツは来なかった。

いつものように、墓前で語りかける。

「先生、ナツに言われたよ。一生、生きて苦しめ!って。
何せ人殺しの弟だからな、オレは。
それよか、オフクロとはそっちの世界で仲良くやってるか?
オレももうすぐ、そっちに行くから、皆で一緒に暮らそう。
でも、オレは地獄行きかな。
じゃ、ちょっとオフクロんとこにも行ってくる。先生またな」

同じ墓地にある母の墓にもお参りした。

「オフクロ。
オレは生まれてきちゃいけない人間だったのかな?
でも、死ぬ事すら許されないらしい。正直な話、今苦しいよ…生き地獄だ。
皆、オレの周りの人達は死んでいった。呪われてるのかな、オレ。もう、何がなんだか…何の為に生きてるんだろう?
会いたいなぁ、オフクロに…
それと先生とは、今までの事は水に流して、向こうで仲良くやってくれよ、なぁ?
じゃ、また来るね」

生みの母、育ての母の墓前に話をして、オレは墓地から寺の出口へと歩いていった。

「…お姉ちゃんのお墓ってどこにあんの?」

寺の門の入り口には、ナツが腕を組んで立っていた。数日ぶりに口を開いた。

「…今案内するよ」

オレはまた、鴨志田の墓前に向かった。

「ここだよ」

【鴨志田家】と記された墓石の前に立った。

墓石の側面には、亡くなった日にちと年齢が刻まれていた。

「…!お母さんが亡くなった日と一緒だ…」

「えっ?」

ナツは母親をガンで亡くしている。
その亡くなった年月日が、鴨志田と一緒らしい。

「…お姉ちゃん」

ナツは墓石の前で泣き崩れた。

オレは少し離れ、遠目でナツの様子を見ていた。

ナツはただ泣きながら、手を合わせていた。

お互い酷な人生を歩んできたな。

だからオレたちは、悲しみに満ちた目をしているのだろう。

しばらく墓前の前にいたナツは、オレに言葉を掛けた。
クシャクシャになり、メイクが崩れていた。

「亮ちゃん…亮ちゃんも苦しんでたんだよね?」

そう、オレはずっと胸の痛みに迷いながら苦しんでいた。
この先もそうなるだろう。

「久々にパスタでも作るから早く帰ろう」

ナツは笑顔を取り戻した。
オレを許してくれたのだろうか?
分からないが、以前のように話をするようになった。
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