快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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不毛な同棲生活

サバ読んだ年齢

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あれから数日が経過した。ナツは休日でキッチンに立ち、焼きそばを作ろうとしていた。

「あ、油買うの忘れてた!どうしよう…」

油が無い。これじゃ焼きそばは作れない。

「じゃあオレがコンビニで買ってくるよ」

「亮ちゃんは外出ちゃダメ!私が買いに行くから」

オレを部屋から出したくないらしい。

「何でだよ、たかが油買いに行くだけだろ?少しぐらい外に出たっていいじゃないか」

オレをとことん束縛する。

「イヤだよ、亮ちゃん外出たら、女の人と会うつもりでしょ?」

日に日に被害妄想が酷くなってきてる。

オレは一週間以上外に出ていない。

ナツが出勤している時も、逐一連絡が入る。

しかも、LINEの動画で通話してくる。

それは、オレが何処にいるのかチェックするためである。

風呂に入って、出られない時もある。
ナツはその時、激しく怒り狂う。

「風呂に入ってる時は出られないだろ!まさか風呂場までスマホ持って身体洗えと言うのか、お前は!」

これにはオレもキレた。

「これからお風呂入るときは、ちゃんと脱衣場の動画まで映して!じゃないと私、不安で仕方ないの…」

…オレは鬱になりそうだ。
ただでさえ、心療内科に通い、パニック障害と診断されてるのに、これで鬱になったらオレはどうすりゃいいんだ。


一時間に数回LINEの動画で通話してくる。

刑務所よりも酷い環境だ。

トイレに行くときも、スマホを常に持っていないとヒステリックに喚く。

浮気防止だと言って、毎日フェラをされ、ザーメンの量までチェックする。

こんなことを毎日続けていたら、さすがにイクのが遅くなったり、途中で萎えてしまう時だってある。

「何処の女と浮気してたの!何でいつものようにすぐイカないの?他所で女とセックスしたから勃たないんでしょ!」

最早病気だ。

「毎日こんな事されて、すぐにイクわけないだろ!もういい加減にしてくれ!」

いくら言っても、ナツは聞く耳を持たない。

ザーメンの量をチェックするなんて無意味だ。

その日の体調や気分によって、イク時間や量も違ってくるのは当たり前の事だ。

しかし、ナツは毎日のようにオレの肉棒を咥えてくる。



もう、ナツのフェラでは感じなくなってきている。



射精するのが義務化していった。

ナツはこの前の中出しの件で、すっかり女房気取りだ。

まだ妊娠してるのかどうかさえ、分からないのに。
オレはナツに妊娠検査薬で調べようと言ったが、ナツは頑なに拒む。

それどころか「亮ちゃんは私の事を信用してないの!?」
と泣き叫ぶ。

「信用する、しないじゃなく、オレだって確認するのが当たり前の事だろ?」
そう言っても、何倍にも返ってくるので、あまりギャーギャー言われると、オレも発作を起こしかねないので、今はもう何も言わなくなった。

今も、油を買いに行くだけでこんな調子だ。

「じゃ、ついでに駅前にパン屋あるでしょ?そこで揚げパンとクロワッサン買ってきてよ」

「何で?これから焼きそば作るんだよ?パン食べたいの?」

マンションから駅まで、徒歩で12,3分かかる。

「当たりまえだろっ!オレ、全然外に出てねえんだぞ!だったら、代わりに買ってきてくれよ。オレだって買いたい物あるんだ。それすらもダメなのか!」

オレはいつもより少し声のトーンを上げて、怒り狂ったかのように怒鳴り散らした。

「うん、分かった。そんなに怒らないでよ…怒るとお腹の中の赤ちゃんに影響するから、ね?」

ふざけるな。つい最近の出来事で、妊娠かどうかさえ判別出来ないのに、お腹の中の赤ちゃんだと?


ナツは買い物に出た。

オレはカーテンの隙間から、ナツが出て行ったのを確認してから、山下に連絡した。

LINEを送ったが、いまだに返事が来ない。
ズボラなヤツだから、すっかり忘れてるのか、シカトしてるのか知らないが、唯一の手掛かりとも言える、ナツの高校の時の同級生、確かユキという、馬面の女ならナツの事を聞き出せるかも知れない。
それには、山下に連絡をしないと話しは進まない。

【ふぁい、もしもーし】

「もしもーしじゃねえよ、この前LINE送ったろ?見てないのかよ?」

【LINE?あぁ、そうだったけ?いや、最近忙しくてそれどころじゃねえよ】

この時間は寝てるのか。夜の仕事だから仕方ないか。

「起こして悪かったな。お前が手を出したって馬面の女いたろ?アイツのいる店で、どんな名前でやってるのか聞きたいんだよ」

【…は?】

「は、じゃねえよ!前に行った居酒屋にいた右側の女だよ、覚えてねえのか?」

【…お前知らないのか?】

「知らねえから聞いてんじゃねえかよ、何処の店だよ?」

【そうじゃねえよ!あの女、この前死んだんだぞ、ニュースでやってたの知らねえのかよ】

「…えっ」

死んだ?何で?

【殺されたっぽいな。お前テレビぐらい観とけよ】

「いつ、いつ死んだんだ?」

【もう、二ヶ月か三ヶ月ぐらい前だぞ。オレらが居酒屋で会った数日後に行方が分からなくなって、田舎の方の山の中で死体で発見されたってよ。オレ、ビビったもん。だって、ヤッちゃった女が殺されたんだぞ、オレ呪われないかな】

「それで、犯人は?」

【まだ捕まってないんじゃないかな。捕まったらニュースになるからな。っていうか、お前テレビ無いのかよ?】

「話が長くなるから、今は詳しい事は言えない。
なぁ、お前に頼みがあるんだ。
オレは今、ナツの所にいるんだが、被害妄想なのか何なのか知らないが、とにかく束縛したがるんだ、オレを。
おまけに、ナツの家にはテレビが無いんだ。
だから情報が全く伝わってこないんだよ。アイツ、見た目と違って、かなりイッちゃってるぞ。だから、お前に色々と聞きたいんだが、時間取れないかな?
今ナツは買い物に行って、もうすぐ帰ってくるんだが、ナツが出勤する日に、ここに来て欲しいんだ。頼む、オレ軟禁状態なんだ」

【はぁ、何だそりゃ?】

「それよりお前、いつ休みだ?」

【明後日か…うん、明後日は休みだ】

「じゃ、明後日ナツの家に来てくれ。場所は後で教えるから」

【お前いつから、ナツんとこに住んでるんだ?】

「あの馬面が死体で発見された時ぐらいだ。ナツはフツーじゃねえ!オレはアイツの正体を全く知らないんだ。だから、馬面が高校ん時の同級生だと言ったろ?あの女に色々聞きたかったんだが」

【…そうか。じゃあ、明後日そっちに行く。それからな、ニュースで分かったんだが、殺された女の年、28だってよ。オレらにゃ22だって言ってたクセによ。
確かに、今思えば22には見えなかったな】

「28?…てことは、ナツも?」

【同級生って事だから、同じ年になるわな】

ナツは28才?何故、年をサバ読む必要があるんだ?

「もうすぐでナツが帰ってくる!悪かったな。じゃあ明後日来てくれよ、後で住所教えるから」

【…お前、ホントにヤバい状況なのか?】

「だから、さっきから言ってるだろ?そうじゃなきゃ、わざわざ寝てるお前に連絡なんてしねえよ」

【…わ、わかった。じゃ後で住所教えてくれな】

「おぅ、じゃ悪いけど頼むな、それじゃまた」

電話を切った。
ナツが帰って来る前に、山下との履歴を消去した。

ナツはオレのスマホまでチェックする程、疑り深い。

まさか、あの女が殺されるとは。
おまけに28才…
ナツも22だと言ってたが、同級生となると…

初めてナツと会った時の様子を思い出してみる。

真ん中の豚みたいな女は山下と付き合って、殺された馬面の女に手を出したのが豚にバレて、カラオケで大変な目に遭ったとか言ってたな。

その時、ナツもその場にいた筈…

しかし、あの馬面とナツが同級生…それにしても、ナツは随分若く見える。

…まさか整形?

いや…単に若く見えるだけじゃないのかな


知られちゃ、ヤバい事があるのか?

殺された女とナツ。点と点が線になって繋がってるかのように思えてきた。

ここに山下を呼んで詳しく聞いてみるしかない。

もうすぐでナツが帰ってくる頃だ。

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