快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

sky-high

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最終章

まずは人質

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着信が鳴った。

「はい」

【나를 죽이고 사장이 된 모양이군?(オレを殺して社長になったらしいな?)】

これはハングル…

「失礼だが、何処かに掛け間違えでも…」

【クククっ、この声を覚えて無えとは…随分と偉くなったもんだな。なぁ、沢渡】

…まさか、この声は!

「…念のために聞いておくが、名前は?」

【おい、かつての社長様に名前はだと?】

声の主は達也だった。

「やっぱり、生きていたのか…」

【おい、沢渡。テメーんとこの、奥様と娘様は預かった。分かるよな、この意味が?】

「…な、何をした?妻と娘は無事なんだろうな?」

【…さぁ、どうかな?テメーに一つ条件を出す。テメーと過去に弟と呼んでいたあのヤロー二人だけで、コンテナの前に来い。来なきゃどうなるか…なぁ、沢渡ぃ~、聞いてんのか、おい】

「…分かった…亮輔くんと二人だけで行こう…その代わり、妻と娘には手を出すな!」

【待ってるぜ…】

会話はここで切れた。

「やっぱりあの時、確認しておくべきだったか…」

達也が東南アジアから帰国した際、達也に違和感を感じた。旅行前と比べ、雰囲気が少し違っていた。
だが帰国してすぐに、警察からの事情聴取で署に直行したせいもあってか、達也本人かどうかを確認する事も出来なかった。

「私の失敗だったのか…」

亮輔の言う通り、顔を変えて数年間、息を潜めていたとは思ってもなかった。

という事は、達也だと思って、始末したのは別人…
そこまでこっちの動きを察知して、顔を変えていた。

達也はソンヒョクを始末して間も無い頃、ナツと出会い、再び調教して、亮輔と接触するよう命令した。

ナツは顔を変えて、人気キャバクラ嬢として活躍していたが、亮輔と初めて会った飲み会の時に、一緒にいたユキに脅されていた。

整形している事と、在日コリアンだという事がバレてしまい、ユキは何かにつけて、ナツに金をせびっていた。

金を出さなきゃ、アンタの秘密をバラしてやる!そう脅され、致し方なくユキの言う通り、金を出していた。

だが、もう限界に達した時に達也と再会した。
ナツは達也に今の状況を全部、打ち明けた。

達也はユキを誘き寄せるようナツに命じて、誘いに乗ったユキは、達也の手によってバラバラにされ、山中で遺体となって発見された。

達也はナツを使い、亮輔に近づき、自分は鴨志田の妹だという名目で、亮輔に揺さぶりをかけた。

ジワジワと精神的にいたぶり、心身共にボロボロになってから、達也が止めを刺すつもりでいたが、ナツは亮輔の事を本気で好きになり、亮輔の身を案じて、外出する事を避けるように、何度も連絡して部屋にいるか確認するようになった。

「テメー、何で亮輔なんかに惚れてんだ!これじゃ、計画が台無しだろ!」

「達っちゃん、もういいでしょ!これ以上、人を殺すのは止めて!」

ナツが達也を必死で止めていた。
だが結局は、コンテナの中で、山下と共に首をはねられ、無惨な姿に変わり果てた。亮輔の目の前で。

そして今、達也は沢渡の妻と娘を人質にし、あの二人と決着を着けようとしている。









「行きましょう、沢渡さん!アイツはなんの躊躇もなく、二人の首を切断する程のイカれた殺人鬼です!」

オレは沢渡さんと共に、あのコンテナに行く…そして今度こそ、殺人鬼の息の根を止める!

「亮輔くん、我々二人だけで行ってもいいものだろうか…?」

「…行くしかないでしょう!奥さんと娘さんが人質になってるんですよ?あのヤローの事だから、色々と罠を仕掛けてるかもしれませんが、行くしかないでしょう!」

沢渡さんは苦渋の決断を迫られている。
だが、オレの憶測では、沢渡さんの奥さんと娘さんは既に…

いや、その可能性が高くても行くしかない…

「…分かった、亮輔くん。君を危険な目に巻き込んで申し訳ないが、あのコンテナに行こう」

オレと沢渡さんは車に乗り、コンテナの場所へと向かった。

「…亮輔くん」

「はい」

沢渡さんは、懐から銃を取り出した。

「もしもの時は…これで頼む!」

沢渡さんの決意を感じた。

「勿論です。アイツは必ず今日で仕留めないと、更に犠牲者が増えるだけです…」

重苦しい車中、オレと沢渡さんの結論は、あの殺人鬼を殺すしか無いと…それしか方法は無い。

沢渡さんの巧みなハンドル捌きで、思ったよりも早く着いた。

「亮輔くん!ここからは、一瞬たりとも気を抜けないぞ!」

「…はい」

オレたちは車を降り、コンテナの入り口で、様子を伺った。
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