快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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最終章

ケリをつけてやる

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オレと沢渡さんは二手に別れて、コンテナの周囲を注意深く見渡した。だが、ヤツの気配が感じない。

「もしかしたら、中にいるのかも知れない…亮輔くん、ここは先に私が入るから、後に続いてくれ」

「…分かりました」

沢渡さんが勢いよくコンテナの扉を開けた…そして、オレは背後で銃を構えた!

「…何だ、この匂いは?」

…血の匂いと異臭が入り交じって、気持ち悪くなりそうだ。

その瞬間、コンテナ内の投光器が光った!

「…何だこれは!」

そこには手足が転がり、腹を裂かれ、内臓を飛び出していた奥さんと娘さんが、血まみれの床に倒れていた…

「…危ない!」

沢渡さんの声に反応して、オレは後ろを振り返った…

「…まず一人ゲット!」

ヤツが後ろから、長い刀を振り下ろしてきた!

「…っ!!」

瞬時に避けたが、オレは肩口を斬られた!

「大丈夫か?」

…幸いキズは浅い…だがこの中で、ヤツは沢渡さんの奥さんと娘さんをバラバラにしやがった!

「待ちくたびれたぜ~、バカどもが。あんまり来るのが遅いから殺っちまったよ、ギャハハハハハ!」

刀をヒュンヒュンと振り回すと、中から鍵をかけた。

「よぅ、この中で2対1のハンディキャップマッチといこうぜ。テメーらごとき、オレ一人で十分だ」

「…テメー今まで一体、何人の人殺せば気が済むんだ!」

ヤツに銃口を向けた。

「ほう…出来の悪い我が弟よ。そんなに震えて、引き金が引けるのか、おい?」

確かにオレは手が震えている。
だが、今ここで仕留めないと…更に犠牲者が増えるだけだ。

「ここは私に任せてもらおう、亮輔くん」

沢渡さんは何も武器を持っていない、危険過ぎる!

「いいねぇ…じゃあ、テメーから始末してやる。
今すぐ女房と娘の所に逝っちまいな!」

この狭いコンテナの中で、あんな長い刀を振り回して斬れるのか…

「言っとくがな、オレの殺し方、誰の直伝か分かるか?」

ニヤけながら刀をこっちに向け、話を続けた…

「教えてやろうか?…沢渡龍三!テメーのオヤジがコリアンタウンで、在日のヤツら相手に教えた殺人術だ!」

「沢渡さんの父親が?」

「…」

沢渡さんは無言のまま左手を前にし、右拳を腰に当てた構えをしている。

空手の型なのか…

「テメーのオヤジ、昔は殺し屋だったそうだな?聞いたぜ、オヤジの愛弟子から」

「…言う事はそれだけか?」

沢渡さんは構えたまま微動だにしない…目の前には無惨に殺された、奥さんと娘さんの遺体が転がっているにも関わらず…


「そんな構えで、オレを倒せるのか?しかも素手でオレに挑むとは…」

ヤツは刀の刃の向きを横に変え、左手で剣先を添えた構えで、ジリジリと間合いを詰めた…
オレは銃口を向け、いつでも引き金を引けるように構えた。

下手に動くと斬られる。
お互いに構えたまま、動かない。

目で相手の動きを牽制している…

「私のオヤジは殺し屋だった。しかも、ヤクザに雇われるような形でコリアンタウンを襲撃した。
だが、それもこれも病気がちなオフクロの医療費が必要な為、やむ無く…
そして、オヤジはその技を伝授した弟子と闘い、負けて死んだ…
まさか、その弟子直伝の殺し技を身につけたとはな…
いいだろう、この勝負、受けてやろう!亮輔くん、手出しは一切無用だ!さぁ、来い!その刀でこの首を斬ってみろ!」

身体中にもの凄い殺気を漲らせている。
沢渡さんは素手でヤツと戦うつもりだ…

無理だ!素手と刀じゃ、圧倒的に素手の方がヤバい!

するとヤツは、コンテナの鍵を開けた…

「降りてきな…外でケリつけてやっからよ。あんな狭い場所じゃ、この刀は振り回せないからな、クックックック」

(今だ!)オレはヤツが背を向けた瞬間、引き金を引いた!


【パァーン、パァーン、パン】

当たったか…?

オレはコンテナの外に出た…

「危ない!」
沢渡さんが言うと、ヤツは瞬時に体勢を変えて弾を避けた…まさか、オレが撃つ事を予想していたかのように…

(殺られた…)

ヤツはオレに刃を向けた…
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