52 / 241
第1章
第52話 戦場
しおりを挟む
カーブを進んていると、その先の様子が見えてきた。
そこに見えたのは、先程見た奴隷を乗せていた馬車だった。その馬車より先に横倒しになった馬車も見え、戦闘が繰り広げられていた。
ニーナは今回2本の剣を携えていて、1本は城で得たミスリルの業物だ。
しかし、こちらは抜いていない。もう1本は城にあった訓練用と思われる刃を潰した剣だ。
ニーナは俺達を置いてヒャッハーと唸りながら駆けて行き、取り敢えず歯向かう者を気絶させていく。何人かの奴隷をまず無力化していた。奴隷はニーナを新手の敵と勘違いしたのだろう。
振られた斧を紙一重で躱すと、通り過ぎる時に剣の柄でみぞおちを打ち付けたり、剣の横で叩いて戦いの中心部に向かう。
俺達も駆けつけるが、どうやら倒れている馬車は俺達が乗っていた乗り合い馬車で、燃えていた。
倒れている馬車の周りに生き残った乗客がおり、馬車を背に震えている。
護衛は見当たらず、代わりに奴隷の首輪を着けた者達がそれらを守り、身なりの悪い如何にも盗賊といった感じの奴等と戦っていた。
ニーナは敵を見定めたようで、賊を倒していく。
そして奴隷が俺とアイリーンを見付け、槍を手に取り襲い掛かってきた。
「待て!俺達は賊じゃない!騒ぎを聞きつけて襲われている人達を助けに来ただけだ!話を聞け!」
「商隊主を、仲間を守る!賊は斬る!」
20代半ばの筋骨隆々な戦士風な奴隷だった。
しかし、突き出そうとした槍は俺には届かなかった。
突き出し始めた瞬間に槍を手放して苦しみ出したからだ。
首を押さえて悶絶している。
「この人レオンの奴隷ですよ!何でですか?」
俺には思い当たる節があるが、下した命令とは違う。
よく見ると奴隷47とあった。
するとこちらに見覚えのある奴が向かってきて、俺の前に来ると片膝を就いた。
「ご主人様。まさかこのような場所でご主人様を発見出来るとは僥倖・・・」
「挨拶は良い。こいつをどうにかしないと死ぬぞ!どうすれば良い?」
「ならば失礼します。この御方が私達が探し求めていたご主人様だ。助かりたければ心の中で構わないから、忠誠を誓え!」
震えていたが、その1言の後、呼吸が楽になったようなので助かったようだ。
「先ずは今の状況を教えて欲しい。これまでの経緯は後だ」
「は、はい。我々はこの国の王都へ向かっておりましたが、あのカーブを曲がった先で丁度乗り合い馬車の一行と思われる者達が賊に襲われており、それに巻き込まれました。あちらの生き残りを助けつつ、共に賊と戦っておりました」
「分かった。あの赤毛の女性は味方だ。とはいえ、もう終わりそうだな」
取り敢えず最後尾の馬車を何人かの奴隷が囲んでいて、守っているようだったので、そちらに自然と足が向いていた。
奴隷商が俺達を連れてきたので、奴隷達は不思議そうにしていた。
「そのままで聞いてくれ。この御方こそは・・・」
「死ねやー!」
突如近くにいた奴隷の1人に向かい、丘の上から1騎が駆け下りて来て、剣を振りかぶっていた。背後からなので間に合わない。その奴隷が振り向くが、己の最後を悟り、腕をクロスするのが精一杯だった。
その奴隷はグシャッ!音と共に血に染まった。そしてゴヒューゴヒューと苦しげに、串刺しにしている剣を必死に抜こうとする姿が目に入り、何が起こったのか分からず啞然としていた。
「死ななかったか。でもこの傷だと時間の問題か」
俺はそういうと、グランザムを収納にしまった。するとドサッと地面に賊が転がった。そう、咄嗟に1步踏み出し、手をかざして両手に持つようにグランザムを収納から出したのだ。
そして避ける暇もなく賊の胸の中心を串刺しにし、賊の剣は奴隷に届く事はなかった。
そこに見えたのは、先程見た奴隷を乗せていた馬車だった。その馬車より先に横倒しになった馬車も見え、戦闘が繰り広げられていた。
ニーナは今回2本の剣を携えていて、1本は城で得たミスリルの業物だ。
しかし、こちらは抜いていない。もう1本は城にあった訓練用と思われる刃を潰した剣だ。
ニーナは俺達を置いてヒャッハーと唸りながら駆けて行き、取り敢えず歯向かう者を気絶させていく。何人かの奴隷をまず無力化していた。奴隷はニーナを新手の敵と勘違いしたのだろう。
振られた斧を紙一重で躱すと、通り過ぎる時に剣の柄でみぞおちを打ち付けたり、剣の横で叩いて戦いの中心部に向かう。
俺達も駆けつけるが、どうやら倒れている馬車は俺達が乗っていた乗り合い馬車で、燃えていた。
倒れている馬車の周りに生き残った乗客がおり、馬車を背に震えている。
護衛は見当たらず、代わりに奴隷の首輪を着けた者達がそれらを守り、身なりの悪い如何にも盗賊といった感じの奴等と戦っていた。
ニーナは敵を見定めたようで、賊を倒していく。
そして奴隷が俺とアイリーンを見付け、槍を手に取り襲い掛かってきた。
「待て!俺達は賊じゃない!騒ぎを聞きつけて襲われている人達を助けに来ただけだ!話を聞け!」
「商隊主を、仲間を守る!賊は斬る!」
20代半ばの筋骨隆々な戦士風な奴隷だった。
しかし、突き出そうとした槍は俺には届かなかった。
突き出し始めた瞬間に槍を手放して苦しみ出したからだ。
首を押さえて悶絶している。
「この人レオンの奴隷ですよ!何でですか?」
俺には思い当たる節があるが、下した命令とは違う。
よく見ると奴隷47とあった。
するとこちらに見覚えのある奴が向かってきて、俺の前に来ると片膝を就いた。
「ご主人様。まさかこのような場所でご主人様を発見出来るとは僥倖・・・」
「挨拶は良い。こいつをどうにかしないと死ぬぞ!どうすれば良い?」
「ならば失礼します。この御方が私達が探し求めていたご主人様だ。助かりたければ心の中で構わないから、忠誠を誓え!」
震えていたが、その1言の後、呼吸が楽になったようなので助かったようだ。
「先ずは今の状況を教えて欲しい。これまでの経緯は後だ」
「は、はい。我々はこの国の王都へ向かっておりましたが、あのカーブを曲がった先で丁度乗り合い馬車の一行と思われる者達が賊に襲われており、それに巻き込まれました。あちらの生き残りを助けつつ、共に賊と戦っておりました」
「分かった。あの赤毛の女性は味方だ。とはいえ、もう終わりそうだな」
取り敢えず最後尾の馬車を何人かの奴隷が囲んでいて、守っているようだったので、そちらに自然と足が向いていた。
奴隷商が俺達を連れてきたので、奴隷達は不思議そうにしていた。
「そのままで聞いてくれ。この御方こそは・・・」
「死ねやー!」
突如近くにいた奴隷の1人に向かい、丘の上から1騎が駆け下りて来て、剣を振りかぶっていた。背後からなので間に合わない。その奴隷が振り向くが、己の最後を悟り、腕をクロスするのが精一杯だった。
その奴隷はグシャッ!音と共に血に染まった。そしてゴヒューゴヒューと苦しげに、串刺しにしている剣を必死に抜こうとする姿が目に入り、何が起こったのか分からず啞然としていた。
「死ななかったか。でもこの傷だと時間の問題か」
俺はそういうと、グランザムを収納にしまった。するとドサッと地面に賊が転がった。そう、咄嗟に1步踏み出し、手をかざして両手に持つようにグランザムを収納から出したのだ。
そして避ける暇もなく賊の胸の中心を串刺しにし、賊の剣は奴隷に届く事はなかった。
125
あなたにおすすめの小説
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~
エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます!
2000年代初頭。
突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。
しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。
人類とダンジョンが共存して数十年。
元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。
なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。
これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!!
2巻2月中旬出棺です!!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる