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第18話 ラールダリス少将
しおりを挟むラールダリス少将は自分の計画が完璧だと思っていた。
フェニックスクラウンは攻撃力に特化した弩級の宇宙砲艦だったが、その分防御力は低い。
少将は自分に忠誠を誓った一部の乗員や兵士を使って、フェニックスクラウンへの潜入を果たした。
少将は主に破損艦の生き残りで構成された1隊を率いていた。
侵入者は反乱者と認定されるが、修復中の破損艦をなんとか動かしフェニックスクラウンの外部から攻撃しようとした。
しかし、突撃艦は何の抵抗を受けることもなくエアロックに接続できた。
少将はダレンがまさか艦隊内から侵入しようとする者がいないと、反乱が起こらないと油断したのだと思った。
ただ、その他の艦は数艦に囲まれ、あっさり投稿した。
少将はフェニックスクラウンのブリッジやエネルギー生成装置、武器庫などの重要な部分を占拠しようとし、ダレン大佐を排除するため、直接殺そうと入念な計画を立てていた。
しかし、少将はダレン大佐の策略にかかっていたことに気づかなかった。
ダレン大佐は少将の襲撃を予期しており、敢えて少将を旗艦に侵入させた。
エアロックに接続させたのは、破壊を伴って侵入されるのを避ける狙いで、全ての外部への防御機構を切り、シャトルなどがエアロックに接続するのを無条件で許可していた。
ダレン大佐は自分の部下や仲間にそれとなく指示を出し、少将をブリッジへと誘導した。
ダレン大佐は格闘のスペシャリストであり、1対1の決闘で少将を倒す自信があったからだ。
少将は旗艦内部で苦戦した。
フェニックスクラウンは防御システムや警報システムが弱く、外部からの攻撃に対して脆弱だったが、それでも侵入者を排除するための防御装置があった。
レーザーや電撃、催涙や睡眠ガスなどの罠が少将の進路を妨げた。
少将は自分の部下や仲間を失いながらも、必死に前進した。
しかし、逃げられる、もとい、転進出来る方向はブリッジへと続く道だけだった。
ダレン大佐はわざとブリッジへの道を開けており、ブリッジで少将と対決するつもりだった。
それもあり、少将はブリッジへと到達した。
しかし、そこでは銃を使えなかった。
ブリッジには感知器が設置されており、銃火器や爆発物などの使用を禁止していた。
ブリッジの中では銃にロックが掛かり、少将が知るコードでは解除できない。
ダレン大佐は銃を使えない状況になることを見越し、最終的な戦闘場所をブリッジに定めた。
それは、どうせブリッジを目指すだろうからというのと、下手に隔壁を破壊しながら進まれるのも修理が困難になるので、敢えてブリッジへ誘導した。
ダレン大佐は格闘のスペシャリストだったが、少将はそうではなかった。
少将はブリッジの扉の前に辿り着くと狂喜した!
そこに辿り着くとは、神は自分を見捨てていなかった!正義は我に有りと、ガッツポーズを取りさえした。
そして銃を手にブリッジのどあを開ける。
少将以上が知るセキュリティー解除コードで難なく開いたのもあり、所詮は大佐だと侮った。
このようなコードの存在などを知るレベルの階級ではないと。
そしてダレン大佐の姿を見つけた。
ダレン大佐はブリッジの中央に立っており、冷静な表情で少将を見つめていた。
少将はダレン大佐に対して激しい感情を抱いていた。
ダレン大佐が自分よりも優れた指揮官であることを認められなかったし、自分の地位や名声、権力を奪おうとしていると思っていた。
そしてダレン大佐を殺して、自分の正しさを証明しようとした。
少将は銃を構えて、ダレン大佐に向かってレーザー銃を発砲しようとトリガーを引いた。 しかし、銃声はしなかった。 ブリッジには感知器が設置されており、銃火器や爆発物などの使用を禁止していた。
少将は驚いたが、銃がロックされているのだとすぐに気づいた。
ダレン大佐は少将が銃を使って自分を殺そうとすることを見越してブリッジを選んだ。
ダレン大佐は格闘のスペシャリストだったが、少将はそうではないが銃は別だ。
少将は銃の腕には自信があった。 それに引き換えダレンは無い。 士官学校でも銃の腕は平均より上なだけだった。
少将は銃のロックを解除しようとした。 彼は自分の知るコード、パスワードや指紋認証などを試した。 しかし、どれも効果がなかった。 ブリッジの感知器は特殊な解除コードを要求していた。
それはダレン大佐しか知らないコードだった。
ダレンは敢えてその様子を見ることにした。
そしてロック解除が出来ないと分かるや否や、少将は激しく悪態をついた。
「このクソッタレ!このクソッタレ!このクソッタレ!貴様が私の銃をロックしたのか!貴様が私の銃を使えなくしたのか!貴様が私の勝利を奪おうとしたのか!貴様は卑怯だ!貴様は臆病だ!貴様は死ぬべきだ!」
ダレン大佐は少将の怒号に冷静に応じた。
「ラールダリス少将。あなたはもう負けです。あなたの部下や仲間も全て捕らえられました。あなたが今すぐ投降すれば、命だけは助けてあげます。これ以上無駄な抵抗をしないでください。」
ダレン大佐の言葉に少将はさらに怒り狂った。 彼はダレン大佐が自分を侮辱していると感じ、更に恐れて、勝てないと感じていると確信した。
「貴様が私に投降を求めるとは片腹痛い!私は戦える!まだ勝てる!そうだ、貴様を殺せるぞ!」
ダレン大佐は素早く反応して、悪態をつく少将の銃を蹴り飛ばした。
特殊な解除コードを使えば、ロックを解除されかねないからだ。
銃はブリッジの床に落ち、銃による驚異は去った。
ダレン大佐は少将に対して肉弾戦を挑んだ。
ダレン大佐は少将の動きを読み、その大振りな攻撃をかわし、急所を狙った。
少将は唖然となりながらも初撃を躱した。
少将とて体を鍛え、それなりに格闘術も習得しており、特にボクシングを好み士官学校時代は学年トップに輝いたほどだ。
素手では勝てないと悟った少将はナイフを抜いた。
2人の格闘は短く激しかった。
ブリッジには2人の息遣いや足音、衝突音しか聞こえなかった。
2人の格闘はブリッジの各部分で展開された。
2人はコントロールパネルやモニター画面、コマンドチェアなどを障害物として利用し、破壊したりしながら互いに打ち合った。
状況が変わったのは少将がナイフを抜いたからだ。
ダレンとてナイフの刃が当たれば怪我をし、致命傷を負う。
負けるつもりはないが、運悪く足を滑らせて転倒することもあるから倒しに行ったのだ。
しかし、20手ほどの攻防の後、ダレン大佐が首に手刀の一撃を加え、ダリダールを気絶させ逮捕した。
第2ブリッジで2人が戦う様子を見ていたミズリア少尉は、ダレンが怪我もなく勝ったことに安堵すると同時に涙がこぼれ落ちた。
そうして最終的にダレン大佐の勝利に終わったが、それは単純に少将よりもダレン大佐の方が強かっただけだ。
格闘技術や体力、それに判断力の全てが優っていた。
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