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第53話 流出したダレンの情事ビデオ
しおりを挟む会議は色々な意見が出て紛糾するも、入れ替え対象の(旧艦)戦艦のマイヤー艦長がジルテットが今回の離反に誘った映像を流した。
「皆、まずこれをみてくれ。ジルテット艦長達が離反の呼びかけに使った物だ。これを見て何人かの艦長は離反を決めたと思われる。ただ、あまり見ていて気持ちの良いものではない。取り敢えず10分ほどだから最後まで見て欲しい」
そこには2人の新兵を誑かし、提督室で情事に及ぶ1人の男の姿があった。
どうみてもダレンだった。
提督の権威を使い、立場の弱い新兵をモノにしていたと言うものだ。
かなり乱暴に女性たちを扱い、欲望の捌け口にしており、得られるリターンから2人は尽くしている歪な関係が伺える。
但し、日付はダレンが先日輸送艦で怪我を負った後だった。
「これが真実だ!ダレン司令は女性を蔑視し、自分の欲望のままに振る舞っている!彼は人類の救世主ではなく、暴君だ!我々は彼に従うべきではない!我々はジルテット中佐に従って、敵を倒すべきだ!彼女たちは私に泣きついてきた。純潔を奪われ、性奴隷のように扱われていると!カメラを仕掛けあられもない姿を皆に見られるのを承知の上で、自分達以外の被害者が出ないように使ってほしいと、助けてほしいと訴えて来たのだ!。こんなか弱い女性にこのような仕打ち、たとえ正当な指揮権を貸与されていようと関係ない!今こそ立ち上がるべきだ!安心しろ!この2人は既に保護した!」
「何だと!?この映像はどこから入手したんだ!?」
ダレンは激怒した。彼は映像に映る自分の姿を見て、信じられないと思った。彼はそんなことをした覚えがなかったが、どう見ても己の情事の様子だが、この2人に見覚えはない。彼は女性に敬意を払い、人として尊敬に値する人だと思っていた。彼は節度ある交際をしていた。
映像を流したのは、ジルテット中佐に従った重巡洋艦の艦長だった。彼はジルテット中佐に忠誠を誓っており、反逆に加担していた。ダレン司令を非難し、ジルテット中佐を擁護した。
「これはジルテット中佐に従った艦の艦長より受け取ったものだ。彼はこの映像を見て、ダレン司令に反抗することを決めたという。彼は私たちにもこの映像を見せて、同志になるように誘った。私は彼に賛同し掛けたが、それでも私はダレン司令に従うことを選んだ。他の理由もあるが、今は控える」
マイヤー艦長は堂々と言った。彼はこの映像を見てダレン司令に対して失望と軽蔑を感じ、ジルテット中佐に対して敬意と信頼を感じていたが、それでも軍人として踏みとどまった。
指揮能力と人となりは関係ない。
数人の女には気の毒な事だろうが、英雄色を好むの言葉もあり、抑えられないのだろうと。
胸糞悪いが、本国に帰るためにはダレンの指揮が必要と割り切っていた。
しかし、反省してもらう意図から敢えて爆弾を投下したのもあるが、反応から他にも受け取った艦長がいたようだ。
「この映像は捏造だ!ダレン司令はそんなことをしない!」
マクスロイ艦長は否定した。
彼はダレン司令に忠誠を誓っており、ジルテットの反逆に怒りを顕にしていた。
「どうしてそう言えるんだ!?この映像はどう見ても本物だぞ!ダレン司令の顔や声がはっきりと分かるだろう!」
1人の艦長が反論した。彼は映像の真実性を主張し、ダレン司令の罪を証明しようとした。
「だからといって、この映像が本物だとは限らない!この手のリアルで画像からはまず見抜けない本物のアダルト映像が艦隊内に蔓延しているのを知らないのか!?おそらくソフトを使って、ジルテット中佐とダレン司令の姿や声を交換した半ば偽の映像だ!」
マクスロイ艦長は反論した。
彼は映像の捏造の可能性を指摘し、ジルテット中佐の陰謀を暴こうとした。
「それにこの映像には矛盾がある。日付は先日輸送艦で司令が怪我を負った後だが、映像の中の人物に怪我の跡がない。提督室には誰も侵入しておらず盗撮は不可だし、カメラなどは機能しないようセキュリティが施されている。また、問題の2人は元々ジルテット中佐の艦に乗っているはずで、旗艦に乗艦したことはない。これらのことからこの映像は明らかに捏造だと言える。それにフェニックスクラウンの艦長室とも提督室とも作りが違う」
マクスロイ艦長は証拠を挙げた。
彼は映像の矛盾を指摘し、ダレン司令の無実を証明しようとした。
「そうだな。これは駐留艦隊で使われている戦艦の艦長室ではないか?私はそんな部屋に入ったことはないぞ。フェニックスクラウンの提督室の作りは公表していないから、旗艦でも一部の者しか知らないぞ!」
ダレンも艦長室であり、提督室ではないと話した。
彼は映像の背景に注目し、自分の居場所ではないと事実を否定した。
「この映像はジルテット中佐が私たちを騙すために作ったものだ。彼はこのような映像が蔓延している事を知らない艦長たちを信じさせ、離反させたのだ。」
ダレンは結論を出した。
「全艦に告げる。我々はジルテット中佐の反逆に対して、どのように対処すべきかを話し合う。彼は敵を追いかける星系にジャンプしたが、それは人類の星系への早道ではないし、敵の罠の可能性が高い。我々は追跡するのか、違う航路を取るのか?どうするべきかな?各艦の率直な考えや意見を聞いてみたい」
少し落ち着いてきたダレンは、最後は穏やかに問う事ができた。
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